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ロス:タイム:ライフ#1 [ドラマ]

第1話ということで、一応見ることにしました。(が、裏番組の関係で、月曜の夜になってようやく見た。)というのは、先日、BS-iが「侍ショートフィルム」と題して、「68FILMS」の「ロスタイムライフ」を放送したためでもある。ちなみに、その「68FILMS」の「ロスタイムライフ」は2003年のゆうばりファンタスティック映画祭で、短編部門でグランプリを受賞している。また、時間は約9分半という短い作品である。(ここをクリックすると、「侍ショートフィルム版」を見て記した記事をご覧頂けます。)

今回のドラマは、その「68FILMS版」がベースにあるのは言うまでもない。当然、新機軸が入っているとか、より磨き上げられた内容になっていることを期待したが、そういう新しい所が全く無かったということで、期待外れであった。(予備知識がなかったら、もう少し高く評価できたのも間違いない。元になる作品が面白かっただけに...)時間が本編36分と長くなったことで、随分と間延びしてしまい、更には無駄な描写が多く入っているというように、冗長度の高い平凡な作品に終わってしまった。時間はせいぜい25分までにして、内容をもう少し整理して、大事な所をよりクローズアップするようにした方が、より内容の濃いものになったのは確実である。一応、主人公の人物描写が増えたことで物語の奥行きは50%UPしているが、無駄な所、遊び心の喪失などによって物語の幅が半減してしまい、トータルでは「68FILMS版」の7割の出来といったところでしたね。(こうして見ると、「68FILMS」はそれ以外にも凄い作品、面白い作品が多数あったので、本当に凄い作品のオンパレードだったということにもなる。)

また、放送時間を「ケータイ刑事」の裏に持ってきたのは、丹羽P作品(「68FILMS版」)より質が落ちていることを隠すために、丹羽Pの看板番組の裏に持ってくることで、筆者のような意見を減らそうという策略が頭にあったというように感じてしまった。

冒頭、「人生はサッカーであり、サッカーこそ、人生 元アルゼンチン代表 D.マラディーノ」と出たが、「68FILMS版」では「人生はサッカーであり、サッカーこそ人生 ~Diego Maladona~」と出ている。読点の追加、そして補足説明とカタカナ化が行われているが、やっぱり地上波向けに修正したという所であろう。が、こういう部分こそ「68FILMS版」と同じにするべきである。

まずは、導入部であるが、人物描写をしっかりとするために撃たれる所にくるまでが長すぎる。ある程度の人物描写は必要であるが、ここは描き方を工夫することで対応し、もっと早く審判団を登場させて本題に入るべきでした。そのため、テンポの悪さを感じてしまった。

で、中山のロスタイムが「4時間17分」。これって、ちょっと長すぎる。ドラマの時間が長くなったとは言っても、せいぜい1時間ぐらいにするべきでしょう。よって、途中でだれてしまう所が出て、それと同時に、残り時間が少ないということからくる緊迫感が全く無くなっている。ここは本作のポイントでもあるために、この欠陥は痛すぎる。(ちなみに、「68FILMS版」のロスタイムは40分でした。)

審判が出てきてからはお馴染みのパターンで物語が進んで行く。実況と解説が入り、途中でイエローカードが1枚出される、妊婦の登場、タクシーで病院へというのは「68FILMS版」と同じ展開である。→お約束というになるのでしょう。但し、イエローカードの出す理由は色々とあるのでバリュエーションの変化に期待する。妊婦というのは、一応、新しい命がまもなく生まれること、主人公はまもなく人生を終えること、そして「生まれ変わる」というキーワードを考えたら、納得できる所であるが、毎回となると、辛いかも...

「68FILMS版」と大きく違うのは、審判とタクシー運転手の物語におけるポジションが変わっている所である。「68FILMS版」では主審の北沢さん(岡野信一郎が演じていた。)がそれなりの貫禄を持っていて、主人公・三浦を引っ張っていたが、本作では審判団は存在感が薄かった。逆に、タクシー運転手(溝上のりへいが演じた)は存在感が薄かったのだが、本作では少しは存在感を出ていた。

そして、最もつまらなくなったのがラストのスタッフのテロップの所である。遊びが完全に無くなり、ただ順番にスタッフの名前が流れていくだけのものになっていた。「68FILMS版」では、スタッフの所に「トップ下」「左サイド」「右サイド」…というように、サッカーのポジションも一緒に出していて、スタッフも楽しんでいるということが伝わってきたが、こういう遊び心が無くなってしまった本作では、楽しんで作っているという姿が全く伝わってこない。兎に角残念である。

内容的には、ちょっとウルルと来るようなものであり、悪くはないのだが、「+α」という遊びの部分が無いこと(一応、各物語の主人公の名前(苗字)は、Jリーグの有名サッカー選手の名前を使っていますけど...ちなみに「68FILMS版」では三浦でした。)、そして全体的に間延びしていて緊張感がないことが大きく、平凡な作品となってしまった。ただ、これが良くも悪くも地上波ドラマの限界という所なんでしょうね。期待が大きかっただけに、せいぜい70点であり、これでは期待はずれとしか言いようがなかった。(次回からは見ないかも...)→筧監督はこれらの問題点についてはよく分かっていることでしょう。やはり、「68FILMS」の時のように、丹羽Pと組んで製作した方が、はるかに内容のあるより面白い作品になったでしょう。残念でした。

 

ロス:タイム:ライフ

ロス:タイム:ライフ

  • 作者: 筧 昌也 原案, 小林 雄次
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2008/02/20
  • メディア: 単行本

↓リリースされる予定となっているが、是非とも「68FILMS」版も収録して貰いたいところである。

ロス:タイム:ライフ

  • 出版社/メーカー:
  • メディア: DVD


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