MANHATTAN TRANSFER『VOCALESE』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らの10枚目のアルバムである。(ライブ盤とベスト盤を含む)'80's前半は、ちょっとポップな方向になっていた彼らであるが、ジャズ(モダンジャズ)を中心にした曲で構成されていて、彼らの最高傑作とも言われるアルバムである。が、チャートの方ではBillboardで最高位74位ということで、ポップな方向のアルバムを越えることは出来なかった。(が、これは当然である。ジャズ系のアルバムがロック/ポップス系のアルバムと同じ順位を記録したら、とんでもないウルトラ・ヒットになります。それに、チャートの記録とアルバムの内容とは一致するものではないですから...)
収録曲は以下の全11曲である。『That's Killer Joe』『Rambo』『Airegin』『To You』『Meet Benny Bailey』『Another Night in Tunisia』『Ray's Rockhouse』『Blee Blop Blues』『I Remember Clifford』『Sing Joy Spring』『Move』。
本アルバムからは、シングル・カットされてヒットを記録した曲はないが、ポップ路線のアルバムではなく、ジャズ・アルバムとしたら、これが正当な姿である。アルバムを1つの作品として捉え、彼らの醸し出す美しいコーラス・ワークに酔いしれるにはシングル曲の1曲だけではあまりにも味気ないですからね。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、冒頭からの『That's Killer Joe』『Rambo』『Airegin』『To You』と『Blee Blop Blues』『Sing Joy Spring』をピックアップしておくが、最初の『That's Killer Joe』から彼らの味わいのある世界にトリップさせてくれて、どの曲も甲乙付けがたいほどの素晴らしい彼らの世界に連れて行ってくれる。
彼らのハーモニーは、声自体が楽器のようであり、そこから生まれる見事なサウンドは他にはない素晴らしいものである。しかも、本アルバムで聴くことが部着るのはモダン・ジャズであり、バックに参加しているアーティストたちもまたジャズ界の大物と言うことで、これを聴かないで何を聴くのか、と問いたくなるほど充実した内容である。じっくりと堪能しましょう!
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