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ケータイ刑事銭形海13話[改訂版] [ケータイ刑事]

MBSでの放送に合わせて記している銭形海「[改訂版]」も、今回で1st.シリーズが終了ということになります。この物語の最大の注目点は、高村さんの出向先と、別れのドラマがどうなるのか、という所である。で、高村さんの出向先が、スコットランド・ヤードということで、ちゃんを思い出させてくれるというのは嬉しい所です。でも、高村さんは海外ばかりに出向する、というのだから、階級は「巡査」であっても、これはこれで凄いところです。

また、この物語では劇中に映画「0093女王陛下の草刈正雄」を宣伝している所があるが、この物語の監督&脚本は「0093」の監督&脚本コンビであり、また、BS-iでの本放送時は、劇場公開直前ということだったので、当然と言えば当然である。(先日のBS-iの再放送や、MBSの放送の様に、遅れていたらこういうネタの面白さは半減してしまいますね...)

それでは、今更ながらのネタバレ有りの長文の本編に行きます。(尚、本放送後に記したものは「ここをクリック」して下さい。)

警視庁。いつもとは違って神妙な表情で歩いてくるちゃん。途中で立ち止まると、ポケットから緑のリボンの付いた魚のイラストの包み紙の小さなプレゼントの箱を取り出し、それを見つめていた。そんなちゃんはいつもの笑顔で「おはようございま~す」と言って高村さんの所にやってきた。高村さんは「グッモーニング」と返すが、荷物の整理をしている最中だった。机の上にはいろいろにものがあり、段ボール箱に整理しようとしているが、イルカのプン太(のぬいぐるみ)をはじめ、「・1話」から登場した様々な小物がある。(スニーカー、血圧計、スッポンパパ、鉄砲フグの手ぬぐいからビデオテープ、リンゴ、サングラス、「ア」とおでこに書かれたタコ、熊の木彫り人形まで揃っている。※「リンゴ」は2nd.1話に繋がります。)

ちゃんは「後片付けですか?」と尋ねると「立つ鳥跡を濁さず。数ヶ月なのに色々と貯まっちゃってさぁ...」と言う高村さんは、スーパーなどでお馴染みの買い物かごを持ってくると「いいものあげよう。これあげる」と言って、その中からあるものをちゃんに渡した。それは「草刈正雄の華麗なる卓上カレンダー」というものだった。(表紙の1枚の写真は現在、もう1枚の写真は若い草刈さんです。)受け取ったちゃんは表紙をめくって1月(勿論、草刈さんの写真がある)をみると「うわぁ、微妙~」と言って複雑な表情をした。

ちゃんは「でも、急でしたね。スコットランド・ヤードへの出向」と口にする。(おじいちゃまから昨夜の内に聞かされたのでしょうね。)これに「そうなんだよ。僕も色んな国へ行ったけど、本場イギリスへは初めてだよ」と返し、「あっ、本物のワトソンに会ったら連絡するから」と冗談交じりに言う。笑顔を見せていたちゃんは「もうすぐコンビ解消ですね」としんみりとした表情を見せる。高村さんはこれに「そうだね...」と感傷っぽく返すと「短い間だったけど、すっげぇ楽しかった」と思い出すように言い、「こちらこそ」とちゃんが返す。そして「じゃあ、今日はパーッとご飯でも食べに行きますか。勿論、高村さんの奢りで」とちゃんの方から誘う。すると高村さんは「おいおい。普通、僕が奢られるんじゃないの」と言うが、ちゃんは「酷~い。お小遣いの少ない女子高生に奢らせるつもりですか?」と言うと、後ろを向いて(背中を見せて)「うぇ~ん」。すると高村さんは「分かった、分かったよ。もう、従姉妹直伝のその嘘泣き、止めてよ」とちゃんの作戦を見抜いていた。海ちゃんは笑顔で高村さんの方を振り向くと「ばれました」。→分家の従姉妹たちまでもがちゃんの嘘泣きを継承している銭形シスターズ。恐るべし...それにしてもちゃん直伝の嘘泣きも通用しなくなっているとは、高村さんも恐るべし。再びちゃんと高村さんの顔合わせを見たい所です。また、岡野さんだったら「嘘泣き検定4級」あたりを持っていたりして...

