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「PAR DELA LES NUAGES」 [映画(洋画)]

表題の作品は1995年のフランス、イタリア、ドイツの合作映画「愛のめぐりあい」である。この作品も訃報が届いたミケランジェロ・アントニオーニ監督の追悼という意味で取り上げます。

この作品はアントニオーニ監督が自ら書いた4つの短編小説の映画化作品であり、4つの愛の物語とプロローグ、エピローグ、挿話から構成されるオムニバス作品である。また、1982年の「ある女の存在証明」を完成させた後、1985年に脳卒中で倒れ、再起不能と言われたアントニオーニ監督が、ヴィム・ヴェンダース監督を補佐役として(クレジット上は共同監督)13年ぶりの新作となった作品でもある。(この後、2004年の「愛の神、エロス」の中の1本を監督しているので、遺作はそちらということになりました。)

作品データを記しておくと、時間は110分、原作はミケランジェロ・アントニオーニ、監督はミケランジェロ・アントニオーニとヴィム・ヴェンダースの2人、脚本はミケランジェロ・アントニオーニ、ヴィム・ヴェンダース、トニーノ・グエッラの3人、撮影はアルフィオ・コンチーニとロビー・ミューラーの2人、音楽はルチオ・ダルラとローラン・プティガンの2人である。そして出演は、ジョン・マルコヴィッチ、ソフィー・マルソー、ファニー・アルダン、キアラ・カゼッリ、ピーター・ウェラー、ジャン・レノ、イレーヌ・ジャコブ、ヴァンサン・ペレーズ、イネス・サストーレ、キム・ロッシ・スチュアート、マルチェロ・マストロヤンニ、ジャンヌ・モロー、たちである。また、本作はヴェネチア映画祭において国際批評家賞を受賞しており、アントニオーニ監督はアカデミー賞で名誉賞を獲得することにもなった。

4つの物語は、出張でやってきたイタリアの小さな村にやってきた青年と、彼と出会った女教師の物語の「ありえない恋の物語」、イタリアのリゾート地で、自分の父親を12回刺して殺したが裁判で無罪になったという女性と一夜を過ごした男の物語の「女と犯罪」、パリを舞台にした二組の夫婦の恋の行方を描いた物語の「私を探さないで」、フランス・プロヴァンス地方のある村で、ある女性に一目惚れした男と彼女の教会のミサでのちょっとした物語の「死んだ瞬間」、という物語である。いずれもが派手な所はないものの、色んな愛の形を描いている。(ある意味では、これもBS-iの人気ドラマでオムニバス形式の「恋する日曜日」の様な印象も受ける(本作の方が描写もより鋭く深いですが...)のだが、その「恋日」が制作されたのは2003,2005,2007年(1st.,2nd.,3rd.シリーズ)で、本作よりもずっと後の事である。

キャストも、1つ目の物語の「ありえない恋の物語」にはキム・ロッシ・スチュアートとイネス・サストルが、2つ目の物語の「女と犯罪」にはソフィー・マルソーが、3つ目の物語の「私を探さないで」にはジャン・レノが、4つ目の物語の「死んだ瞬間」にはイレーヌ・ジャコブヴァンサン・ペレーズが出演しているというように、注目のキャストが出演している。(その中でも筆者はソフィー派ですけど...)

いずれの物語も、しみじみとした感動を与えてくれる。時間的にもとても見やすいものであり、この感動はシリアス路線の「恋日」の物語を見ている様な感じもあります。(「恋日」の中にはコミカルな作品もあるが、それは除きます。)是非とも見ておきたい愛の物語である。

 

愛のめぐりあい

愛のめぐりあい

  • 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
  • 発売日: 2006/02/10
  • メディア: DVD
「愛のめぐりあい」撮影日誌―アントニオーニとの時間

「愛のめぐりあい」撮影日誌―アントニオーニとの時間

  • 作者: ヴィム ヴェンダース
  • 出版社/メーカー: キネマ旬報社
  • 発売日: 1996/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

愛のめぐりあい

愛のめぐりあい

  • 作者: ミケランジェロ・アントニオーニ, 岡本 太郎
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 単行本


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