「日本一の男」(その1) [映画(邦画)]
懐かしの邦画ヒーローシリーズの第18弾は、前回と同様にコメディ作品を取り上げる。で、昭和30年代に大人気を誇ったクレイジー・キャッツの主演作品の中から、植木等を主役にした「日本一の男」シリーズです。
このシリーズは、1963年の「日本一の色男」から始まって、1年に1本のペース(1970年は2本制作された。)で1971年の「日本一のショック男」まで、全10作が製作された。クレイジー・キャッツのメンバーも出演しているが、植木等があくまでも主役であって、顔見せ程度の出演の範疇である。
植木等のハチャメチャなキャラクターが時代にもピッタリと合って、大人気を獲得し、「無責任」シリーズと共に彼の代表的なシリーズとなった。兎に角、調子よく、何だかんだで成功してしまう主人公というのは、当時の社会を考えると、誰にでも夢を与えてくれることになった。それだけに、製作から40年前後が経過した現在であれば、ツッコミ所満載である。しかし、植木等のパワーに圧倒されてしまって、ツッコミ所に突っ込もうとしても、なかなかそうはさせてくれないだけのパワーがある。
本シリーズは、感動を与えてくれるとか、メッセージがあるというものではないが、笑いによって夢を与えてくれる作品群である。色々なことを考えながら作品を鑑賞するというのも一つの形であるが、何も考えずに笑って楽しめるコメディ作品というのも、時には良いものである。(コメディ作品に対する評価が低いのが実情であるが、これは娯楽作品に対する認識が低いだけなのである。)大いに笑って、楽しい時間を過ごすにはぴったりというシリーズである。
初回の今回は、シリーズの簡単なおさらいである。シリーズ全10作のタイトルを記すと、以下の通りである。
シリーズ第1作「日本一の色男」(1963年)、シリーズ第2作「日本一のホラ吹き男」(1964年)、シリーズ第3作「日本一のゴマすり男」(1965年)、シリーズ第4作「日本一のゴリガン男」(1966年)、シリーズ第5作「日本一の男の中の男」(1967年)、シリーズ第6作「日本一の裏切り男」(1968年)、シリーズ第7作「日本一の断絶男」(1969年)、シリーズ第8作「日本一のヤクザ男」(1970年)、シリーズ第9作「日本一のワルノリ男」(1970年)、シリーズ第10作「日本一のショック男」(1971年)。
次回からは、製作順にそれぞれの作品について述べていきます。
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