BANANARAMA『BANANARAMA』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは、1984年に発表された彼女たちの2nd.アルバムである。彼女たちは'80's後半になってブレークする事になるが、本アルバムはそのきっかけとなったアルバムである。(彼女たちは次作で往年のヒット曲『Venus』をカヴァーして、これが世界中で大ヒットを記録した。)が、発表された当時は、本アルバムは不景気レコード(収録時間が34分ぐらいということで短かった。)ということで、'80'sの音楽ビジネスに対する風当たりが色々と言われたアルバムでもあった。(リマスター時に6曲のボーナス・トラック追加ということで、60分弱になり、時間の点での不満点は解消されることになりました。)
尚、本アルバムはBillboardのアルバム・チャートで最高位30位を記録して、アメリカでは初めてTOP 40入りを果たすことになった。(本国イギリスでは最高位16位を記録したが、1st.アルバムの記録には及ばなかった。)
収録曲は以下の全9曲である。『Cruel Summer』『Rough Justice』『King Of The Jungle』『Dream Baby』『Link』『Hotline To Heaven』『Stata I'm In』『Robert De Niro's Waiting』『Through A Childs Eyes』。
また、2007年にリマスターされて再発された時に、以下の6曲がボーナス・トラックとして追加されて全15曲収録となった。(追加曲のみ記す。)『Cairo』『Push!』『Rough Justice (7" Version)』『Live Now』『Hotline To Heaven (7" Version)』『The Wild Life』。
この中からは、『Cruel Summer』(イギリスでは最高位8位、アメリカではBillboardで最高位9位、1984年の年間シングル・チャートでは73位にランクイン。)と『Robert De Niro's Waiting』(イギリスでは最高位3位、アメリカではBillboardで最高位95位)の2曲が英米の両方でシングル・カットされてヒットを記録している。また『Rough Justice』(最高位23位)、『Hotline To Heaven』(最高位58位)の2曲はイギリスのみでシングル・カットされてヒットした曲である。また、『King Of The Jungle』は日本でのみシングル・カットされるということになったが、女性グループの曲としたら、'80'sにおいてこういう現象は珍しいことではない。
本アルバムからの筆者のお薦め曲(ボーナス・トラック分は除く)は、彼女たちの名前を広く知らすことになった『Cruel Summer』、あの俳優の名前が入っていることで、これは何?と思わせる『Robert De Niro's Waiting』、そして『King Of The Jungle』『Through A Childs Eyes』という所をピックアップしておく。
彼女たちと言えば、'80's後半の数年間が全盛期ということになるが、本アルバムはその全盛期を迎える前に発表されたものであり、大きく羽ばたいていこうとするエネルギッシュなところを大いに感じることが出来る。ポップで、とても聴きやすいサウンドは既にエレポップという名前で浸透していたが、そういう時代に合わせたようなサウンドも、抵抗なく入って行くことが出来る。『Venus』以外のヒット曲もあるので、彼女たちを聴くのであれば、抑えておきたいアルバムである。
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