上田正樹『OSAKA』 [音楽(特撮/邦楽)]
表題のアルバムは2007年にリリースされたアルバムである。収録曲を見たら、ベスト盤だと感じるが、そうではなくて新たに録音したものである。最近流行りのセルフカバーと解釈できるが、そういう位置づけでもなく、彼が新たな出発をするために、自分自身の過去と現在を自らの心に問うた試みである。アレンジも変えているということもあって、これまでに彼が残してきた名曲の数々が新たな命を受けて甦っただけでなく、第二楽章になったということもあって、これまでの曲と共に、じっくりと聴きたいアルバムである。
収録曲は、最後のボーナス・トラックを加えて全13曲である。曲は以下の通りである。『スルー・ザ・ナイト』『扉を開けろ!』『悲しい日々』『おまえを救けにゆく』『大阪へ出て来てから』『可愛い女と呼ばれたい』『むかでの錦三』『星空の下で』『そして大人の風の中へ』『わがまま』『悲しい色やね』『Sing My Soul』『Somewhere Sometime』。
お薦め曲は、名曲『悲しい色やね』は外せないのだが、生まれ変わった曲はとても新鮮であって、どれもこれもが新たな魅力に満ちている。全ての曲が新たな魅力を持っているので、全てをお薦め曲と言いたい所である。兎に角、レゲエ調の『スルー・ザ・ナイト』から始まり、これによって度肝を抜かれることになり、テンポ良く続いていく。「名曲は形を変えても名曲である」ということを感じさせてくれる。
そんな中から、『スルー・ザ・ナイト』『おまえを救けにゆく』『大阪へ出て来てから』『星空の下で』『悲しい色やね』というところは聴き所もたっぷりとあって、ソウルフルなところは以前よりも磨きがかかっていて、聴き惚れてしまうので、選りすぐりのお薦め曲と言うことにしておく。(特に、グラスを傾けながら聴き入るのには申し分ない。)
名曲がよりより熟成されていて、それが一段と味わいのある深味を醸し出していて、ブルースの奥深さ、神髄を堪能できる。時を忘れてじっくりと聴き込みたいアルバムである。
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