「ROPE」 [映画(洋画)]
表題の作品は1948年の映画「ロープ」である。この作品は、ヒッチコック監督の最初のカラー・サスペンス作品である。また、物語は1924年にシカゴで実際に起きたロープ&レオポルト事件を題材にした作品であり、映画内の時間進行と現実の時間進行を同じにすると言うヒッチコック監督の実験が行われた作品でもある。
作品データを記しておくと、時間は80分、原作はパトリック・ハミルトン、製作はシドニー・バーンスタインとアルフレッド・ヒッチコック、監督はアルフレッド・ヒッチコック、脚本はアーサー・ローレンツ、脚色はヒューム・クローニン、撮影はジョセフ・ヴァレンタインとウィリアム・V・スコールの2人、音楽はレオ・F・フォーブステインである。そして出演は、ジェームズ・スチュワート、 ファーリー・グレンジャー、ジョン・ドール、セドリック・ハードウィック、コンスタンス・コリアー、ダグラス・ディック、エディス・エヴァンソン、ディック・ホーガン、ジョアン・チャンドラー、たちである。
舞台はニューヨーク。大きな窓からマンハッタンの摩天楼が一目で見渡すことの出来るアパートの一室。ある日の夕方、この部屋で、フィリップとブラントンという大学を出たばかりの2人の青年が同級生だったデイヴィッドを絞め殺し、死体を衣装箱に入れるという殺人事件が発生する。二人は自分たちが人よりもスパ抜けて秀れていることを試したかったために殺人を犯したのだった。そんな2人は更なるスリルを味わうために、被害者デイヴィッドの父、恋人、恋仇だったケネス、伯母、先生だった大学教授をアパートに招いて晩餐会を催した。そして、死体の入った衣装箱の上にご馳走を並べてみんなに食べさせたり、殺人に使ったロープで幾冊かの本を縛って父親に贈ったりして、腹の中で優越感を味わっていた。が、時間が経つにつれてフィリップは犯した罪の恐ろしさに次第に冷静さを失っていく。一方、ブランドンは鋼鉄のような揺るがない神経の持ち主で、死体を教授に見せてやりたいというヒロイックな衝動に駆られる。そんな中、教授は2人の異常さに感づき、被害者の帽子を発見して殺人発覚の糸口を掴んだ...
物語の舞台はアパートの一室で、限られた場所だけであるが、殺人を犯した2人の様子が変わっていく様がリアルに描かれていて、緊張感に満ちている。スリルとサスペンスに満ちた作品である。
尚、ロープ&レオポルト事件を題材にした作品としては、1959年の「強迫/ロープ殺人事件」(リチャード・フライシャー監督、オーソン・ウェルズ主演)や1992年の「恍惚」(トム・カリン監督、クレイグ・チェスター主演)、2002年の「完全犯罪クラブ」(バーベット・シュローダー監督、サンドラ・ブロック主演)等があるので、見比べてみるのもまた面白い所である。
↓廉価版
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