「YANKS」 [映画(洋画)]
表題の作品は1979年のアメリカ映画「ヤンクス」である。第二次大戦末期のイギリスを舞台に、進駐しているアメリカ軍兵士とイギリス女性の愛を通して、英米の国民感情の微妙な違いを描いた人間ドラマである。尚、タイトルの「Yanks(ヤンクス)」というのはアメリカ人を侮辱したように言うイギリス英語「Yank(ヤンク)」の複数形であり、イギリス人が俗称として使う「ヤンキー」の類である。
作品データを記しておくと、時間は138分、原作はコリン・ウェランド、監督はジョン・シュレシンジャー、脚本はコリン・ウェランドとウォルター・バーンスタインの2人、撮影はディック・ブッシュ、音楽はリチャード・ロドニー・ベネットである。そして出演は、リチャード・ギア、リサ・アイクホーン、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、ウィリアム・ディヴェイン、チック・ヴェネラ、ウェンディ・モーガン、レイチェル・ロバーツ、マーティン・スミス、ジョーン・ヒクソン、エヴェレット・マッギル、たちである。尚、レイチェル・ロバーツは本作でイギリス・アカデミー賞の助演女優賞を獲得している。(アメリカ・アカデミー賞ではノミネートもされていないですが...)
第二次大戦末期、イギリス北部の町・ヨークシャー州ステーリーブリッジ。この町にも他の町と同様にヨーロッパ解放(大陸出動)に備えた多くの米軍が進駐していた。町の人たちは駐留するアメリカ兵のことを「ヤンクス」と呼んで、平和に暮らすには必要だが、あまり嬉しくない存在として扱っていた。それは文化の違いが影響していて、微妙な所で相容れないところがあった。しかし、男女の関係となると話は別であった。夫が戦場に出ている平凡な主婦は、妻をアメリカに残してこの地にやってきた将校と関係を持っていた。また、町で雑貨店を経営する夫婦の一人娘は婚約者がいるにもかかわらず、アリゾナ出身の炊事兵と恋に落ちる。この2組の男女を中心に、やがて来る別れの日に向けてのドラマが綴られていく...
名優・ヴァネッサ・レッドグレーヴ、そしてこの後「愛と青春の旅だち」で一気に人気が高まるリチャード・ギアが、それぞれのカップルで味のある所を出しているのがポイントである。また、アメリカ映画であるのに、イギリス映画らしい雰囲気があるのも本作の特長である。(が、イギリス映画が持っている独特の雰囲気ともまた違っている。)
派手な所は無いということもあって、日本版のDVD化はまだなのだが、早くリリースして貰いたい作品の一つである。(ちなみに、LDではリリースされていました。→LDって、本当に凄い作品までリリースしていたものですね。)
↓輸入盤のDVD(リージョンコード「1」のため、注意が必要です。)とビデオです。
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