ゴルゴ13#7 [アニメ]
今回の依頼者は、あまりにも個人的なエゴからゴルゴに狙撃を依頼するというものであったが、ゴルゴもプロのスナイパーらしく、内容に関しては何も言わずに依頼内容をきっちりとこなしていました。が、依頼者にとったら実にシニカルな結末ということで、この辺りが個人的なエゴによる依頼に対する天の声ということなんでしょうね。
世界的なバイオリニストのトーマス・シンプソン。ロンドンのある公演のステージでの演奏中、突然、彼のバイオリンのG線が切れてしまうというアクシデントに見舞われ、これまでの名声を一挙に失ってしまった。また、それ以来彼は、例えバイオリン教室の子供たちの前でもそうだが、人前でバイオリンを弾こうとすると手が震えだし。弾くことが全く出来なくなってしまった。そんな中、予定されていた次のチャリティー・コンサートへの出演もキャンセルされてしまい、その代役は彼のライバルであるロシアのバイオリニスト・ケルンスキーと知る。シンプソンはケルンスキーにも同じ目に遭わせて、それによって誰でも同じだと世間に知らしめて自分の名誉回復を狙う。で、ゴルゴにケルンスキーの演奏中にG線だけを切り、だれにも怪我をさせないようにという狙撃依頼をした。「相手は50m先のワイヤー」という仕事を引き受けたゴルゴ。いつものように、ライフルのカスタマイズから初めて用意を調える。チャリティー・コンサート当日。シンプソンは客席からケルンスキーが嘲笑われるのを今か今かと待っていた。で、ケルンスキーの独演となるアンコールが始まった。ゴルゴがトリガーを引き、ケルンスキーのバイオリンのG線が切れた。演奏が止まり、客席はざわめき、シンプソンは笑いが止まらなかった。ゴルゴは伊禮を追えて会場から去っていく。が、ケルンスキーは隣のD線を緩め、そのD線を使って演奏を始めた。これに客席は大喝采、シンプソンの思惑通りにはならなかった...
プロとして依頼された仕事は拒まないゴルゴ13。このような個人的な怨念の依頼であれば、仕事人(「必殺シリーズ」)だったら受けなかったり、受けたとしても実は依頼人が悪の黒幕であって天誅を下す、ということになるのだが、仕事を引き受け、依頼された通りにこなすのはゴルゴらしいところですね。特に、依頼内容を忠実にこなすが、それによって起こる二次的なこと(今回はケルンスキーやシンプソンの名声ということになる)には一切関知しないというのも「プロ」であるし...結末が依頼者であるシンプソンにとっては皮肉なことになったというのは、天の声であって、神様が見ていたということでよろしいかと...
↓この物語はこれに収録されています。
↓ゴルゴ13関係をいくつか
さいとう・たかをセレクション BEST13 of ゴルゴ13 Author’s selection
- 作者: さいとう たかを
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2003/11/13
- メディア: 単行本
↓こういうものを...
目からウロコのポイントチェック Let’s ヴァイオリンレッ
- 作者: 深山 尚久
- 出版社/メーカー: レッスンの友社
- 発売日: 2007/04/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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