「渡り鳥」(その4) [映画(邦画)]
水野晴郎さんが亡くなったと言うことで、「渡り鳥」シリーズを中断させて「シベ超」を先に記していたが、「渡り鳥」シリーズの復活です。で、今回はその4回目で、4本製作された1960年の作品の中から、後ろの2本となる、シリーズ第4作と第5作の2本についてです。
シリーズ第4作「赤い夕陽の渡り鳥」(1960年)
作品データを記しておくと、1960年の日活作品で、時間は79分、原作は原健三郎、監督は斎藤武市、脚本は山崎巌と大川久男の2人、撮影は高村倉太郎、美術は中村公彦、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、小林旭、浅丘ルリ子、宍戸錠、近藤宏、楠侑子、白木マリ、大坂志郎、深江章喜、河上信夫、青木富夫、神山勝、紀原耕、阪井幸一郎、黒田剛、瀬山孝司、島津雅彦、村瀬辰也、たちである。
今回の舞台は会津磐梯山の麓の町である。(本当に風のように何処にでも行きますね...)物語の方はお決まりのパターンである。
滝伸次は会津磐梯山の麓にやってくる。そしてある牧場主を助けることになる。その牧場は悪玉から乗っ取りのターゲットとして狙われていて、伸次は立ち向かって行く...
本作では、宍戸錠演じるハジキの政との絡みが今まで以上に密になっていて、この点がポイントとなる物語である。
シリーズ第5作「大草原の渡り鳥」(1960年)
作品データを記しておくと、1960年の日活作品で、時間は84分、原作は原健三郎、監督は斎藤武市、脚本は山崎巌、撮影は高村倉太郎、美術は坂口武玄、音楽は小杉太一郎である。そして出演は、小林旭、浅丘ルリ子、宍戸錠、白木マリ、南田洋子、金子信雄、垂水悟郎、木浦佑三、木下雅弘、佐々木孝丸、江木俊夫、弘松三郎、高田保、黒田剛、瀬山孝司、五十嵐久子、相馬幸子、野呂圭介、千代侑子、河上信夫、たちである。
今回の舞台は北海道で、摩周湖周辺である。物語の方はお決まりのパターンであるが、本作は小林旭と宍戸錠のコンビも良く、シリーズ最高傑作として知られている。
北海道にやってきた滝伸次。そこで伸次は、アイヌ部落を潰して飛行場を作ろうと考えている地元のボスの横暴を知り、アイヌ部落を守ることに決めた。一方、アイヌ部落が世話になっている清里硫黄精練所に、借金の取り立てに政がやってくるが...
今回の2作は、物語の展開は変わらないが、どちらも宍戸錠演じる殺し屋と主人公・滝伸次の絡みが良く、互いの持ち味を引き出すコンビネーションも良い。シリーズが最も盛り上がった時期の作品でもあり、脂の乗りも最も良い作品である。(この後、シリーズはしぼみ気味になっていきます。)
最終作「渡り鳥故郷へ帰る」は別として、それ以外の作品はどれから見ても良いが、今回の2本は必ず見ておきたい作品である。
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