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ケータイ刑事銭形海4話[改訂版] [ケータイ刑事]

MBSでの放送に合わせて記している「[改訂版]」。今回の物語は第4話「炎天下の殺意! ~渚のお嬢様殺人事件」です。「シリアル路線」を掲げてスタートした「銭形海」であるが、やはり予想された通りで、弾け始めた物語であって、「何でもあり」というこれまでに築き上げた「ケー刑事ワールド」をしっかりと受け継いでいる物語でもある。ここまでは高村さんが暴走気味であったが、ちゃんも少しずつ弾けるようになり、更に「真面目」というキャラとのギャップが一段と魅力あるキャラへと昇華させていくことになり、益々面白くなってきた物語でもあります。

それでは長文&今更ながらのネタバレありで本編に行きます。尚、BS-iの本放送時に記した長文&ネタバレ編はここをクリックして下さい。

警視庁、ちゃんと高村さんがいきなり勝負ということで対峙している。「どっちが勝っても」「恨みっこなし」と言うと2人の視線はテーブルに置かれた多聞堂の「リュウ」と言うミルキーバニラのアイスクリームに向かう。(カップには「愛され続けて5周年」「赤坂産」という印刷がある。)で、「じゃんけんぽん!」チョキ、パー、グーと3回続けてあいこから、4回目でグーを出したちゃんの勝利。「やった~!」と大喜びで右手を突き上げて喜ぶちゃん。「アイス、アイス」と言ってアイスはちゃんの物になった。早速、そのアイスを満面の笑顔で食べるちゃん。(いかにも女子高生らしいところであるが、どう見ても470mlか900mlの容器なので、これを一人で食べるということになると、ちゃんと同様に「大食い」の疑惑が... →それだけの量があるのなら、仲良く分けっこしたら良いのに...)口に運ぶと「美味しい」と漏らす。一方、敗れてアイスクリームにありつけなかった高村さんは「あっぱれ」と書かれた扇子を手にしていて「それにしても何とかならないか、この暑さ」と言って、不満を口にしていた。(警視庁も、少しは省エネをしようということで、冷房を弱くしているのでしょうね。)これにちゃんは「午前中に30度を越したそうですよ」と言う。(お姉ちゃまだったら、この場で気温を測ってくれるでしょうね。)高村さんは「ジーザス。アイスマンでもなりたい気分だよ」と漏らす。これを受けてちゃんは「私は札幌雪祭りの氷像がいいな...」と漏らす。(北海道出身のちゃんということを考えたら奥が深い台詞です。)

というところに「警視庁から入電中」と、ちゃんの携帯に事件を知らせる入電が入り、ちゃんは携帯を開く。「港区赤坂のタモンビーチで溺死体が発見されたとの通報。死亡したのはセント・ヨーク女学院3年生の海音寺エリカ(かいおんじ・えりか)。直ちに現場に急行せよ」携帯を閉じたちゃんは「セント・ヨークって言ったら、凄いお嬢様学校じゃないですか」と、学校のことを知っていました。(こんな名前の学校だったら、誰でもそう思うでしょうが...)そして隣にいる高村さんを見たら、高村さんはアイスクリームを必死で食べていた。すると「高村さん」と口にするちゃんは冷たい視線を送る。それに気づいた高村さんはアイスのカップを置くと「さあ、銭形くん、急行するぞ、現場」と言って立ち上がって出て行こうとして逃げた。ちゃんは立ち上がると「ちょっと!、私のアイス返して下さいよ」と文句を言いながら後を追いかけていった。机のカップは空になっていた。

