JACKSON BROWNE『HOLD OUT』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1980年に発表された彼の6枚目のアルバムであり、彼のアルバムの中で唯一全米No.1の座を獲得したアルバムである。(1週間のみBillboardのアルバム・チャートで1位を獲得している。)本アルバムを発表した当時は、前年のスリーマイル島原発事故に抗議するコンサートを企画して社会問題に対してメッセージを発信するようになっていて、次のアルバム(「LAWYERS IN LOVE」、1983年)に向けて社会に対して色んな行動を起こすようになっていく時期であり、同時に作品の内容の方が...という時期に差し掛かる。1976年の名盤「THE PRETENDER」のような所が亡くなっているが、彼らしいセンスは聞かせてくれている。尚、本アルバムは全米No.1の座を獲得したものの、発売時期、No.1獲得の時期の関係もあって、1980年も1981年も、Billboardの年間アルバム・チャートのTOP 100にはランクインしていない。(だからといって、本アルバムの評価が下がるものではない。年間チャートでは何処かで区切らざるを得ないが、その区切りのため、チャート成績がほぼ二分されることになったために起こる悲劇である。→彼には何故か「悲劇」という言葉が似合ってしまう...)
収録曲は以下の全7曲である。『Disco Apocalypse』『Hold Out』『That Girl Could Sing』『Boulevard』『Of Missing Persons』『Call It A Loan』『Hold On Hold Out』。
この中からは、2曲のシングル・ヒットが生まれているが、いずれもBillboardの年間シングル・チャートのTOP 100にはランクインしていない。『Boulevard』が最高位19位、『That Girl Could Sing』が最高位22位を記録している。(年間チャートにランクインしていないからといって、評価が下がるものでもないのは言うまでもない。)
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、8分を越える超大作である『Hold On Hold Out』、6分を越える大作である『Of Missing Persons』、5分半超のアルバム・タイトル・ナンバーである『Hold Out』、そしてシングル・ヒットした『Boulevard』(この曲が本アルバムの収録曲の中では最も時間が短い曲である。と言っても3分は越えていますけど...)をピックアップしておく。
流石に「THE PRETENDER」と比べると差があるものの、「アメリカの良心」と言われることもある彼らしいサウンドを聴かせてくれていて、'80'sという新しい時代でも存在感をアピールすることになった佳作である。また、彼のキャリアの中でも唯一の全米No.1となったアルバムでもあり、外さずにじっくりと聴いてもらいたいところである。
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