必殺仕切人 [ドラマ]
TV大阪の時代劇アワー(月~木の11:35~12:30)で、本作品・「必殺仕切人」の再放送が始まった。ご存知「必殺!」シリーズの第22作であり、本放送は1984/8/31~1984/12/28で、全18話である。(「必殺!」シリーズのデータを作っていますので、ここをクリックしてご覧下さい。)
「必殺!」シリーズと言えば、やはり中村主水であるが、この作品はその主水に代わって「三味線屋勇次」をメインに据えた作品である。1作おきに主水登場作品と主水非登場作品が繰り返し制作されていました。で、主水登場作品の「必殺仕事人Ⅳ」と「必殺仕事人Ⅴ」の間に入ります。尚、勇次は「仕事人Ⅳ」に引き続いての登場で、「仕事人Ⅴ」からは外れました。
闇の仕事人が3人しか登場しない作品もある中で、本作は豪華にも7人の闇の仕事人(=仕切人)が登場する。(但し、全18話の全てに7人全員が登場するということではなく、一部は一旦出なくなる。→経費削減策なのか、俳優さんのスケジュールの関係だったのか?)本放送時、確か「オールスター・キャスト」と言うことを謳っていたように思います。
それにしても、この当時の主水非登場作品では、西崎みどりさんは毎作品レギュラーで出ていましたね。(「仕舞人」「新仕舞人」「渡し人」「仕切人」」「橋掛人」の5作。)「仕舞人」と「新仕舞人」は同一シリーズでしたが、他は全く別人ですが、同じような境遇で闇の仕事人のメンバーになるという役でした。(その甲斐あってか、最後の「橋掛人」では遂に元締になりましたが...)
全18話のサブタイトルは「もしも○○たら」というもので、一つの作品のサブタイトルも非常に凝っている「必殺!」シリーズであるが、このように統一されているというのは気持ちいいところです。が、物語の方はバラエティに富んでいて、初期の「必殺!」とリーズの重苦しさはなく、徹底した娯楽路線になっていて、江戸に「ピラミッドがあったら」「狼男が現れたら」「密林の王者が現れたら」というように突拍子もない発想のものや、「鳥人間大会」「超能力」「『娘よ』(=芦屋雁之助さんのヒット曲)」「占いブーム」という流行を取り入れたものとなっていて、楽しい作品でもありました。(中期以降のこの「娯楽路線」を嫌う方も多いが、こういう楽しい世界もまた良いものですけど...)→どことなく「ケータイ刑事」の世界に繋がるものを感じます。
尚、本作には「ウルトラセブン」のヒロイン・アンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さんがレギュラー出演(闇の仕事人ではなく、仕切人・髪結いの勘平の妻、但し、勘平が仕切人と言うことは知らない)していることも注目点の一つです。
各話のストーリーは、悪事を働く一味がいて、その悪事の犠牲になった人物が死に際に「恨みを晴らして...」と言って仕切人に恨みを晴らすように依頼し、死んでしまう。で、一味の悪事を突き止めて犠牲者の恨みを晴らすために仕切人が悪の一味を全滅させる、というお決まりのものである。が、それぞれの仕切人の殺し技がユニークで、しかも絵になるものばかり。必殺ではお馴染みの居合い系、吊るし系、力業系、突き刺し系が全て揃っているというのも嬉しい所であり、お国の殺しの際の台詞(「お命、終わります」)も楽しませてくれる。→お決まりのパターンがあるというのは、ある意味で時代劇の王道であり、安心して見ることが出来るものです。
ただ残念なことに、三味線屋勇次の必殺シリーズへの登場は、TVシリーズでは本作が最後になりました。一応、後に映画「必殺三味線屋勇次」がありますが... 主水が復活することになっていますが、本作のような徹底した娯楽路線の作品も復活してもらいたい所なんですけど...
必殺必中仕事屋稼業 / 必殺仕切人 ― オリジナル・サウンドトラック全集 5
- アーティスト: TVサントラ, 藤田まこと
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 1996/04/05
- メディア: CD
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