事件現場、そこは海音寺家の私有地であり、それを記した看板がある。(やたらと死体が発見されるタモンビーチであるが、タモンビーチは金持の別荘が多い私有地ばかりなので、警察の方も頭が痛いのかも...)現場にやってきたちゃんは高村さんに「いいですか。絶対後でアイス奢って下さいね」とアイスを食べられた事を根に持っていた。高村さんは「分かってるよ~ん」と返すが、「食べ物の恨みは怖いんですからね」としっかりと釘を刺すちゃん。高村さんは「君のお姉さんによ~く教わっているよ」と返していました。(お姉ちゃまだけでなく、ちゃんとちゃんにも散々奢らされていた高村さんですから、実感がこもっています。)

で、死体の場所までやってくると、早速捜査を開始する。ちゃんは携帯で現場写真を撮影する。高村さんは死体を見て「可哀想に、まだ若いのに...」と言う反応をしていた。ちゃんは「外傷はなさそうだし、普通に溺死のようですね」と見解を口にする。そこに「報告します」という柴田さんの声がするが、その声はいつもより籠もった声だった。声のした方にちゃんと高村さんが視線を移すと、砂浜から両足が空に向かって出ているが、腰から上の身体は砂の中に完全に埋まっていた。これに「柴田さん/くん?」とハモるちゃんと高村さん。柴田さんは「被害者は友人たちと別荘に滞在していた海音寺エリカ、二十歳。死亡推定時刻は午前11時から12時の間」と報告しながら砂をかき分けていて、そこまでいうと砂から剥いでて直立する。そして報告を続ける。「どうやらここで遊泳中に溺れたものと思われます」これを聞いた高村さんは「何がしたいんだ、アイツ...ぶわっか(バカ)」と言っていた。一方、ちゃんは死体を観察していて「高村さん」と呼ぶ。そして被害者の右手の爪に黒い何かがあることに気づき、その手を取って「これ、何でしょう?」と言う。高村さんもそれを観察すると「なんか、引っ掻いたみたいだね」と言う。ちゃんは左手の方にも黒いものがあることに気づいて「そっちの手にもありますね」と言う。柴田さんも側にやってきて「ちょっと拝借」と言うと虫眼鏡を手に、エリカの左手の爪を調べる。そして「どうやら、細かいナイロン繊維のようですね」と口にする。そして「詳しくは調べて見ないと分かりませんが...」と言う。これにちゃんは「じゃあ、分かったら教えて下さい」と、調べることを指示した。

柴田さんは砂浜に残されたビーチパラソルの方にちゃんと高村さんを連れて行くと「被害者は一人でここに来たようです」と言う。「回りには誰もいなかったの?」と高村さんが尋ねると、「ええ。ここは海音寺家の私有地で、所謂プライベート・ビーチです。被害者がなかなか戻ってこないので、探しに来た友人たちが遺体を発見しました」と柴田さんは説明した。ちゃんはそこにあったポシェットの中身を確認していた。柴田さんは「関係者に話を聞きますか?別荘に待たせてあります」と高村さんに言うと、高村さんは「おうおう、行こう行こう。こんな暑い所、1秒だっていられない。行こう行こう」と言って別荘に向かった。ちゃんは「あっ、ちょっと待って下さいよ」と言うと、慌てて追いかけていった。

海音寺家の別荘。表には紺色のベンツ「品川330 る 773」が駐まっている。応接室にはエリカの3人の友人がいて、小島奈緒美(こじま・なおみ)が最初に自己紹介をする。「小島奈緒美と申します」というと隣にいる波野順子(なみの・じゅんこ)を紹介する。「こちらは波野順子様」と奈緒美が言うと、磯山今日子(いそやま・きょうこ)が「そして、磯山今日子です」と自己紹介をする。(奈緒美と順子はソファに座っているが、京子は立っている。)ちゃんが「皆さん、セント・ヨークの学生さんですね?」と尋ねると、奈緒美が「はい、3年生ですの。こちらのエリカ様のご別荘で1週間ほどバケーションの予定でした」と答える。高村さんは「有意義なバケーションがこんな悲劇に変わるとは。運命とは残酷ですね」と言うと、奈緒美は「ええ、本当に...」と返していた。