そういうちゃんネタをしていると、「警視庁から入電中」と事件を知らせる入電が届いた。素早く携帯を開く海ちゃん。「世田谷区下北沢で殺人事件発生。被害者は三崎製薬の会長・三崎大吾(みさき・だいご)。直ちに現場に急行せよ」これを聴いたちゃんは「あっちゃ~。ご飯を食べに行くどころじゃないみたい...」と落胆していたが、高村さんは「三崎製薬、三崎大吾...」と呟いていて、被害者を知っているようだった。

事件現場の三崎邸にやってきたちゃんと高村さん。中に入ると早速捜査を開始する。死体を見たちゃんは「外傷はなさそうですね」と言うと「毒でも盛られたかな?」と高村さんが言う。そこに「報告します」と言って逆立ちをしている柴田さんが現れる。で、逆立ちを止めて立ち上がるとマスクをしていて咳き込む柴田さん。「柴田さん、どうしたんですか?」と尋ねるちゃんに「ちょっと、風邪気味なもんで...」と言うと、マスクを下にずらす柴田さん。が、マスクを2枚重ねていて、唇が描かれたマイクが現れる。(こういう所でも遊んでいます。)高村さんは咳き込む柴田さんに「もうすぐ新天地に旅立つ僕に移さないでよ~」と文句を口にする。これに「すいません」と謝る柴田さんは唇マスクを下にずらす。すると唇の上下にマスクの柄と同じ唇シールを貼っていた。ちゃんと高村さんの顔色を伺うが、滑ったと感じたようで、唇シールを剥がすと敬礼をする。そして真面目な顔になって報告を始める。「死因はシアン化カリウム、所謂青酸カリによる中毒死ですね。本日はこちらの家で、親戚が集まったホームパーティが行われており、食後の珈琲を飲んでいる最中に、突然被害者は倒れたということです」と伝える。言い終わると再び咳をする柴田さん。ちゃんはテーブルの方に移動すると「じゃあ、珈琲の中に毒が入っていたんですか?」と尋ねる。これに柴田さんは「はい。被害者のカップのみ、青酸カリが検出されました。他のカップやポットには異常は見られませんでした」と答える。(言い終わるとやっぱり咳を...)ちゃんはテーブルの上にあった薬の入った瓶を手にすると「これは?」と尋ねる。柴田さんは「被害者の胃腸薬です。いつも食後に呑んでいたようですね。毒物反応はありませんでした」と報告する。ちゃんは「そうか」と漏らすと「柴田さん。何処かに青酸カリを入れていた容器があるはずです。至急敷地内の捜索を」と指示を出す。これに「了解しました」と言って敬礼すると、柴田さんはバク転をするように逆立ちをして、ちゃんの指示に従って捜査を始めた。

その頃高村さんは、隣の部屋の椅子に座っている社長夫人の前にいた。そして夫人を見るゆっくりと近づいていって「久しぶりだね、佐々木... いや、今は三崎洋子さんだ」と言う。すると夫人は高村さんの顔を確かめるように見ると「高村くん?」と返した。その様子をちゃんは背後から見ていた。

応接室に移動した3人。高村さんが「彼女はペッパーダイン時代の友人なんだ」と説明する。ちゃんは「へぇ~、そうなんですか」と返すと、洋子が「随分昔の話です」と言う。高村さんが、洋子はボーイズたちの憧れの的だったと言うと、洋子も「高村くんだってもてたじゃない。変な英語を使ったり、急に歌ったり踊ったりして...」と高村さんの過去を語る。(ということは、学生時代から全く変わっていない高村さんということになります。)で、声を出して笑う3人だった。ちゃんは突然振り向くと「昔からそうだったんだ...」と呟いていた。(→直ちに従姉妹の本家四姉妹や雷お姉ちゃまの耳にも伝えるでしょうね。)

