帰ってきた時効警察#6 [ドラマ]
今回の物語はというと、前回の予告で期待をさせてくれたが、はっきり言ってそれらを完全に裏切ってくれた凡作になってしまった。温泉ネタという所ではお楽しみ(いわゆるサービス・ショット)が用意されていたものの、サービスの度合いが低かった。(最初から「只野仁」のレベルまでは期待していませんが、もっとサービス・ショットを入れるべきでしょう。一応深夜枠なんだから...)そして肝心の事件の方は、「ドリアン・グレイの肖像」をネタにしているが、はっきり言って中途半端で、練り方が全然なっていない。(はっきり言って今回は「駄作」である。)また、この小説は色々と哲学めいた内容まであって、奥深いものである。(一部の本作の登場キャラは問題ありとして、存在を否定されてしまう者までいます。)1時間枠のドラマの骨組みに使っても、とてもカバーできない奥深い世界である。そのため、消化不良を起こしてしまって、「時効警察」としての魅力までもが消えてしまった。そして致命傷は「ドリアン・グレイの肖像」について劇中で語られた時点で、事件の骨組みと結末がほぼ予想できてしまった。(「ドリアン・グレイの肖像」を知らなければ、それなりに楽しめたでしょうが...)
また、いつもの小ネタ集の方も控えめになっていて、しかも出てきたネタも今回はレベルが低かった。「時効警察」というフォーマットこそ存在しているものの、「時効警察」らしくない物語になってしまって、ガッカリでした。(まあ、時にはこんな作品も生まれてしまうのでしょうが...)
それにしても、この時期(5月中旬)に温泉ネタの放送というのは、これもあまりにも中途半端である。せめてGWの直前、遅くてもGWの最中に放送するべきですね。時効管理課の面々が遊びに行くという一面がより強く感じられ、「お前ら、税金で食ってるんだろう。もっと真面目に働け!」という反感が生まれてしまった。→悪い要素があまりにも集まってしまい、それ相乗効果で、現時点では1st.を含む「時効警察」の中でワーストの物語でした。(ということで、今回は簡単に...)
まず、「温泉」ということで頭に浮かんだのは、嬬恋村のあの温泉事件(「フンドシ湯けむり殺人事件」)である。そして「水道水疑惑」が出た時点で、再度前記事件が、そして「ダイエットクイーン殺人事件」や「ばあちゃんを救え」なども...ただ、これらは全て「疑惑」が真実であって、「水の偽装」がされていたが、本物語は「偽装」ではなく「中傷」であったという違いはありますけど...
今回の真加出。長台詞を口にして、それをテロップで出すなんて、あのシリーズが得意とする表現ではないですか。(謎解きの長台詞をたっぷりと経験している早織ちゃんには、この程度ならお茶の子さいさいでしょう。困らせるなら、それを早口言葉で言わせてあげて下さい。)ということで、こうなると真加出というキャラは、キャスティングを利用した遊びではなく、狙って仕込んでおいたとしか考えられなくなります。しかも「知らないんですか」という(ちょっと小馬鹿にした)台詞まで口にしてくれましたから...
「に~るヤング」って、ネタとしては分かるけど、どれだけの人がNEIL YOUNG(NEIL YOUNG & CRAZY HORSE)のことを知っているのでしょうか?
ところで、今回の物語は旅館を舞台にしたけど、これってやっぱり「どんど晴れ」までをも意識しているのでしょうかねぇ?
- 作者: オダギリジョー, 麻生 久美子, 三木 聡, ケラリーノ・サンドロヴィッチ, 園子 温, 麻生 学, 安見 悟朗, 豊原 功補, 岩松 了
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2007/06/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
↓これは傑作です。
ドリアン・グレイの肖像 - The Picture of Drian Gray
- 作者: オスカー ワイルド
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
↓NEIL YOUNGをいくつか。
↓一応これも...
↓真加出の正体は...
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