「ZAZIE DANS LE METRO」 [映画(洋画)]
表題の作品は1960年のフランス映画の「地下鉄のザジ」である。「死刑台のエレベータ」で鮮烈デヴューをしたルイ・マル監督の第3作であり、賛否両論が極端にある作品である。が、カルト作品としてだけは誰もが認めているところである。少女ザジの36時間の出来事を描いた作品であるが、それをスラップスティック・コメディとして描いている。(コメディということが、賛否を大きく分けているが、とにかく日本では「コメディ」に対する評価が酷すぎます。)
作品データを記しておくと、92分の作品で、原作はレイモン・クノー、監督はルイ・マル、脚本はルイ・マルとジャン・ポール・ラプノーの2人、撮影はアンリ・レイシ、音楽はフィオレンツォ・カルピである。そして出演はカトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、カルラ・マルリエ、ユベール・デシャン、ヴィットリオ・カプリオーリ、たちである。
物語は、田舎からパリに、母親につれられて、生まれて初めてやって来た10歳の少女・ザジ。その日彼女は芸人の叔父に預けられる。ザジの楽しみは地下鉄に乗る事だったが、地下鉄はストで動いていなかった。で、その日は叔父さんと一緒にパリ見物をする。翌日ザジは一人で街に出掛け、色々な出来事に巻き込まれる...
36時間という時間の都会での体験を綴った本作は、その子供の目を通して描かれたパリの街の姿は、大人の目線ではないということで、ちょっと新鮮さを与えてくれる。が、本作製作から50年近くが経過していると言うことで、やはり'60'sの作品らしいと感じてしまう所も多々ある。パリの街もそれだけ変わってきたということだが、それでも作品コンセプトは時代を超えて色褪せることはない。コメディに対してもう少し理解されれば、賛否両論の「否」の方は減るだろうが、もっとコメディに対する評価を見直して貰いたい、とつくづく感じる作品である。
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