「WITHOUT A CLUE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1988年のイギリス映画「迷探偵シャーロック・ホームズ/最後の冒険」である。原題を見たら「何のこっちゃ?」でしょうが、邦題を見たら、これがどういう作品なのか、簡単に分かるでしょう。が、「迷探偵」って?というのは、本作は「名探偵」として名高いシャーロック・ホームズは、実は飲んだくれで女好きのただのアホという設定で、事件は実はワトソンくんが解決していた、という発想のコメディ作品である。(シャーロキアンの方々にとったら、「ふざけるな!」ということで怒り心頭になるだけでしょうが、こういう発想をするのもイギリスらしい所である。こういう作品もよろしいのでは...)
映画データを記しておくと、監督はトム・エバーハード、脚本はゲイリー・マーフィとラリー・ストロウザー、撮影はアラン・ヒューム、音楽はヘンリー・マンシーニである。そして出演は、マイケル・ケイン、ベン・キングズレー、ジェフリー・ジョーンズ、リセット・アンソニー、ポール・フリーマン、ナイジェル・ダヴェンポート、パット・キーン、ピーター・クック、ティム・キリック、マシュー・サヴェージたちである。
物語の設定は、助手のワトソンくんの言うがままに行動するホームズは三流役者ということで、酒好きの飲んべえというとんでもない設定となっている。が、ワトソンくんが実は優秀な男で、この辺りはコナン・ドイルの原作をひっくり返して更に強調していて、面白いところである。
また、ホームズを演じるM.ケイン、ワトソンくんを演じるB.キングズレーは共にオスカー俳優と言うこともあって、実に上手く、この二人の掛け合いが実に面白い。(名優が真面目に演じるからこそ生まれる絶妙のバランスである。)
ただ、本作の様なコメディ作品は日本では今ひとつ受け入れられないところがあり、「くだらない」ということでばっさりと切り捨てられてしまうのが残念でならない。(というよりも、こういうものを理解できない人こそ、勉強してもらいたいところである。)
また「ケータイ刑事」にはホームズをパロった「迷探偵ジャーロック・ボームズ」というキャラが登場するが(「銭形泪」「銭形零」「銭形雷」)、ここに登場するホームズは、そのボームズと関係があるのでは?と考えたら、空想の世界は寄り広がることになる。シャーロキアンを自負する方は、間違っても本作は見ないことにするのが良いでしょうが、「ケータイ刑事」を楽しむ方はチェックしておくと良いと思いますよ。
↓「迷探偵ジャーロック・ボームズ」が登場する物語の収録BOX(雷ちゃんでは「2世」ですが...)
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