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快傑ハリマオ#6 [特撮]

この4月からKBS京都が放送を始めた「快傑ハリマオ」と「隠密剣士」。前者は1960年から1962年に、後者は1962年から1965年に放送された作品である。つまり、40年以上も昔の作品ということである。(筆者も、じっくりと見るのは初めてである。)で、今回、突然「ハリマオ」の第6話を取り上げたのは何故か。「ハリマオ」の6話と言われて直ぐにピーンとくるものがある方がおられれば、「流石です」と申し上げます。(ということで、タイトルこそレヴューを感じさせるものとなっているが、全く違うことを述べる。)

OP主題歌が始まる前に、「古い作品のため一部にお見苦しい場面がございます。…」という注釈の文字が画面に出る。そして今回は今までにない一文がある。これまではここまでであった「…。ご了承ください。」の続きとして「※この回からこの作品は白黒で制作されています」とある。つまり、全65話の「快傑ハリマオ」は初回から第5話まではカラー作品であるが、第6話から最終回までは白黒作品となり、今回は白黒としては最初の物語なのである。現在はカラー作品が当然であり、更には音声もステレオで、そしてハイビジョン制作で16:9のワイド画面が当然(地デジの場合、注釈あり)になっているだけに、「何故、白黒に?」という疑問を抱くという若い方もおられるであろう。

※地アナだと、16:9をトリミングして4:3で放送するか、レターボックスで放送するか、どちらも一長一短であり、どちらかに統一という状況ではない。しかし、地デジでは16:9が当然であり、4:3で制作されたものは左右に黒帯(黒幕と言った方が正しい表現であろう)を付けて、というのが常識である。また、現時点では地デジが受信できない地域もまだあるものの、既に日本人の85%以上の人間が住んでいる所で地デジは受信可能であり、16:9ワイド画面で番組を制作するのは常識である。(4:3の番組を制作しているような放送局、制作会社は既に存在価値なし。)

1960年当時、カラーテレビは既に登場していたが、まだまだ高価なものであり、テレビの主流は白黒であった。「カラー」という番組があれば、「おおっ、これは凄い!」というような時代である。新番組としてカラー作品としてスタートすれば、これだけで、大きな話題にもなり、宣伝文句にもなる。ということで、カラー作品として制作を行った「快傑ハリマオ」であるが、当然、制作費が高くなるという問題があった。で、制作費を抑制するという目的で6話からは白黒となった。(これ以外にもあるが、やはり制作費の問題は大きいことである。)

ちなみに、WOWOWでは去年の秋からアメリカのTVドラマ「拳銃無宿」(スティーブ・マックイーン主演)を放送しているが、これは白黒作品として制作されたものである。しかしそれに着色処理を行い、WOWOWではカラー作品として放送している。着色というのも技術が進歩したことによって不自然さが少ない形で実現できるが、筆者は、カラーでスタートした「快傑ハリマオ」であるだけに、今回のKBS京都の放送では、全話カラー化して放送、ということを密かに期待していたのである。→結局、それは夢でしかありませんでした。やっぱり、独立U局ではそこまで期待するのは無理なのでしょうね...(最初に「白黒」というテロップを出したことで、これからは全て「白黒」での放送だ、と完全に諦めたが、少しは努力して貰いたかった...)

しかし、白黒になったといっても、OPの主題歌の部分の映像や、次回予告での映像はこれまでのカラーの時と同じである。そうなると、この部分だけでもカラーで、と言いたくなるが、これもやっぱり無理なんでしょうね。何せ、「カラー」というだけで制作費が増大する時代だったので、当時のフィルムも白黒しか無いだろうし、部分的に着色するのなら、全て着色するというのは容易になりますからね。(作業量には違いがありますが...)

物語の方は、前回からの続きであるが、白黒になったことで、やはり雰囲気が変わってしまった。これまでは東南アジアという異国情緒が少し色褪せた感じのする原色系の映像の中にあったが、白黒になった途端、それが薄らいでしまった。しかし、白黒という視覚的情報量が制限されたことで、空想世界という異世界のお話という雰囲気は逆に強くなったと感じられた。(劇中に登場する車などから、既に異世界という雰囲気に満ちていますけど...)そして、最近は殆ど聴かない「活劇」という言葉が甦ってきた。(見方を変えれば、大いに楽しむことが出来るというものである。)

今後、特にレヴューを書くと言うことはしないが、'60'sテイストというか、昭和の古きよき時代のテイストというものに満ちていて、これがなかなか面白い。技術に頼りすぎて破綻した物語の連続で、もはや救いようのない駄作に陥っている某現役ヒーロー作品の製作者には、この辺りの作品を見て大いに学んでもらい。テレビ黎明期の熱い精神を持って立て直さない限り、スポンサーの意向に支配されたサラリーマン化したスタッフではどうしようもない...

 

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