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BRUCE SPRINGSTEEN『NEBRASKA』 [音楽(洋楽)]

表題のアルバムは1982年9月に発表された彼の6th.アルバムである。本アルバムは、E STREET BANDと録音するつもりで作ったデモ・テープをそのままアルバムとして発表した異色のアルバムである。(当然のように、当時、賛否両論ありました。)基本的には、アコースティック・ギターを中心とした弾き語り調の曲であり、バンドとしてプレイしてもデモ・テープの方が出来が良かったということで、そのままアルバムになったというのは有名な話です。ということで、楽器はアコースティック・ギターとハーモニカだけという実にシンプルなものである。が、歌詞の方は、アメリカの社会の矛盾を鋭く説いたものというように、鋭い視点の切り口を持っている。(商業主義の元では商売にならない内容である。)

前作「THE RIVER」の大ヒットによって、アメリカを代表するアーティストになった彼であるが、大ヒットした次のアルバムというのは実に難しいものであり、セールスの点では苦戦したが、内容については大いに評価されている。Billboardのチャートでも、本アルバムはレギュラー・チャートでは最高位3位を記録しているが、年間アルバムチャート('82年も'83年も)ではTOP100にはランクインしていない。(まあ、'82年9月の発売では、'82年の年間チャートには厳しいですが...)

収録曲は以下の全10曲である。『Nebraska』『Atlantic City』『Mansion On The Hill』『Johnny 99』『Highway Patrolman』『State Trooper』『Used Cars』『Open All Night』『My Father's House』『Reason To Believe』。

この中からは3曲がシングル・カットされてヒットを記録しているが、3曲ともBillboardの年間シングル・チャートのTOP100にはランクインしていない。シングル・カットされたのは『Atlantic City』(レギュラー・チャートの最高位10位)、『Johnny 99』(レギュラー・チャートの最高位50位)、『Open All Night』(レギュラー・チャートの最高位22位)である。

この中からの筆者のお薦め曲は、『Nebraska』『Atlantic City』『Mansion On The Hill』『Highway Patrolman』『Open All Night』『My Father's House』という所をピックアップしておく。特に『Highway Patrolman』は、ショーン・ペンがこの曲にインスパイアされて1991年に「THE INDIAN RUNNER」(邦題:インディアン・ランナー)という映画を製作したということで、後に再度注目されることにもなった。

シンプルなサウンドと弾き語り調の曲ということで、他のアルバムとは違う素に近い彼を知ることが出来るアルバムであり、こういう一面を見せるアーティストは殆どいないだけに、是非とも聴いてもらいたい所である。尚、余談であるが、彼が本アルバムで問いかけたアメリカ社会の問題点は、本アルバムの発表から四半世紀が経過した現在でも解決しておらず、逆により深刻になっている。

 

Nebraska

Nebraska

  • アーティスト: Bruce Springsteen
  • 出版社/メーカー: Sony International
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD


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