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「復活の日」 [映画(邦画)]

表題の作品は1980年の超大作映画である。小松左京の原作小説を、構想5年、製作3年という歳月をかけ、また22億円(物価水準を考えたら、現在ではいくらぐらいになっているでしょうか?まあ、倍にはなっているでしょうね...)という巨費をつぎ込んで、南極ロケまで行い、日本だけでなくアメリカのビッグ・ネームまで出演しているところが中途半端ではない意気込みが伺える。製作当時は「近未来SF」であったが、現在では物語の舞台となる年代も四半世紀ほど昔になってしまっているが、それだけに終わらないメッセージが込められた作品である。

尚、本作は日本公開作は「復活の日」というタイトルであるが、英語圏の国々では「VIRUS」というタイトルで公開されている。但し、2時間半を越える作品を100分に編集し、物語の結末も全く異なるものになっている。(しかし、すこぶる評判が悪い。→見ない方がいいと思います。)

映画データを記しておくと、原作は小松左京、監督は深作欣二、脚本は高田宏治とグレゴリー・ナップと深作欣二の3人、撮影は木村大作、音楽は羽田健太郎とテオ・マセロ、主題歌はジャニス・イアンが歌う『ユー・アー・ラヴ』である。そして出演は、草刈正雄、渡瀬恒彦、夏木勲、千葉真一、森田健作、永島敏行、ジョージ・ケネディ、ステファニー・フォークナー、オリヴィア・ハッセー、グレン・フォード、ロバート・ヴォーン、チャック・コナーズ、多岐川裕美、緒形拳、ボー・スヴェンソン、エドワード・ジェームズ・オルモス、丘みつ子、中原早苗、ヘンリー・シルヴァ、セシル・リンダたちである。

冒頭、「1982年秋 人類は死滅した 南極大陸に863人の人間を残して-」というテロップで衝撃の近未来SFストーリーは始まる。そして哀愁を帯びたジャニス・イアンの『ユー・アー・ラヴ』が実に良いムードを与えてくれる。そして、時間を遡る形で、そうなっていった経過が描かれていく。

人類が死滅したのは、東ドイツの細菌研究所から猛毒のウイルスMM-88が盗まれ、それを奪ったスパイの乗った飛行機が事故で山に激突。そしてMM-88が世界中に蔓延したためであった。(人類だけでなく、動物たちも死滅という所がより恐ろしさを感じます。)

ただ、863人の中に女性が8人しかいないというのは、やっぱり時代なんでしょうかね。現在だと、もっと女性の社会進出が進んでいるので、もっと多くの人数が生き延びることに繋がると思うのですけど... (もう少し物語の設定年代が早かったら、女性はいなかったなんてこともありえますね。→子どもが生まれなくなり、人類は完全滅亡となっちゃうので、単なる人類滅亡の筋書きになっちゃうだけです。)が、こんなにも人数が少ないということで、また違った問題を上手く述べることに繋がっている。(問題発言をしたあの大臣だったら、自信を持ってその問題発言を再び口にするでしょうね...)

ウイルスの脅威ということと、東西冷戦という対立の時代の力による抑止力で平和が保たれているという愚かさ、極限に追いつめられた人間の姿など、メッセージの込められた人間ドラマは圧巻の迫力がある。しかも、国際的スターが結集しているというところも嬉しいところである。

本作はリアルで重厚な人間ドラマをたっぷりと見せてくれるということもあって、華を添えるような存在の女性キャラは不必要である。登場する女性キャラは立場は違っても、出番は少なくてもそれなりの存在感がある。が、やっぱりオリヴィア・ハッセーは別格ですね。1968年の「ロミオとジュリエット」で史上最年少のジュリエットを演じて人気が爆発したが、そんな彼女も本作出演時は三十路の手前になっていたが、やっぱり素敵です。

AIDSの時も、SARSの時もそうであるが、未知の病気が大きく広がったというニュースを聞くと、それらは「細菌兵器」ではないのか?、と思ってしまい、必ず本作と「女王陛下の007」を思い出してしまう筆者ですが、今も世界の何処かで人類を滅亡させる新種のウイルスの開発が進んでいるかもしれません... というのは夢であると100%信じられないだけに...

 

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↓原作小説
復活の日

復活の日

  • 作者: 小松 左京
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 1998/01
  • メディア: 文庫

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