「月光仮面」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画の中から、シリーズ作品をピックアップしているが、その第2弾は「月光仮面」です。この作品は、国産初のTVヒーロー作品として有名であるが、TV放送が始まった1958年からTV放送が行われていた1959年にかけて、シリーズ全6作品が劇場版として製作された。原作は川内康範で、本作意外にもいくつかのヒーローの原作者として知られていますね。また、1981年には22年ぶりにリメイク作が制作されたが、かつての人気作品のリメイクは大抵が転けるものであるが、その通りとなってしまい、その存在すらも忘れられている作品でもある。(当然、シリーズ作品としては扱わない。)それよりも、1972年にTVアニメ化(「正義を愛する者 月光仮面」)されたが、そちらの「月光仮面」の方は好評で、しっかりと知られている。
今回は劇場版全6作の最初の2本についてです。この2本は独立した作品になっているものの、内容は1つの物語の前編と後編というものであり、1本目が事件が起こり、追いつめていくものの、一点ピンチになり、「以下、続く」という形で終わり、不本目がその解決編である。現在ではこういう形の作品はTVドラマだったらあり得るが、映画としてはよほどのことが無いとあり得ない形であるが、当時はこういう形のものは珍しいことではなかった。(尚、この後のシリーズ第3作からは1本1本が独立した物語の1話完結型の物語です。)
映画データを記しておくが、1本目の「月光仮面・第1部」は51分の作品、2本目の「月光仮面・第2部/絶海の死斗」は52分の作品ということ以外はおなじなので、まとめます。原作と脚本は川内康範、監督は小林恒夫、撮影は星島一郎、音楽は小川寛興である。そして出演は、大村文武、宇佐美敦也、若水ヤエ子、峰博子、柳谷寛、小宮光江、佐々木孝丸、長谷部健たちである。また、両者共に1958年の白黒作品である。
尚、TVシリーズでは主役は大瀬康一であったが、彼のスケジュールの調整が出来ず、劇場版では大村文武が主役を演じているが、テレビ版を編集してブラッシュ・アップしたものではなく、真面目に撮影していると言うことが分かる。(結構大がかりな撮影を行っていて、劇場版らしくスケールアップしている。)
物語は、中山博士が開発した「HOジョー発爆弾」を巡って、どくろ仮面がそれを奪い、月よりの使者・正義の味方・月光仮面がその追跡を開始。ヒーロー作品であるが、どちらかというと冒険活劇といったものである。この2本を1本にすれば、約100分ということになり、時間的にも丁度良いぐらいになる。(ご覧になるのであれば、2本まとめて見ましょう。)
製作から半世紀近い歳月が流れたと言うことで、登場する現代文明の利器は完全に前時代のものであるが、だからこそ空想の産物であるヒーローの姿が逆にヒーローらしく見えるのが面白いところである。時代劇であればこのような違和感は生じないが、現代劇(半世紀前を「現代」と言うかは別にしても、製作当時は「現代劇」として製作している。)ではこの辺りがどう見えるかによって、後々でも通用する作品であるかどうか決まってしまうが、とにかく本作は不思議な異世界を舞台にした作品に見えるところが素晴らしい。
↓本作のビデオです。
↓こちらはTVシリーズのDVDであって、劇場版ではありません。
↓原作漫画のセットです。
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