CHICAGO『CHICAGO』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1970年に発表された彼らの2nd.アルバムである。(原題に「2」が入っていないが、1969年発表の「THE CHICAGO TRANSIT AUTHORITY」が彼らの1st.アルバムである。)2枚組のLPで発売されたが、現在は1枚もののCDとしてリリースされている。(リマスター盤は2曲のボーナス・トラックまで追加されている。)ホーン・サウンドを前面に出した彼らのサウンドはまさに新しい'70'sという時代にマッチして、スターダムにのし上がることになったが、本アルバムは歴史に残る名曲『25 Or 6 To 4』(邦題:長い夜)が収録されている時代に残る名盤である。当然のように大ヒットを記録して、1970年のBillboard年間アルバム・チャートでも3位にランクインしていて、レギュラー・チャートでも最高位4位を記録している。また、イギリスでも最高位6位を記録している。
収録曲はオリジナル盤発表時は全23曲、リマスターされた時にシングル・バージョンの2曲が後ろに追加されて、現在は以下の全25曲が収録されている。『Movin' In』『The Road』『Poem For The People』『I the Country』『Wake Up Shineshine』『Make Me Smile』『So Much To Say, So Much To Give』『Anxiety's Moment』『West Virginia Fantasies』『Colour My World』『To Be Free』『Now More Than Ever』『Fancy Coours』『25 Or 6 To 4』『Prelude』『A.M. Mourning』『P.M. Murning』『Memories Of Love』『1st Movement』『2nd Movement』『3rd Movement』『4th Movement』『Where Do We Go From Here』『Make Me Smile (Single Version)』『25 Or 6 To 4 (Single Version)』。
この中から生まれたシングル・ヒット曲は、『Make Me Smile』が1970年のBillboard年間シングル・チャートで59位、レギュラー・チャートで最高位9位を、そして『25 Or 6 To 4』が同年の年間シングル・チャートで61位、レギュラー・チャートで最高位4位を記録している。特に『25 Or 6 To 4』は初期の彼らを代表する一曲となり、今でも人気の高い一曲となっている。
ホーン・セクションが中心の初期CHICAGOサウンドを代表するアルバムであるだけに、本アルバムには名曲が詰まっている。シングル・ヒットを記録した2曲は言うまでもないが、質の高い曲があり、お薦め曲もたくさんあるが、やはり『25 Or 6 To 4』は別格である。この曲を聴くためだけに本アルバムを入手するだけの価値はある。(ベスト盤ではなく、オリジナル・アルバムである本アルバムを選ぶべきである。)前後の『Fancy Coours』と『Prelude』を含め、アルバム全体でスケールの大きいストレートなロックをたっぷりと聴くことが出来る。また、『1st Movement』『2nd Movement』『3rd Movement』『4th Movement』も全四部構成の組曲であり、これも聴き応えがある曲である。
オリジナル・アルバムは2枚組のLPであったといっても、収録時間は70分に満たない時間である。2曲のボーナス・トラックが加わり70分を越えてはいるが、現在の感覚で言えば、特段の超大作という感じもなくなっている。じっくりと聴き込んで貰いたいアルバムである。
コメント 0