ちゃんが「では、午前中の様子を話して貰えますか?」と言って、今朝の様子を尋ねた。で、順子が答える。今朝はブランチで、ブランチが済んだのは午前10時少し前だった。エリカがビーチに出ると言って奈緒美を誘ったが、奈緒美は昨夜飲み過ぎてしまったようでお部屋で休ませて頂くと言って遠慮した。また、順子は近所を散歩してみたいと言った。キッチンにいた今日子にエリカが尋ねると、今日子は後片付けを済ませたら買い物に出掛けると答えた。で、エリカは一人でビーチにいくことにして「支度をしてまいります」と言って部屋に向かったのだった。

それを聴いたちゃんは「遺体を発見したのはどなたですか?」と次の質問をする。すると今日子と奈緒美が顔を見合わせてから、奈緒美が「ここにいる全員でいわ」と言い、みんなは1時のアフタヌーン・ティーに合わせて戻って来たが、エリカだけが帰りが遅いので、3人で一緒に捜しに行ったら、ビーチでエリカの遺体を発見したのだった。(今日子がエリカの心臓の音を聴こうとして耳を当てるが「心臓がお止まりなっています」と言っていたが、「・2nd.8話」(「お犯人はアナタお殺人お事件」)でお嬢様言葉には免疫が出来ていますから...)

ちゃんは「エリカさんは泳ぎは苦手だったんですか?」と問うと、「今日子様が詳しいんじゃありませんこと。小学部から仲がよろしかったそうですし...」と順子が言うと、今日子が「ええ。でも、私の記憶では、エリカ様は昔から水泳が得意だったはずです」と答えた。それを聴いたちゃんは「そうですか」と漏らした。そうしていると奈緒美が「あの~」と尋ねてきた。「何でしょう?」と高村さんが言うと、奈緒美は「本当に私(わたくし)たちの名前が、新聞やテレビで報道されることはないんですよね?」と心配して尋ねた。で、ちゃんと高村さんは呆れて顔を見合わせていた。

話を終えて別荘の表に出てきたちゃんと高村さん。高村さんは「お嬢様は大変だねぇ。友人の死より世間体が気になるらしいよ...」と漏らし、ちゃんも「切ないですねぇ」と言っていた。すると高村さんはちゃんに向かって「君も、どっちかというとお嬢様じゃないの」と言うが、「そんなことありませんよ。お小遣いも少ないし...」とぼやきながら否定するちゃん。が、高村さんは「家に執事とか、ばあやがいるんじゃない?」と尋ねた。これに笑いながら「いません」と真面目に答えるちゃんでした。(銭形姉妹は「お嬢様」というより「お嬢さん」と言う雰囲気がするんですけど...

高村さんは「いやぁ、暑いなぁ今日は...」と漏らすと、ちゃんは駐まっているベンツのボンネットに軽く触れながら「ボンネットで目玉焼きが出来そう...」と漏らす。高村さんは「とにかく、事故の報告書まとめてさ、帰ろうよ」と言うが、ちゃんは「ちょっと待って下さい。これは事故じゃないと思います」と言う。高村さんは「どうしてよ?」と尋ねると、ちゃんは「第一に、被害者は日焼け止めを持っていたのに、使った形跡がありませんでした」と第一の理由を語る。が、高村さんはすかさず「それは塗る前に一泳ぎしようと思ったんじゃないの」と見解を口にする。ちゃんは続けて「第二に、被害者は泳ぎが得意なのにどうして溺れたんでしょう?」と疑問を口にした。しかしこれに高村さんは「いや、目眩起こしたり、足つったりしたんだよ」と説明する。ちゃんは「第三に、被害者の爪にあったナイロン繊維ですが、該当する持ち物はありませんでした」と言う。これには「だ、だからそれは海に流されたんだ」と一瞬詰まりながらも説明した。

