快傑ハリマオ(第1部・魔の城) [特撮]
KBS京都が4月から放送を始めた「快傑ハリマオ」の第1部が終了したということで、久しぶりにこれを記すことにする。尚、この作品は1960年の4月から日本テレビ系で最初の放送が行われた作品なので、47年という時間が流れての放送ということになる。尚、この作品は、最初の5話まではカラー作品として制作されているが、日本のテレビヒーロー作品として初のカラー作品という栄誉を得ることになった。(但し、6話以降、最終回の65話までは白黒でした。→日本のテレビヒーロー作品で全話がカラー作品として放送されたのは「マグマ大使」である。(「ウルトラマン」に先行すること13日、1966年のことでした。))
第1部(全13話)の物語は「魔の城」という物語。地元の人々から「魔の城」として恐れられている館に住んでいた陳秀明、犯罪組織のボス・キャプテンK・Kと手を組み、陰謀を企んでいた。一方、正義の人・ハリマオ、日本の少年・太郎、ハリマオの配下のドンゴロスの松、タドン小僧たちがそれに立ち向かう、というのが概略である。展開は、日本の少年・太郎が、父の死で伯父を頼ってやってきたと頃から始まる。で、武器の取引、人民の扇動、陰謀の画策、反対勢力の蜂起、裏切り、人質などの展開があって、一旦は勝利が近いと思われたハリマオ・サイドが一転して窮地に陥り、最終決戦を迎え、勝利する、と言うのが超簡単なストーリーである。(ヒーロー作品としたら当たり前の展開である。が、1960年の作品ということなので、後の多くの作品がこういう展開をなぞっている、と言う言い方の方が正しいのでしょうね...)
時代が時代であり、舞台が舞台であるだけに、使用する武器もごく普通の銃やライフル、ナイフなどである。(第二次大戦終了後、昭和20年代後半から昭和30年代前半の東南アジアが舞台。)また、車も劇中に登場するが、ハリマオたちの主な移動手段は馬である。当然、変身することもなければ、空も飛ばない。が、正義のために悪に立ち向かう熱血漢であり、やっぱりヒーローである。(トレードマークであるサングラスをいつもかけているので、ハリマオの素顔は分からないが、一応、ヒーローらしい神秘的な所も持ち合わせている。)
変身ヒーローを数多くて、それらに見慣れた現在、ハリマオのようなヒーローは、派手さも無く、シンプルな人間ヒーローだと受け取られてしまうが、SF的な要素を持っていないということで、これぞ「活劇」という言葉がピッタリなのがハリマオである。ちょうど「007・JAMES BOND」や「インディ・ジョーンズ」などの生身の等身大の人間ヒーローといったら分かりやすいでしょう。
50年近くも昔の作品ということで、色々と笑ってしまう所、つっこみしたくなる所も多数あるが、OPタイトルに「連続テレビ映画」(「テレビドラマ」ではない)と出るが、この言葉に相応しい手に汗握る冒険活劇は、逆にとても新鮮である。(物語の進行も、ゆっくりと進む時と、急に(一気に)進む時とがあり、現在とは少し違った緩急のリズムの取り方が心地よい。)また、古き良き時代が持っているノスタルジックな所もあって、その不思議なリズムに乗ると、一気に引き込まれることになる。
ただ、ハリマオはいつもサングラスをかけていて目の表情が分からず、クールな感じがするのだが、口元がいつも緩んでいるように見えるので、窮地に追い込まれてピンチの時も、敵を倒して歓喜の時も、また作戦に思い悩んで苦悩している時も、それ以外の時も、とにかくいつでも笑っているようにしか見えないので、シリアスな台詞が出たら、思わず吹き出しそうになってしまう。(が、これがいつも余裕を噛ましているように感じられ、ヒーローらしく感じられると頃でもある。(最近のへんてこりんな連中ばかり登場する某シリーズの登場人物は、単なる変人、小物、雑魚にしか見えない。)
また、番組(OP主題歌)開始前にテロップで「古い作品のため一部にお見苦しい場面がございます。また、現在では使用が不適切とも思われる表現がありますが、時代性等を鑑み極力制作当時のまま放送しています。ご了承ください。」と出るが、これによって異世界(しかも、6話以降は白黒である)に一気にワープすることが出来、すんなりと物語に入っていける。ということで、'60's作品(それも始まったばかりの'60'sです。)が面白い!!尚、来週からは第2部(全13話)に突入です。(KBS京都、毎週木曜日、16:20~ )
↓こういうものがあります。
バミューダの白い嵐―消えた虎(ハリマオ)の財宝(トレジャー)
- 作者: 佐和 祥助
- 出版社/メーカー: MBC21
- 発売日: 2001/02
- メディア: 単行本
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