BEE GEES『ONE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1989年に発表された彼らの26枚目のアルバムである。'60'sの時代からの長いキャリアのある彼らであるが、このアルバムは色々なことがあった'80'sの最後にリリースされたものであり、自分たちのやりたいように楽しんでいるアルバムである。「音楽」とは「音を楽しむ」と記すが、やはり楽しんでいるアルバムは、自然とそれが伝わってくるものである。が、彼らにとってはこのアルバムは楽しんでばかりはいられないものになった。というのは、本アルバムの制作中に、正式メンバーではないものの、アンディ・ギブが亡くなるという不幸に見舞われた。ということもあって、一つの時代に幕を下ろすことになったアルバムでもある。尚、セールス的には成功したとは言い難い所がありますが...
収録曲は以下の全11曲である。『Ordinary Lives』『One』『Bodyguard』『It's My Neighborhood』『Tears』『Tokyo Nights』『Flesh And Blood』『Wish You Were Here』『House Of Shame』『Will You Ever Let Me』『Wing And A Prayer』。
この中からはアルバム・タイトル・ナンバーの『One』がそれなりのヒットを記録しているが、Billboardの年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。尚、『Wish You Were Here』はアンディが亡くなったということで彼を偲んで作られた曲であり、他の曲と意味合いが違った曲になっている。
それにしても、本アルバムのサウンドは、正におもちゃ箱をひっくり返した様に幅が広い。ベスト盤であれば、そういう感じになるものもあるが、通常アルバムということでは少し珍しいということができる。が、だからといって、ベクトルがバラバラになっていない所はやっぱりBEE GEESである。
この中からの筆者のお薦め曲は、『Ordinary Lives』『One』『Bodyguard』『Tears』『Tokyo Nights』『Wish You Were Here』『House Of Shame』。(何か、全部を選んでいそうですが...)それだけ色んな彼らの姿を見ることが出来るということで、たくさんの曲をお薦めしたいところである。(もし、1曲だけと言うのなら『Wish You Were Here』と言うことにしますけど...)
彼らのハーモニーは'60'sの時代から変わっておらず、それみ磨きがかかって円熟の境地に達している。但し、サウンドの方は'60'sのものとは大きく違っている。'70's終盤のディスコ・サウンドで彼らを知ったと言う方には違和感がないでしょう。ということで、'80'sサウンドがお好きな方には特に違和感なく楽しむことが出来るでしょう。じっくりと味わいながら聴き込んでもらいたいアルバムである。
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