そこに「鑑識から入電中」と柴田さんの着ボイスがした。ちゃんは携帯を取りだして電話に出る。すると柴田さんが報告する。「まずは例のナイロン繊維ですが、古いカーペットのような何かだと思われます」「それから解剖の結果、被害者の肺から大量の海水が検出されました」と語る。ちゃんは「じゃあ、やっぱり溺死ですか?」と確認をするが、これに柴田さんは「いや、それが...熱射病の疑いがあります」と告げた。ちゃんは「被害者は熱射病で死んだんですか?」と確認すると「そういうことになりますね...」と困惑した表情で答える柴田さんだった。電話を切ったちゃんは「海で見つかった遺体が熱射病...」と呟くと考え始め、「寄せる、悪のさざ波」(ここでAパート終了。経過時間は10分を越えた所でした。よってBパートは15分半弱になります。)

海岸で考えていたちゃんの元に高村さんが手にラムネの瓶を持ってやってくる。そして「はい」と言って1本をちゃんに手渡す。ちゃんは受け取ると「ありがとうございます」と、実に礼儀正しく、好感が持てます。高村さんはちゃんの隣に腰を下ろすと「何、さっきから悩んでいるの?」と尋ねる。するとちゃんは「だって、被害者は熱射病で死んだんですよ。おかしいじゃないですか」と言うと、ラムネを口にする。高村さんは「これだけの猛暑だよ。泳ごうとした途端に目眩を起こして、そのまま海へドボン。そういうことじゃないの」と言うが、「でも、それなら死因は溺死になるはずです。それに、熱射病は日射病とは別物ですよ」と海ちゃん。高村さんも「分かってるよ。車に置き去りにそれた赤ん坊が亡くなるケース、それでしょう」と返すと「ええ。でも、小さい子やお年寄りならともかく、エリカさんの場合、よほど激しい運動でもしなければ、熱射病で死ぬなんて考えられません」とちゃん。高村さんは「熱射病で死んだ被害者を事故に見せかけるために海に捨てたと言うことになる」とちゃんの考えを察して口にする。しかしこれにもちゃんは「でも、そうなるとまたおかしいんです」とその考えを否定する。「もし、死んでから海に捨てられたら、肺に海水は殆ど入らないはずです」と理由を言う。高村さんが「でも肺には海水があった」と事実を口にすると「ええ。ですから死因は熱射病なのに溺死の兆候も見られる訳です」とちゃん。「ということは」と高村さんが言うと「エリカさんは誰かに殺されたんです」と結論づけるちゃんだった。

高村さんが「他殺」と言うと頷くちゃん。すると高村さんはカメラ目線で「どうやら僕の出番だ」と言って立ち上がると「ミュージック、スタート!」と言って指を鳴らした。で、「バーボン刑事のテーマ」が流れてきて、岩場にマイク・スタンドが用意されていて、その前で踊り始める高村さん。が、イントロが終わりかけた頃から音楽の方がスロー・ダウンし、高村さんは歌い出す前に目眩を起こして倒れてしまった。(今回も結局歌えなかった高村さんでした。)で、ちゃんが目を丸くして「高村さん?」と助けに入った。

海音寺家の別荘の応接室。ソファーに座らされた高村さんの頭に濡れタオルを置くちゃん。「バーボン刑事のテーマ」の歌詞をうつろに呟きながら「あ~あ、不覚だよ、銭形くん」と言う高村さん。ちゃんは「軽い日射病です。少し休めば平気ですよこれに「迷惑を掛けるね...」と漏らす高村さん。ちゃんは笑顔を高村さんに見せていた。→お姉ちゃまや従姉妹たちから、大きなお子様の世話をすることになる、と知らされていて覚悟していたのでしょうね。

