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「12 ANGRY MEN」 [映画(洋画)]

表題の作品は1957年のアメリカ映画「十二人の怒れる男」である。ある殺人事件に対する陪審員たちの討論の様子を描いた密室劇である。日本でも裁判員制度がスタートすることになるが、本作は裁判員を務めることになった場合、教科書となりうる作品である。いつ裁判員として呼ばれるか分からないが、それに備えても見ておくことをお薦めする。尚、製作から半世紀が過ぎているが、学ぶべき所は陳腐化していないので、しっかりと学びましょう。

作品データを記しておくと、時間は95分、白黒作品である。監督はシドニー・ルメット、脚本はレジナルド・ローズ、撮影はボリス・カウフマン、音楽はケニヨン・ホプキンスである。そして出演は、ヘンリー・フォンダ、リー・J・コッブ、エド・ベグリー、マーティン・バルサム、E・G・マーシャル、ジャック・クラグマン、ジョン・フィードラー、ジョージ・ヴォスコヴェック、ロバート・ウェッバー、エドワード・ビンズ、ジョセフ・スィーニー、ジャック・ウォーデン、たちである。尚、本作はベルリン映画祭で金熊賞(=グランプリ)を受賞している。

ニューヨークの法廷。17歳の少年が引き起こした殺人事件の審理が終わり、陪審員の評決を待つだけになった。12人の陪審員たちは陪審室に入り、評決を出す審議が始まる。その日は暑い一日でもあって、誰もが早く家に帰りたがっていた。投票は11対1で有罪が多数を占めた。が、評決は全員一致とならなければならない。無罪に投票した男は、「犯人かも知れないが有罪の証拠がない」として「推定無罪」ということで説明していく。それから証拠に対して改めて検証していく陪審員たち。再び評決の投票が行われると、10対2で有罪が多数派だった。更に、一つずつ検討していく。3度目、4度目の評決の投票では無罪が増えていく。数時間の討議が続き、最終的には全員一致で「無罪」という結論が出た...

「有罪/無罪」の結論に関しては細かいことは言わない。状況から「有罪」と誰もが判断しそうであるが、一つずつ確実に証拠が信用できるものなのかを検証していき、嘘を見破り、「疑わしきは罰せず(=推定無罪)」という裁判の原則を忘れていないところが重要である。確かに、状況を考えたら「有罪」っぽく感じるが、フィーリングで判断してはいけない、という教訓がある。

日本でも裁判員制度が導入されると言うことで、その教科書となり得るだけに、本作の価値はより大きなものになったが、そういうことがなくても、密室での大人たちの真剣な討議が続く様子は見所であるのは変わらない。半世紀前の作品であるが、学ぶべき所はしっかりと学びましょう。

 

十二人の怒れる男

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  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • メディア: DVD

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