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「ULISSE」(1967) [映画(洋画)]

表題の作品はジェームズ・ジョイスの原作小説を映画化した1967年のアメリカとイギリスの合作映画「ユリシーズ」である。(先に取り上げたM.カメリーニ監督作品とは同名であるが、全くの別物語である。)悩みを持つ2人の男が出会い、色々なことを思念する。そんな男の1日の心の中を描いた人間ドラマである。また、舞台はJ.ジョイスの出身地であるアイルランドのダブリンである。また、本作の主要登場人物の3人は「オデュッセイア」の登場人物のユリシーズ、ペネロペ、テレマコスに対応しているというのは有名な所である。

作品データを記しておくと、時間は132分、白黒作品である。原作はジェームズ・ジョイス、監督はジョセフ・ストリック、脚本はジョセフ・ストリックとフレッド・ヘインズの2人、撮影はウォルフガング・サシツキー、音楽はスタンリー・マイヤーズである。そして出演は、バーバラ・ジェフォード、ミロ・オーシャ、モードス・ローヴ、T・P・マッケンナ、フィニュラ・フラナガン、ジョー・リンチ、たちである。

20世紀初頭のダブリン。広告取りの仕事をしているレオポルド・ブルームは妻・モリーの不倫のことや不倫相手のボイランを気にしながらいつものように仕事で町を回っていた。一方、小学校の教師であり詩人でもあるスティーブンは全く関連のない様々なことを思い浮かべて考えるような男であった。6月のある日、レオポルドは友人の葬式に行き、続いていつも仕事で訪れる新聞社に行く。そこで彼はスティーブンと知り合う。昼食後図書館に行くとボイランを見かけたり、シェークスピア論をしているスティーブンたちに会う。街へ出て本を買い、ホテルで食事して文通している恋人に手紙を書くレオポルドは、またもその場に来ていたボイランを見かけ、妻との関係を妄想していた。夜、海岸で3人の女たちを目にして、その中の1人の誘惑的なポーズに悩まされる。その後、再び街に出ると、スティーブンを見かけると、2人は酒を酌み交わし、酔っぱらって売春宿に行き、様々なことを考える。夜も更けて帰宅したレオポルドはベッドに入ってから、妻と交わりのある男たちのことを考えるのだった...

原作小説に沿って映画化されているが、本作を見るには原作小説を読んでからの方が良いでしょうね。そうすることによってギリシャ神話の「オデュッセイア」に準えたJ.ジョイスの意図を理解した上でレオポルドの思念を見ることになり、より物語の奥が分かるようになる。また、ある程度の予備知識が入ることで、やや長く感じてしまう物語の方も飽きることが無く、最後まで接することが出来るようになる。

とは言っても、本作も現時点ではDVD化もされていないのだから、目にする機会も殆ど無いでしょうが...(以前はLDではリリースされていました。そう思うと、LDって凄い所までリリースしていたのですね。)

 

↓原作小説です。

ユリシーズ〈1〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

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  • 作者: ジェイムズ ジョイス
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: 文庫

ユリシーズ〈2〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

ユリシーズ〈2〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

  • 作者: ジェイムズ ジョイス
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/09
  • メディア: 文庫
ユリシーズ〈3〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

ユリシーズ〈3〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

  • 作者: ジェイムズ ジョイス
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 文庫
ユリシーズ〈4〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

ユリシーズ〈4〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

  • 作者: ジェイムズ ジョイス
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2003/12
  • メディア: 文庫
ユリシーズ〈1~3〉

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  • 作者: ジェイムズ ジョイス
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1997/03
  • メディア: 単行本
ユリシーズ〈4~6〉

ユリシーズ〈4~6〉

  • 作者: ジェイムズ ジョイス
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 単行本
↓これは参考になります。
ジェイムズ・ジョイス ユリシーズ百科事典

ジェイムズ・ジョイス ユリシーズ百科事典

  • 作者: 小川 美彦
  • 出版社/メーカー: 英宝社
  • 発売日: 1997/05
  • メディア: 単行本

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