そこに「大丈夫ですか?刑事のおじさま」と言って3人がやってくる。「お暑い中のお仕事、大変ですわよね」と今日子が言うと、自ら濡れタオルを手に持って立ち上がった高村さんは「イエス。必要とあらば、焦げ付く太陽の下でもかけずり回るのが刑事の努めです」と何でもなかったように振る舞う。が「余計なことして倒れたくせに」とちゃんの厳しいツッコミもありました。(銭形には「おじさん」と言われると「お兄さん」と正す高村さんだが、お嬢様の「おじさま」いう言葉は訂正させない高村さんでした。)

奈緒美が「時に、私(わたくし)たちは、まだ帰していただけないのでしょうか?」と尋ねた。これにちゃんは「もう少し待って下さい。エリカさんの事についてお聴きしたいんです。どんな方でしたか?」と質問をする。奈緒美が「どんなと言われましても...」と言って少し思い出すように考えてから「大変品の良いレディでした。そうでしたわね、順子様」と答えて順子を見る。これを受けて順子が「勿論。内部も外部も隔て無く接する、お心の広い方でしたし。そう思いませんこと、今日子様」と言って今日子に振る。これに今日子は「ええ、そうですわね」と答えた。するとちゃんが「内部や外部って何ですか?」と尋ねた。すると今日子がこれに答えてくれた。セント・ヨークはエスカレーター式だから、幼稚園から在籍する者を内部生、小中高から途中で入学してきた者を外部生と呼んでいるということだった。これに高村さんが「派閥のようなものだ」と言うと「ええ、つまらないお話ですが...」と今日子。順子が「でも、エリカ様はそのようなことは決して気にしない方でした」と証言した。

続いてちゃんが「ちなみに、皆さんの午前中の行動は?」と尋ねる。奈緒美は昨夜のリキュールがたたって、ブランチが済んだ後、ずっと寝室で休んでいた。(→早い話、「二日酔い」でへばっていたということです)順子は、最近はダイエットも兼ねてウォーキングに凝っていて、近所を散歩していた。ちゃんが「ここを出たのは何時頃ですか?」と尋ねると「11時を回ってましたわよね、今日子様」と言って今日子に確認する。今日子は「ええ、確かそのぐらいでしたわ、順子様」と返す。するとちゃんが「お2人は一緒だったんですか?」と尋ねる。すると今日子が「はい、一緒に外に出ましたの」と答えた。今日子は後片付けを済ませると、車で町に買い物に出掛けた(免許を持っているのは今日子だけだった。)が、その時、順子は散歩に出て行ったのだった。

それを聞いたちゃんは「皆さん、11時以降は、それぞれ一人だったんですね」と言うと「そうですわ」と今日子。ちゃんは「そして、午後1時にここに戻って来た」と尋ねると「はい」と今日子。ちゃんが「その間、誰もエリカさんと会っていませんか?」と問うと「ええ」と今日子。すると奈緒美が「あれは事故だったんですわよね?」と不思議そうに尋ねる。これにちゃんは「事故じゃないかもしれません」と答える。すると「事故じゃないんなら何なんですの?」と不安げに順子が尋ねる。するとちゃんは3人の方を振り向いて「殺人事件です」と告げた。

洗面所で顔を洗った高村さんに「はい」と言ってタオルを渡すちゃん。高村さんは「ありがとう」と言ってタオルを受け取ると、それで顔を拭きながら「君は3人の中に犯人がいると思うのかい?」と尋ねる。ちゃんは「3人ともアリバイはありません。誰にでも犯行は可能です」と返す。高村さんは「そうかなあ...」と言う。ちゃんは「ただ、殺害方法が分かりません。どうしてあんなへんてこな状況が出来上がったのか...」と続けた。そんなちゃんは洗面所の隅に2つの白いポリタンクがあることに気がついた。で「何でしょう」と言ってそれを調べる。手にして振ってみると「空っぽですね」とちゃん。が、直ぐに閃いたようで、ポリタンクをその場に置くと足早に浴室に向かった。すると「おいおい、どうしたの?」と言ってちゃんの後を追った高村さん。

