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「宮本武蔵」(その1) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーロー・シリーズの第7弾として、今回からは「ま」行の作品の「宮本武蔵」をピックアップする。「宮本武蔵」と言えば、吉川英治の原作小説があり、これの映画化というのは戦前から行われてきた。(片岡千恵蔵主演)戦後になると、'50年代の東宝の三部作、'60年代の東映の五部作という映画が有名であり、その後も映画化されている。また、テレビの世界でも何度もドラマ化されている。今回取り上げるのは、戦前の片岡千恵蔵が武蔵に扮した作品はソフトが揃っていないということで断念し、東宝の三部作(三船敏郎主演)と東映の五部作(中村錦之助主演)の2つのシリーズである。今回はその1回目ということで、年代順に先になる東宝の三部作から述べていく。

東宝の三部作は1954年から1年に1本のペースで、1956年まで3作が制作された。カラー作品であるが、それが「イーストマンカラー」というのが売りになったというのも時代を感じさせてくれる所である。(1952年にイーストマン・コダック社が発表した映画用のカラーフィルム方式であり、テクニカラーよりもより簡単に仕組みで、安価である。現在もこの方式は使われている。)国際スター・三船敏郎が武蔵を演じていて、貫禄のある所を見せている。

今回はその第一作である1954年の「宮本武蔵」である。

作品データを記しておくと、1954年の東宝作品で、時間は94分である。原作は吉川英治、監督は稲垣浩、北条秀司が劇化して、稲垣浩、若尾徳平の2人が脚本を記した。撮影は安本淳、美術は園眞、音楽は團伊玖磨である。そして出演: 三船敏郎、尾上九朗右衛門、三国連太郎、八千草薫、水戸光子、岡田茉莉子、三好栄子、平田昭彦、阿部九州男、小杉義男、加東大介、小沢栄、上山草人、谷晃、恩田清二郎、如月寛多、松尾文人、大久保正信、増田正雄、桜井美智夫、山階信弘、たちである。また、本作はアメリカ・アカデミー賞で、外国語映画賞を受賞するというように、海外で高い評価を得た作品である。

物語は、関ヶ原の戦いに参加したものの、敗れた武蔵が伊吹山中をさまよい歩く中、お甲と朱実に救われる所から始まる。そして沢庵和尚との出会い、そして修行の旅に出るまでが描かれている。(三部作ということなので、じっくりと描いている。よって、本作には佐々木小次郎は登場しない。小次郎の登場は次の第2作の「続・宮本武蔵 一乗寺の決闘」からとなる。)

本作はやっぱり国際スター・三船敏郎の力だということを大きく感じる作品である。有名な黒澤作品での姿と被ってしまう所が多少あるのだが、やっぱり武蔵は武蔵である。本作ではまだ未熟な所のある武蔵であるが、存在感たっぷりである。本作を見終わったら、直ぐに第2作を見たくなるのも、やっぱり「世界の三船」である。3部作の全てを見ようとすると、5時間ちょっとという時間が必要であるが、「宮本武蔵」を見るのであれば、このシリーズは外せない所である。

次回は、本作の続きとなる第2作の「続・宮本武蔵 一乗寺の決闘」からです。

 

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