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ケータイ刑事銭形舞6話[裏ネタ編] [ケータイ刑事]

今回の裏ネタ編は第6話「闇の暗殺者! ~皆殺しの砦殺人事件」である。この物語は「ケータイ刑事」シリーズの中でも珍しく、ハードボイルド・タッチの作品である。ということで、今回は「ハードボイルド」についてと、今回のゲスト・キャラである袴田権四郎の通称の「モリアーティ」について、劇中に出てきた人名・亜蘭墨史(あらん・すみし)から「アラン・スミシー(ALAN SMITHEE)」について記すことにする。

尚、2年近く前になるが、MBSの再放送の時に記したこの物語の記事は「ここをクリック」してください。

ハードボイルド」:英語で記すと「Hard Boiled」。文字通り「固ゆで卵」を意味している。が、そこから転じて、文学の世界で、感情を交えず、客観的な態度、文体で事実を描写する手法、文体のことを言うようになり、ミステリー作品の分野において、行動的でハードボイルドな性格の非情な探偵を主人公とした作品、作風を表す言葉になった。

小説の世界では1920年代に登場し、ダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーたちが代表的な作家である。また、映画の世界では、ハンフリー・ボガート主演、ハメット原作の「マルタの鷹」(1941年)のイメージが定着している。また、そのボガートの影響で、トレンチコートとソフト帽は「ハードボイルド」の世界では必要不可欠なものとなった。

「カサブランカ」「マルタの鷹」「三つ数えろ」はハードボイルド映画を見る場合、見ておかなければならない作品である。(ちなみに「三つ数えろ」やハードボイルド作品のパロディ映画「四つ数えろ」(1982年、スティーヴ・マーチン主演、カール・ライナー監督)も見ておいた方がよろしいかと...)日本映画の「用心棒」や松田優作主演の「探偵物語」、'70'sの「ダーティハリー」シリーズ(3まで)や「フレンチ・コネクション」あたりも見ておきたい作品である。

モリアーティ」:コナン・ドイルの小説「シャーロック・ホームズ」シリーズに登場するキャラクターであり、ジェームズ・モリアーティ(JAMES MORIARTY)が本名である。21歳にして二項定理に関する数学論文を発表し、地方の大学で数学教授となる。が、同時に犯罪者としての才能も発揮して、ロンドンに暗躍する悪党の黒幕として君臨し、犯罪計画を手下に与えて自らはその計画には加わらなかった。

ホームズと同等の知能を持っているということで、ホームズもモリアーティには苦戦した。何度かの勝負があるが、いずれもホームズが勝利した。『最後の事件』ではホームズと共にスイスのライヘンバッハの滝に転落し死亡した。(ホームズも死んだはずだったが、復活を望む声によって、ホームズは生きていたことにされて復活、モリアーティの残党と対決していくことになる。)

コナン・ドイルが一切関係ない映画作品で、「ヤング・シャーロック ピラミッドの謎」(1985年)において、少年時代のホームズとワトソンが対決したレイス教授が後に「モリアーティ」を名乗ったが、この作品自体は番外編であり、シャーロキアンの間では全く認められていない。

アラン・スミシー(ALAN SMITHEE)」:人名であるが、これは特定の個人ではなく、アメリカ映画において、監督が何らかの理由で降板したり、監督が監督としての責任を嫌った場合に使われた偽名である。1968年から1999年の間に使われていた。

尚、この名前はカンタンに使えるものではなく、全米監督協会による審査、認定が必要であり、厳格な規定がある。また、この名前を使った監督は、自分の名前をクレジットに使うことを拒んだ理由を口外することを禁じられる。

最初にこの名前が使われたのは、1968年公開の「夏の日にさようなら」である。それから度々使われたが、いつしか映画マニアの間で、この名前はトラブルがあった時に使われる偽名だと言うことが知られるようになり、「偽名」という意味が薄くなってきた。そんな中、1997年に映画「アラン・スミシー・フィルム」が、「アラン・スミシー」を題材としたコメディ作品で暴露され、しかもこの作品でトラブルが起こり、本当に「アラン・スミシー」名義となったことで、マスコミが面白おかしく報道した。これによって全米監督協会はこの名前に偽名の意味がなくなったと判断して、使用を止めた。

尚、日本語では全く関係ないが、英語で記した「ALAN SMITHEE」をアナグラム変換(「ケー刑事・ファン」ならば説明の必要はないですよね。)すると「THE ALIAS MEN」となり、「偽名の人々」となるのは面白い所である。

 

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