浴室に入ったちゃんは水が張っていない浴槽を調べる。で、「浴槽を使った跡があります」と言う。「それがどうしたの?」と尋ねる高村さん。考えを巡らすちゃんは「もしかして...」と気づき、足早に浴室から出て勝手口を通って表に出た。そして車庫に駐めてある車のところにやってくた。そして車を見て考えると「そうか、そういうことか」と口にした。後を追いかけた高村さんは「何のこと?ちっとも分かんないよ」と言うが、そんな高村さんを見たちゃんは笑顔で「謎は解けましたわ、ワトソンくん」(今回はお嬢様風にアレンジされた「謎は解けたよ、ワトソンくん」でした。)すると高村さんは「やっぱりお嬢様じゃないか...」と呟いていた。

車庫の車に近寄る手が、後部のトランクを開けた。それは今日子であり、トランクの中を見る今日子。そこにちゃんが「今日子さん」と声を掛けた。驚く今日子に「エリカさんはその中にいたんですね」とちゃん。すると今日子は慌てて逃げ出していった。で、後を追うちゃん。

三味線の音が響いてきて、岩場に白波が砕け散る。今日子が闇に包まれると「大波小波かき分けて。…」とちゃんの口上が始まる。「私の錨で沈みなさい!」から「神奈川沖浪裏」の大波がうねると、赤い錨のストラップが飛んで行く。庭に赤い錨が突き刺さり、そこに繋がった鎖が今日子を拘束していた。ちゃんが鎖を引くと、大回転してその場に倒れる今日子。ちゃんを見上げて「何をなさるんですか?」と言う今日子。するとちゃんが「あなたがエリカさんを殺害した犯人です」と告げた。すると立ち上がった今日子は「そんな、私は町へ買い物に行っていたんですよ」と反論する。

ちゃんは「問題はその前なんです」と言うと、本題に入る。朝食が済んで奈緒美と順子はリビングに、エリカは着替えるために部屋いた。「その間、あなたは何をしていたんですか?」とちゃんが尋ねると「後片付けをしていました」と今日子。これにかいちゃんが「それだけじゃありませんね」と言って、途中でこっそり、勝手口から裏手に抜け出し、出掛けようとしていたエリカに「バスルームが変なんですけど、見ていただけませんか」と言って言葉巧みにエリカをバスルームに誘い出した。浴槽には昨夜の内にポリタンクで運んだ海水が入っていて、そこにエリカの顔を押し込んで溺死させた。(これによって海で溺れたと思わせることが出来る。)それから浴槽の水を抜き、動かなくなったエリカを勝手口から運び出し、車のトランクの中に入れ、シートやパラソルも一緒に車に積み込んだ。その後リビングに戻り、奈緒美たちが何も気づいていないことを確認すると、キッチンで残りの後片付けを住ませた。その後、車を出してビーチにエリカを放置した。私有地なので目撃者の心配もない。

これを聞いた高村さんが「今の話なら、死因は溺死になってしまう。それに死亡推定時刻も合わない」と言って待ったを掛けた。ちゃんは「ええ、これは今日子さんが頭で思い描いていた計画です。でも実際は、予想外のことが起こった」とちゃんは言うと、更にその説明を続ける。

トランクの中でエリカは息を吹き返した。今日は午前中から30度を超す猛暑であり、トランクの中は40度を軽く超えていた。そんな中に閉じこめられていたエリカは熱射病で死んだ。しかし今日子はそれに気づかず、予定通りエリカの遺体を海に捨てた。これを聴いて高村さんは「だからあんなへんてこりんな状況が出来上がったんだ...」と漏らした。が、今日子は「それは推測でしょう。証拠はあるんですか?」と開き直って問い糾した。するとちゃんは足元に巻いて置いてあった車のトランクに敷かれていたマットを手にして「これは車のトランクに敷かれていたマットです」と言うとそのマットを広げた。「エリカさんの爪の間には、ナイロン繊維がありました。閉じこめられている間、苦し紛れにひっかいたんでしょうね。検査の結果、被害者の爪にあったものと一致しました」と語った。すると今日子は観念して、下を向いてしまった。

