「横溝正史シリーズ ~不死蝶(全3話)」 [ドラマ]
WOWOWが放送している名作ドラマ「テレビ黄金時代」の「橫溝正史シリーズ」。6つ目のエピソードとなる「不死蝶」の放送がデジタル192chの方で終了したので、それについて記します。
が、放送の方は年末年始の祝日が絡んだこともあって、全3話を放送するのに6週間もかかるというとんでもないことになりました。(初回が12/17に放送された後、2週間間が開き、第2話を放送したらまた1週お休みでした。)もう少し考えて貰いたいところです。
全3話ということで、時間の方は全部で140分ぐらいになる。が、キャスト&スタッフの出る主題歌の部分と、第1話以外は前回までのあらすじが入るので、物語の部分は130分ぐらいとなる。が、これぐらいの時間だと、やや長い映画1本分ということで、とても見やすい。更に、「起承転結」の方も全3話にうまく振り分けることも出来ていて、上手く纏まっている。
物語は、金田一耕助の元に、射水に住む矢部杢衛からある事件の調査を依頼が入り、現地に行く金田一。それは23年前に次男・英二を殺した真犯人を捜すことであった。また、町にはブラジルのコーヒー王の養女・鮎川マリが母・君江と共にやってきていた。矢部杢衛は君江が23年前に英二を殺して逃亡した朋子だと主張する。そんな中、23年前の事件と同じ手口で杢衛が殺され、君江の姿は洞窟の中に消えた。君江と朋子は同一人物だという噂が広がる中、また新たな殺人が起こる...
本作の特長は、最後の第3話の解決編の展開にある。23年前の事件と現在の事件の関係者がみんな死んでしまったということで、あくまでも金田一耕助の推測として語られる、というところである。(要するに、真犯人が罪を認めるということが出来ないということです。)また、マリの仕掛けたトリック金田一が解いた後、この二人が協力すると言う所も面白い。
この作品では、マリと朋子は一人二役という所もポイントであって、本作では竹下景子さんが演じている。当時の彼女は「花嫁にしたい女優No.1」として日の出の勢いがあった時期でもある。コーヒー王の養女・マリというお嬢様を気品があり、知的な雰囲気を出して、貫禄たっぷりに演じている。
また、本作は映画化こそされていないが、2時間ドラマとして制作されたこともある。見比べてみたいと思っていたら、MBSが1/28の深夜に、1988年に制作されたものを放送してくれる。(金田一耕助は本作と同じ古谷一行、マリと朋子の二役を演じるのは有森也実さん)時間的には90分ちょっとであるため、どういう風にまとめられているのか、どういう独自色があるのか、ちょっと楽しみである。
次の放送作品は、7つ目の「黒猫亭事件」であるが、これは全2話である。来週と再来週に放送されて、「横溝正史シリーズ」の放送は終了となります。
※「不死蝶」のリピート放送&アナログWOWOWでの放送は、2/1から3週間にわたって行われます。
↓原作はこちら
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