「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点（その16）

ゲストキャラにおける類似点の3回目は「○○の権威というキャラクター」についてです。「権威」とは、その道で第一人者と認められている人、という意味である。つまり、その道にかんすることであれば、例えそれが白であってもその人が「黒」と言えばそれは黒になってしまうというような人である。但し、学術的に本当に優れた人という以外に、大富豪であって金の力でそうさせてしまう、という場合もありますが...（まあ、「権威」というのは学者の世界が一般的である。）

「ケータイ刑事」においては、色んな学者が登場していて、しかも、犯人の場合と被害者の場合の両方ともある。また、「007」でも学者は登場しているが、どちらかというと巻き込まれ型の被害者というのが多いが、悪側の場合もあって、やはりバラエティに富んでいる。そんな中から、両作における「○○の権威」をピックアップする。尚、「○○の天才」というキャラも登場しているが、「天才」とは生まれつき備わった優れた才能を持っている人のことなので、「権威」とは別である。（よって、ここでは扱わない。→別途、「天才」で記す予定です。）

「007」：最初の作品である「ドクター・ノオ」に登場したドクター・ノオが「原子力の権威」という設定である。また、同じ「原子力の権威」ということでは、クリスマス・ジョーンズ博士がいる。（「ワールド・イズ・ノット・イナフ」、ボンド・ガールである。）また、分野が異なり、「ロケット工学の権威」ということでホリー・グッドヘッド博士がいる。（「ムーレイカー」、ボンド・ガールである。）ドクター・ノオはボンドによって倒されたが、2人のボンド・ガールは死なずにボンドと関係を持ちました。（→悪:1、善:2／死亡:1、生存:2）

「ケータイ刑事」：「考古学の権威」で、全日本国際ミイラセンターの平田教授（「泪・1st.8話」）、赤坂歴史民族美術館館長の貝塚教授（「雷・1st.3話」）がいるのと、「気象学の権威」で尾恵巣合大学の風見教授（「雷・1st.5話」）が登場している。それ以外では「第一人者」とか「カリスマ」と言われるキャラがいるが、それらの呼称と「権威」とは同一とは言うことが出来ないので、それらのキャラは一応除外する。また、「名誉教授」もいるが、これは顕著な功績があって定年大食した教授に対して、退職後に大学側が贈る称号なので、「権威」とはまた別の物である。（A大学名誉教授といえば、長年A大学に勤務し、現在は定年退職していることになる。よって、何処かの大学にいるとしても、A大学にはいないことになる。）尚、平田教授と風見教授は殺人の被害者で、貝塚教授は真犯人でした。（→悪:1、善（被害者）:2／死亡:2、生存:1）

奇しくも、それぞれの作品に3人ずつの「権威」がいて、2人は同じ分野、もう1人は別の分野という所まで共通しているのは、偶然と呼ぶにしては出来すぎている。（設定上のことだから、狙って仕組めば出来ることでもある。しかし、登場キャラクタには名前までの細かい部分ので拘る「ケータイ刑事」であっても、この一致はあまりにも細かい所であるので、狙って設定しているとは思えない。→こういう所が一致するのは、「007」と「ケータイ刑事」は共に人類が生み出した偉大な文化遺産レベルに達しているからであって、神の領域のなせる恐るべき一致点ということになる。）

それぞれの3人のキャラは、（これも偶然の一致なのか？）「悪側(犯人)が1人、善側が2人」となっている。しかし、「ケータイ刑事」の善側とした2人は、犯人に殺害されるような大きな恨みを買っていたので、「善人」というのは問題がある。（と言っていいでしょう。→結局、殺害されたらどんな人でも「被害者」というように警察は扱うことになる。）

物語においては、それぞれのキャラクターの位置づけは全く異なっていて、「007」と「ケータイ刑事」の共通する所は無い。（登場する物語の中ではそれなりの重要な位置にくるキャラクターであるのですが...）

「○○の権威」と言えば、その単語だけで凄い能力を持っている人物だと思うということで、余計な説明をすることなく物語を進めていくことが出来るというメリットがある。しかし、分野が違っていても、色んな分野の権威という人物を次々と作品に登場させると、世界アカデミーという学術世界にいるような感覚になってしまうだけに、逆に作品世界に不自然さを与えてしまうことにもなりかねない。ということで、両作ともその弊害が分かっていて、次々と「権威」を登場させていないところは流石である。

次回は、「ゲストキャラにおける類似点」の4回目ですが、色々とあるので何についてかはお楽しみに...（暫くこのテーマで続けていきます。）

 

それぞれのキャラの登場作品をピックアップしておきます。

ドクター・ノオ (デジタルリマスター・バージョン)

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• 発売日: 2007/08/25
• メディア: DVD

ムーンレイカー (デジタルリマスター・バージョン)

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• 発売日: 2007/08/25
• メディア: DVD

007 ワールド・イズ・ノット・イナフ アルティメット・エディション

• 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
• 発売日: 2006/11/22
• メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

• 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
• 発売日: 2004/10/22
• メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 1

• 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
• 発売日: 2006/12/22
• メディア: DVD