快傑ハリマオ(第2部・ソロ河の逆襲) [特撮]
時々お休みが入るが、第2部全13話も16週間かけて、ようやく放送が終わったKBS京都での放送。第2部が終了したということで、それについて記しておく。
第2部の物語は、第1部と比べると展開が早く、大きく物語が動いたものであった。東南アジアの覇権を得ようと企むサーキットは、ソロ河の上流にある秘密工場を作り、原住民たちを奴隷として集めて働かせていた。その動きを知ったハリマオは仲間たちとともに立ち上がり、サーキットの企みを知り、工場を破壊する。武器を密造することに失敗したサーキットは、逃亡する際に現地を統治する長官を殺し、その罪をハリマオに着せて、現地部族同士を対立させて、ファイヤ族の火の水(=石油)を狙う。また、長官の娘は父の仇としてハリマオに近づいてくる。また、第1部にも登場した密輸商・陳秀明も荒稼ぎをしようとして、ことあるごとに色々と絡んでくる。というように、色々とあった物語でした。(サーキットとの間では、完全決着がついたが、陳秀明は第3部にも登場します。)
第2部も1960年の製作であるので、半世紀近く前ということで、社会的インフラが現在と全く違うのは当然であるが、それが不思議と物語の雰囲気にはぴったり合っている。ハリマオは馬を使い、劇中に登場して列車もSL(どう見ても、日本を走っているSLだったんですけど...)だし、車(トラックも含む)のデザインも懐かしさを感じる曲面デザインの物であるし、黒電話、扇風機なども'50'sというデザインのもので、これらが独特の雰囲気を出すことに成功している。(現在だったら、現代調にアレンジするでしょうから、のんびりした雰囲気も無くなってしまうでしょうね...)
結果的には、現地の人々のために悪と戦うハリマオが正義を守り通した、というヒーロー作品の王道を行く物語であるが、第2部は「連続活劇」という雰囲気がよく出ていて、楽しいものであった。
尚、ミニチュアを使った特撮は、現代のCGにはない手作りの暖かさがあって、前後のカットとの不整合な所がおもむろに分かってしまうが、そういうことを気にさせない温もりがあって、微笑ましくなる所である。
作品が半世紀近くも昔のものであるだけに、色々とツッコミ所は満載であるので、ツッコみながら見るというのも楽しい所であるが、ストーリーの方はテンポも良く、「連続活劇」ということに相応しいものであって、大いに楽しむことが出来るものである。
ただ、残念だったのは、主要キャストの一人である「太郎」を演じたのが、第1部の町田泉から内藤雅之に変わったことですね。他の同一キャラは同じ人が演じただけに、ちょっと残念な所でした。また、欲を言えば、最新の技術を使って着色を行ってのカラー作品として生まれ変わったものを放送して貰いたかったのだが、そういうことは行われず、制作当時の白黒での放送だったのは仕方のない所なんでしょうね。(アメリカの白黒作品では、着色されたものが結構あるんですけど...)
で、次週からは「第3部・アラフラの真珠」に突入と思っていたら、「11/22からのこの時間は「隠密剣士 第3部」をお送りします」ということで、「ハリマオ」の第3部の放送は無い...
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