高村さんが「どうしてこんなことを?」と動機を尋ねた。今日子は「私、外部生なんです」と告白した。今日子は、幼稚園からエリカと一緒だったが、小学校の時、父の会社が倒産して、セント・ヨークから一般校に転校した。その時、仲良だったエリカと「絶対戻ってくる」と約束した。それから仕事をしながら必死で勉強して、大学受験でセント・ヨークに入学した。そしてエリカと再会したが、エリカはすっかり人が変わっていた。表面では仲の良い友達の振りをしていたが、裏では今日子を使用人扱いしてこき使っていた。それで今日子は悔しく思い、大した努力もしないで進級した奴らに何でここまで蔑まれなければいけないのかと思い、それが原因で殺したのだった。車の中で生きていたというのが今日子の誤算だった。そして「やっぱりお嬢様は悪いことしちゃいけないものですね」と語った。(→お嬢様じゃなくても「悪いこと」はダメです。)で、高村さんが今日子に手錠を掛けて逮捕した。

事件解決後、海音寺邸を後にしたちゃんと高村さんは海岸沿いの道を歩いている。高村さんが「お嬢様の世界って恐ろしいねぇ~」と感想を漏らすと、ちゃんは「みんながみんな、そうじゃありません」と返す。高村さんは「まあ、そう願いたいね」としんみりと返した。するとちゃんは「きっと、真夏の太陽が全て狂わせちゃったんです」と、詩人のような言葉を口にした。高村さんは「そうかもしれないね」と受けた。

ちゃんは「あっ!」と声を出して突然立ち止まった。そして「それより急ぎますよ」と言って思い出したことがあった。「どうしたの?」と高村さんが問うと、ちゃんは自転車にまたがり、笑顔で高村さんを見て「アイス、奢ってくれる約束ですよ。早くしないとお気に入りのお店が閉まっちゃう」と言い、前を向いて自転車をこぎ出した。高村さんは「今日じゃなくてもいいでしょう」と叫ぶように言ったが、ちゃんは自転車を停めて振り返ると「ダメで~す。女の恨みと食べ物の恨みは、凄~く怖いんですのよ」と言って笑っていました。(→食べ物のことになると絶対に忘れない銭形姉妹であるが、ちゃんもやっぱり銭形一族の人間ですね。)

次回・第5話の物語は「本家VS元祖、女将の戦い! ~フグ毒殺人事件」です。サブタイトルにあるように、「本家」と「元祖」というフグ料理屋のいがみ合いから起こる事件です。また、「ケータイ刑事」最多登板監督である佐々木監督が奥さんの滝本ゆにさんと共に出演している所が注目点の一つです。また、対立する「本家」の女将は、イタコ刑事やマジックやえこの中原翔子さんです。次回予告でも、「元祖鉄砲フグさん江」という色紙に「八代将軍 徳川吉宗」というものがあったりと、かなり胡散臭い「本家」と「元祖」ですが、そのネタもまたまた凄いものが出てきます。(高村さんはあっさりと納得しちゃいますけど...)また、この後の物語でも出てくるが、ちゃんが頬を膨らませて、両手を頬に当ててフグの真似をするのがシリーズに初登場となります。

鑑識メモ。いつものように「どうも~、鑑識の柴田です」という元気の良い挨拶で入ると、「鮪」と欠かれたフリップを出して「「さかなへん」に「有る」と書いて「まぐろ」、魚がそこにある」と語り、「では、ジャン」と言ってフリップを置いて頭をよけると、背後にあるホワイトボードに「魚無」という文字(「さかなへん」に「無」)が書かれてあって、それを指で指し示して「「さかなへん」に「無し」と書いて、これ何と読むでしょう?」と出題する。「魚がそこに無い、魚がそこに無い?えっ何処行ったの?何処に?」と言ってキョロキョロとする。で「泥棒!」と叫んでいました。(そんな漢字はありませんよ、念のため。)

