「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その50) [ケータイ刑事]
今回で50回目となったこの連載。(週一で記しているので、まもなく1年になりますね。)まだまだ続きます。今回のテーマも「科学者」であるが、今回は「スケールの大きな未来技術の開発を行っている科学者」ということで述べていく。(「未来技術」という所の定義が曖昧さを持っていますが...)
登場するのは、「007」からは「黄金銃を持つ男」のギブソン博士、「美しき獲物たち」のモルトナー博士、「ダイ・アナザー・デイ」のヴラッド博士の3人である。そして「ケータイ刑事」からは、「愛・2話」の伊澤三四郎と、(またまた登場となる)「泪・2bd.3話」の日本橋雷人である。
尚、「未来技術」ということでは、「007」に登場するQは該当者になるが、余りにも幅広い開発を行っているということと、Qに該当するキャラクターということでは「ケータイ刑事」からは柴田太郎さんにも登場願うことになってしまうが、Qも柴田太郎も「レギュラー・キャラクター」であり「ゲスト・キャラクター」ではないので、今回は外れて貰うことにしました。
「007」:ギブソン博士。シリーズ第9作「黄金銃を持つ男」に登場した太陽エネルギー学者である。彼は太陽光線をエネルギーに変換するソレックス・アジテーターという装置を開発した男である。が、それをスカラマンガに狙われていて、ナイトクラブから外に出た所を簡単に狙撃されて殺されてしまった。この時、地元警察はボンドを犯人として誤認逮捕した。
「007」:モルトナー博士。シリーズ第14作「美しき獲物たち」に登場したステロイドの研究・科学者である。かつて、ナチスの収容所で医師として従事していて、そこでステロイドを妊娠中の女性に投与した。すると生まれてきた子供(=ゾリン)は天才だった。これがきっかけで、彼はステロイドの研究を始めるようになる。その後、生まれた子供と共にソ連に掠われた。成長したゾリンはKGBのスパイとなるが、野望を持つようになりKGBを裏切り、ゾリンの厩舎でドーピングの研究を始めた。そしてこれがゾリンの厩舎の馬が優勝しまくることになり、ゾリンの資金源ともなった。
最期は、飛行船でゾリンと共に脱出したが、ゴールデンゲート・ブリッジに引っかかり、そこでボンドがゾリンを倒し、橋を離れた飛行船と共に爆死した。
「007」:ヴラッド博士。シリーズ第20作「ダイ・アナザー・デイ」に登場した科学者で人工衛星と太陽エネルギーの科学者である。グレーブスが計画するイカルス計画のブレーンである彼は、人工衛星や太陽エネルギーに長けた科学者である。太陽光線を地球表面に艶やかに当てて、エネルギー利用する、というのがイカルス計画だと発表されていたが、実際は破壊的な熱光線を膨大に放射する人工衛星兵器であり、その開発者だった。
「ケータイ刑事」:伊澤三四郎。「愛・2話」に登場した天才物理学者であり、その時の被害者である。享年49歳。過去に3度ノーベル賞候補に名前が挙がった天才物理学者であり、日本物理学研究所に勤務していた。伊澤は「三四六の定理」を発表し、これが物理学の常識を根底から覆すことになった。(実は、「三四六の定理」は彼ではなくて教え子の山口高明が発見したものであり、伊澤はそれを横取りして自分の名前で先に発表したのだった。)
その内容については、柴田太郎が「現実の世界と…」と説明を始めてくれたが、愛ちゃんはさっぱり理解できず、直ぐに「もういいですよ」と遮ってしまったため、全く分からないのだが、「ノーベル賞候補」になったということは大きな業績があったということは疑う余地はない。また、過去のノーベル賞を受賞した物理学者は、いずれもが後に大きく世の中を変えるような研究をしていたことから、「三四六の定理」もその類のものだと判断します。
結局、伊澤が教え子・山口の発見した「三四六の定理」を自分の名前で発表したこと、更に伊澤は山口を自分から遠ざけるために沖縄の大学院に入れたことから、謝罪を求めた山口だったが、伊澤は全く聞き入れなかったので、山口は殺害を決意し、殺されてしまった。→難しい学問に関わっている設定であるが、実は殺されるために出てきたようなキャラクターでした。
「ケータイ刑事」:日本橋雷人(らいと)。「泪・2nd.3話」に登場した波動砲研究所でワープ装置の開発を行っていた研究員である。彼には双子の弟・仙太がいる。雷人が開発したのは公衆電話ボックスの形をしたワープ装置であった。(実は単なるマジックの類のものであり、本当にワープ装置を開発した訳ではなかった。)文科省の補助金を受けるために開発したことにして、その公開実験を行うとしたが、その裏には研究資金を得るために、弟・仙太に保険金を掛けていて、その仙太を殺して研究資金を得るという計画が隠されていた。結局、泪ちゃんがワープ実験はマジックだと見抜き、更に仙太を殺したトリックも見破り、泪ちゃんに逮捕されることになった。
今回登場した科学者たちも、前回述べた科学者たちと同様に、どちらかというと冷遇される境遇の持主ばかりである。特に、ギブソン博士と伊澤は殺されるためだけに登場したようなキャラクタでした。後にボンドの敵の親玉になるゾリンを誕生させたモルトナー博士も、ゾリンの生みの親であるためにソ連に連れ去られ、ゾリンに利用されるだけされたという形になっていた。ヴラッド博士も、「ブレイン」ということで、一見したらそれなりの立場にいると受け取れるが、実際はグレーブスに利用されただけの存在である。日本橋雷人も研究成果が出ないことから文科省の補助金を打ち切られるということで、冷や飯を食わされた一人である。(そもそも、研究対象があまりにも飛躍しすぎたもので、打ち切ったとはいうものの、文科省もよくぞ補助金を出したものです。)
ということで、中には本当に成果を上げていない人物もいるが、利用されるだけ利用されて捨てられた、ということが共通点である。まあ、科学者ということで研究の方ばかりに力を入れていて、本当の悪のボスに成れなかった人物ということで、ある意味ではみんな「学者バカ」だったということにもなる。
尚、相違点については、科学者としての描写が少なくて人物像を特定できないキャラクターもいるため、前回同様に細かく論じることが出来ないので省略するが、人間それぞれ違いがあるので、何らかの相違点があるのは当然であろう。
次回は、「科学者」から離れて別のテーマで「ゲストキャラにおける類似点」について述べていく予定です。
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