ポール・ニューマン、引退表明 [映画(洋画)]
俳優のポール・ニューマンが引退を表明した。「記憶力も自信も想像力も失い始めた」「自分が求めるレベルの演技ができなくなった」というのがその理由と語った。
う~ん、スポーツ選手だと、体力の衰えから、必ず現役を引退する日がやってくるが、俳優を引退というのはちょっと驚いた。(生涯現役として務まるだけに...)しかし、職人肌で苦労人である彼らしい決断である。
特に「自分が求めるレベルの演技ができなくなった」という理由は職人気質を感じさせてくれる。やはり自分はプロの俳優だ、ということを十二分に分かった上での発言である。(最近は、誰とは言わないが、「プロ意識」の欠如した俳優が結構多くいて、つまらない駄作を連発したり、わがままを大手を振って口にしたりと、実に酷いのがいますしね...→だからこそ、本当に「プロ根性」を持った若手は心から応援したくなります。)
ポール・ニューマンと言えば、アカデミー主演男優賞に何度もノミネートされながら、7回目のノミネートとなった「ハスラー2」で念願のオスカーを獲得したという苦労人である。1950年代から銀幕の世界で活躍していて、人気も獲得、演技の方もしっかりしたものを見せていたが、とにかくアカデミー賞に関してだけは、本当に無縁であった。(でも、本物のプロの俳優という意識を持っていたからこそ、何度でもはい上がってきたということも出来る。)
彼の出演作で印象に残るのは、ロバート・レッドフォードとのコンビの「明日に向って撃て!」や「スティング」、スティーブ・マックイーンの存在感に隠れがちになった感のある「タワーリング・インフェルノ」などであるが、オンリー・ワンのトップとしてではなく、他に輝く誰かがいて、その光を受けて輝く「月」のような存在のスターという印象がある。これはオスカーを獲得した「ハスラー2」でもそういう一面があった。(これが出来るのは「プロ意識」があるからでもある。)しかし、それでいて自分の存在感をしっかりと出すのは、やっぱりプロである。
なんか、故人を偲んでいるような感じになってきたが、ポール・ニューマンは亡くなった訳ではない。この時点で引退しなくても、まだまだ十分現役の俳優としても通用すると思うが、余力を残して引退というのはちょっとカッコイイ。「50年を越える俳優生活、本当にお疲れ様でした」と言うだけであるが、彼の持っている「プロ意識」をもっと若手も見習って貰いたい所である。(ということで、近いうちに改めて彼の出演作を見てみようと思います。→故人を偲んで、という雰囲気になっているが、ポール・ニューマンは故人ではなく、引退を表明しただけです。)
↓出演作品をいくつか(数が多いのでほんの一部です。)
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