STEVIE NICKS『THE OTHER SIDE OF THE MIRROR』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1989年に発表された彼女の3年半ぶりとなる4枚目のソロ・アルバムである。FLEETWOOD MaCのメンバーとしても、ソロとしても、'80'sは大活躍だった彼女であるが、その'80'sも幕が下りようという時期に、しっかりとしたアルバムを発表してくれたのは嬉しい所であった。内容としても、色々とあった彼女の'80'sの有終の美を飾るという素晴らしいものとなった。英米でもヒットを記録して、イギリスでは最高位3位を獲得し、アメリカではBillboardで最高位10位、1989年の年間アルバム・チャートでは85位にランクインしている。
収録曲は以下の全12曲である。『Rooms On Fire』『Long Way To Go』『Two Kinds Of Love』『Ooh My Love』『Ghosts』『Whole Lotta Trouble』『Fire Burning』『Cry Wolf』『Alice』『Juliet』『Doing The Best I Can (Escape From Berlin)』『I Still Miss Someone (Blue Eyes)』。
この中からシングル・カットされてヒットを記録したのは『Rooms On Fire』である。英米ともにシングル・チャートで最高位16位を記録している。(Billboardの年間シングル・チャートTOP 100にはランクインしていない。)また、イギリスだけでシングル・カットされた『Long Way To Go』は最高位60位を、『Whole Lotta Trouble』は最高位62位を記録している。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、シングル・ヒットを記録した『Rooms On Fire』と『Two Kinds Of Love』『Ooh My Love』『Whole Lotta Trouble』『Cry Wolf』『I Still Miss Someone (Blue Eyes)』という所をピックアップしておく。
ソロとしては、MACとは違う一面を見せている彼女であるが、本アルバムもやはりそういう路線である。力強くてパワフルな所は変わっておらず、健在ぶりを示しているのだが、大ヒットを記録したアルバム「BELLA DONNA」や「THE WILD HEART」と比べると、随分と丸くなって、円熟した大人の魅力を出している。前作からの3年半の間には色々なことがあった彼女であるが、「妖精」とも「小悪魔」とも言われる彼女の歌声もやっぱり少しは変わっていくものです。ロック・ファンだけでなく、ボーカルがお好きな方にも聴いてもらいたいアルバムである。
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