「横溝正史シリーズ ~黒猫亭事件(全2話)」 [ドラマ]
WOWOWがデジタル先行で放送している名作ドラマ「テレビ黄金時代」の「橫溝正史シリーズ」。最後となる7つ目のエピソード「黒猫亭事件」が終了したので、それについて記します。(同時に、今回が「横溝正史シリーズ」の最終回となりました。)
この物語は、全2話ということなので、時間的には約90分である。そのため、前半であり、事件の発端となる第1話と、解決編であり後半の第2話というのも、今までの作品と比べても、少し違う所があった。今までは「起承転結」が一つずつ、じっくりと描かれていたが、「黒猫亭事件」は前半で「転」まで描かれていて、後半は再び「転」があり、そして「結」ということになっていた。展開としたら2時間ドラマという感じがしました。分けて見るよりも、一度に続けて見てしまう方が良さそうです。
また、この物語は、殺された被害者の顔がない、ということで、金田一耕助がカメラ目線でボヤキ調に語る、というように、演出の点でも他の作品にはないものがあって、それが違った雰囲気を出していて、面白い所でした。
物語は、バー・黒猫亭の庭先から顔の無い女性の死体が発見された。それからもなく、その店は売りに出された。また、黒猫亭のマダムの姿が消えた。殺された女は何者なのか?バーのマダムなのか?殺人者は誰なのか?更に、女の血に混じって、黒猫の血も検出された。が、黒猫はもう一匹いた。先輩から依頼を受けた金田一耕助が事件の謎に挑む...
殺された女が誰なのか、いう謎を解き明かしていきながら、事件は意外な方向に進んでいき、あるダンサーとバーのマダムが同一人物ではないか、という疑惑が浮上し、金田一耕助が謎を解いていく。警察はまんまと犯人の仕掛けた罠にはまり、金田一がいなければ間違いなく迷宮入りになったのは間違いない事件でした。
ただ、終盤で真犯人が隠れている所を発見する所は、ちょっと都合が良いような気もする。が、本作ではそれが防空壕であるのだが、やはり金田一耕助が活躍する事件では、「洞窟」というような「トンネル」というものが事件には不可欠だということを感じさせてくれました。
尚、アナログWOWOWでは2/22と2/29に放送されます。
↓原作はここにあります。
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