本放送では、この後、「ちゃん・着ボイスDLのお知らせ」があり、途中のちゃんCM(インフォマーシャル)と共にMBSの放送ではカットなのだが、今回は「着ボイスDLのお知らせ」が「鑑識メモ」の後に2フレームほど入ってました。(あのURLのテロップもあった。通常再生ではおそらく気づかないでしょう。)本当ならば1フレームも出ないようにするべきだが、編集ミスというところですかね。一瞬のことなので、「サブリミナル効果」を狙ったのですかねぇ???

今回の物語の脚本は第2話と同様にKJということで、第2話に続いて上手にトリックを絡めたものがたりでした。KJは「ケータイ刑事」には「」からの参加であり、ルーキーではなくて2シーズン目になるが、もはやエースに相応しい活躍となりました。(1st.では、この後は6話と13話が脚本となるが、いずれもが本当に面白い物語となります。)

適当な笑いを散りばめながら、弾ける所は弾けて、シリアスに締める所はしっかりと締めていて、そのバランスも絶妙でいいものですね。また、高村さんが『バーボン刑事のテーマ』を歌えそうで歌えないというのも面白い所です。(「夏舞台」(=8~11話)でたっぷりと歌ってくれます。)

この物語で「銭形海」もスタートした最初の一ヶ月を終えることになったが、9ヶ月の充電期間も上手く働いて、面白い作品が続いた。1st.では「夏舞台」が4話も占めるため、それ以外の物語は9本ということで少し物足りなさも感じるのだが、3クールの長丁場に繋がる好調な出だしということになりました。また、ちゃんも確実に進歩しているのがわかりますし、「お楽しみはこれからですよ」(後にちゃんもこの台詞を口にします。)

 

ケータイ刑事 銭形海 DVD-BOX 1

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  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
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↓「泪・2nd.8話」のお嬢様の物語はこちらにあります。

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX II

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  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓「バーボン刑事のテーマ」はこれに収録されています。 

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状+TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック

ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状+TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ,黒川芽以,小野綾子,CHINO,もろこし村青年団,宮原永海,草刈正雄,金剛地武志,ドリマックスガール,ナミ&チヨ
  • 出版社/メーカー: ヤマハミュージックコミュニケーションズ
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: CD

 

↓海ちゃんは頭の中に入っていることでしょう。

美食の王様 スイーツ―絶対おいしい169店 厳選の380種

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  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本

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  • 出版社/メーカー: ネコ・パブリッシング
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  • メディア: 大型本

パティシエ100人のスイーツ―全国有名店のレシピ公開 (ブティック・ムック―料理 (No.473))

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  • 出版社/メーカー: ブティック社
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↓十分に注意しましょう。(今は少し早いですが...)

海・プールでおきやすい事故と予防 (子ども救急事典)

  • 作者: 内藤 昭三
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 1987/04
  • メディア: 単行本

安全水泳

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  • 出版社/メーカー: 大修館書店
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本

ヒート・ストローク 熱射病のカルテ―事件か事故か災害か

  • 作者: 海原 翔
  • 出版社/メーカー: 日本図書刊行会
  • 発売日: 1997/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

熱中症―息子の死を糧にして

熱中症―息子の死を糧にして

  • 作者: 中村 純友
  • 出版社/メーカー: 悠飛社
  • 発売日: 2002/05
  • メディア: 単行本

子どもの健康と応急処置

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  • 作者: 川原 裕子
  • 出版社/メーカー: 新風舎
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暑さから身を守ろう―働く人の熱中症対策

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↓「備えあれば憂いなし」

セブンクール&ひんやりシート R-101

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