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「柳生武芸帳」(その8) [映画(邦画)]

懐かしの邦画ヒーローシリーズ第21弾として記してきた「柳生武芸帳」シリーズも今回が最終回となる。で、1本だけ残っている東映シリーズの最終作について述べる。尚、これまでは東宝の2作品を含めて、全て五味康祐の原作であったが、本作の原作はこれまでの作品の五味康祐ではなく、紙屋五平である。(十兵衛を演じるのは近衛十四郎で、こちらは変わっていない。)

シリーズ第9作柳生武芸帳 十兵衛暗殺剣」(1964年)
作品データを記しておくと、1964年の東映京都の作品で、86分の白黒作品である。原作は紙屋五平、監督は倉田準二、脚本は高田宏治、撮影はわし尾元也、美術は吉村晟、音楽は鏑木創である。そして出演は、近衛十四郎、河原崎長一郎、大友柳太朗、宗方奈美、岡田千代、林真一郎、内田朝雄、香川良介、北竜二、雲井三郎、神戸瓢介、近江雄二郎、国一太郎、高杉玄、山本一郎、源八郎、波多野博、小田部通麿、たちである。

柳生新蔭流は柳生石舟斎から十兵衛に受け継がれていたが、十兵衛以外にも新蔭流を継いだ男がいた。松田織部正もその一人であった。が、彼は豊臣方にことから野に置かれることになった。その松田織部正の流れを汲む幕屋大休は、新蔭流正統を証明する印可状と守り刀を竹生島神社から奪うと江戸にきて、柳生新蔭流に挑む。これを知った将軍・家光は大休を斬り、印可状を取り返すように十兵衛に命じる。十兵衛の門弟たちが大休の道場に乗り込むが、簡単にやられてしまう。更に、戦いの場所を琵琶湖・竹生島に移し、今は衰退しているものの、かつてこの地で名を馳せた湖賊を利用した大休の策略にハマり、十兵衛一人を残して柳生新蔭流は敗れていった。十兵衛は湖賊になりすまして最後の戦いに挑んでいくが...

原作がどうのということは言わないことにするが、これまでのシリーズ作品とは随分と雰囲気も違う作品となっている。一応、「柳生武芸帳」の流れを汲んだ物語であるものの、ここまで来ると、そういう予備知識が無くても別物だと感じる作品になっている。実際、本作はシリーズ最終作と言うことになっているが、後にビデオ化された時には、タイトルから「柳生武芸帳」が外されて「十兵衛暗殺剣」というタイトルになっていることからも、やはり東映ビデオの方も同じことを感じたのでしょうね。

忍者アクションと言うことではそれなりに見せてくれているので、駄作とは言わないが、完全に十兵衛が輝くためのストーリーと言うことになっているということで、これまで本シリーズを支えた十兵衛に花を持たせた感じになっている。まあ、こういう幕引きもあっても良いが、東映の「柳生武芸帳」シリーズは特定の個人にスポットを当てるのではなく、集団抗争劇となっていただけに、今ひとつ納得できない所がある。

これまでの8作を見てきたら、最後のおまけとして見るということでよろしいんじゃないかと...(逆に、これまでのシリーズを全く見ていなければ、十兵衛がヒーローとして描かれているということで、割と楽に受け入れられるでしょう。)

 

↓やはりDVD化されていません。ビデオです。

十兵衛暗殺剣

  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
  • メディア: VHS

 

↓こういうものをピックアップしておきます。

柳生武芸帳 【コミックセット】

  • 作者: 貝塚 ひろし
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • メディア: コミック

柳生十兵衛はなぜ独眼なのか

柳生十兵衛はなぜ独眼なのか

  • 作者: 赤司 典弘
  • 出版社/メーカー: ぶんか社
  • 発売日: 2007/04
  • メディア: 文庫


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