ASIA『ASTRA』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1985年に発表された彼らの3rd.アルバムである。前作「ALPHA」の後、S.ハウが脱退して、新しいギタリストを迎えてのアルバムと言うことになった。が、このメンバー・チェンジは、プログレ的なアプローチをしていたサウンドが大きく変わり、ストレートなロックというものに変わった。EL & PやYESを指示するファンにとってはちょっと寂しい物になったが、'80'sという時代にマッチしたロック・アルバムということでは、スケールの大きな所を聴かせてくれのは流石である。尚、前2枚のアルバムと比べると、セールスの方は芳しくなかったが、Billboardのアルバム・チャートでは、それでも最高位67位を記録している。
収録曲は以下の全10曲である。『Go』『Voice Of America』『Hard On Me』『Wishing』『Rock And Roll Dream』『Countdown To Zero』『Love Now Till Eternity』『Too Late』『Suspicion』『After the War』。
この中からシングル・カットされたのは『Go』『Too Late』『Wishing』の3曲であるが、これまでのシングル曲と比べると、いずれもがヒットの規模は小さいものだった。
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、『Voice Of America』『Rock And Roll Dream』『Too Late』という所と、シングル・カットされた曲からは『Wishing』をピックアップしておく。特に『Voice Of America』はライヴでもお馴染みの曲であり、シングル・カットされていなかったのが不思議に思う所である。
本アルバムのサウンドは過去2枚のアルバムのサウンドと変わり、'80'sロックの王道を行くものになった。ということで、ASIA結成前からのファンにとってはかなり辛い内容となったが、ロック・ファンにとったら嬉しいことでした。ただ、彼らの持っていた個性が薄くなってしまい、産業ロックに足を踏み入れてしまったと感じてしまったのもまた事実でした。
とは言っても、スケールの大きなロック・サウンドを聴かせてくれていて、この辺りは流石と感じさせてくれる所でもある。「ASIA」「ALPHA」と比べると、インパクトと言う点でも小さくなってしまったが、'80'sサウンドらしいロックでもあり、'80'sサウンドがお好きな方はしっかりとチェックしておきたいアルバである。
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