高村さんは洋子に「君が社長夫人だってことは風の噂で聞いていたよ」と口にすると、洋子は「高村くんが刑事になったってことも...」と返す。で、昔を懐かしむような状態になる高村さんと洋子。するとちゃんが咳払いをして「事件のことなんですけど...」と切り出す。洋子が「はい」と行ってちゃんの話を聞く。「今日こちらでパーティがあったそうですね」とちゃんが問うと「パーティと言うより、主人が料理に凝ってまして、親戚や友人を呼んで、昼食会をするんです」と語り出す。今日も従兄弟や友達が集まって食事をし、食後に洋子が珈琲を運んできた。会長は洋子に「片付けが終わってからでいいから、メガネを取ってきてくれ」と頼み、「分かりました」と洋子。で、会長が珈琲をカップに注ぎ、みんなに配った。(珈琲を湧かしたのは洋子)が、洋子は自分が疑われていると思い、「あの...」と言って高村さんを見る。これに「大丈夫、形式的な質問だから」と高村さん。で、洋子は話を続ける。

会長のメガネを取りに2階に上がった洋子。その時、珈琲を飲んだ会長がカップを置くと直ぐに苦しみだし、そして倒れた。友人たちは悲鳴を上げ、洋子は2階から倒れた会長を見たのだった。で、高村さんは「つまり君はその場にいなかったんでしょう。それだったら何も心配は要らない。君に犯行は無理だ」と洋子に安心させるように言う。そしてちゃんに目を移すと「そうでしょう、銭形くん」と確認する高村さん。海ちゃんは「確かに、青酸カリが見つかったのは被害者のカップだけですから、珈琲をついで大吾さんが口を付けるまでの間に、毒が入れられたはずです」と言う。すると洋子は「ちょっと待って下さい。そしたら今日いらしたお客様の中に犯人がいるっておっしゃるんですか?」と慌ててちゃんに尋ねる。この言葉によって従兄弟と友人たちの間には緊張感が走る。ちゃんは「誰か、心当たりありませんか?」と尋ねるが、洋子は「いいえ、まさかそんな...」と呆然となるだけだった。「よく考えて」と高村さんが洋子に優しく言うが「分からない...私、分かりません」と言う洋子は頭を抱えて困惑するだけだった。高村さんは「安心して、犯人は必ず捕まえるから...」と優しく洋子に言っていた。ちゃんはその時の洋子の表情をしっかりと見ていた。

ちゃんが「高村さ~ん?」と高村さんの行方を捜していた。高村さんは何処かに行っていたのだった。ちゃんは「他の皆さんに話聞きますよ」と言って高村さんを探し続けていた。その頃高村さんは、2階の踊り場で洋子と二人っきりでいた。そして元恋人の2人が久しぶりに再開した時のような雰囲気になっていた。高村さんは「何年ぶりだろう。君はちっとも変わらないねぇ」と昔を懐かしむように話すが、洋子は「嘘ばっかり。もう、昔とは違うわ」と返す。高村さんは「あの日、どうして来てくれなかったんだ?」と、昔の話をする。「ずっと待ってた?」と口にする洋子は「あなたの夢、邪魔したくなかったから」と続ける。そして高村さんに抱かれるように身体を柄づけると、スーツの内ポケットにメモ紙をそっと入れ「これ、私の連絡先。落ち着いたら。ねっ」と言い、離れていった。ちゃんはその2人のやりとりを物陰から見ていた。

警視庁に戻ったちゃんと高村さん。いつものようにホワイトボードを使って捜査会議をしている。(ホワイトボードには、容疑者の名前として、三崎小吾(被害者の従兄弟)、波野大洋(被害者の友人)、波野香(波野大洋の妻)の3人の名前が書かれてある。)高村さんは「この中の誰かが被害者のカップに毒を入れたんだ。必ずシッポを掴んでやる」と意気込んでいた。ちゃんはうつむき加減で元気なく「そうですねぇ」と漏らす。すると高村さんは「おいおいおい、その気のない返事は何だよ」と言うと「現場ワンハンドレッド。刑事の気迫と執念が事件を解決へ導くんだよ」と言って渇を入れようとする。が、ちゃんは「それより、一人名前が抜けていますよ。三崎洋子さん」と言って、洋子の名前が容疑者に無いことを指摘する。すると高村さんは「君は彼女を疑っているの?」と問う。間髪入れずに「勿論。彼女も立派な容疑者です」とちゃん。

高村さんは「あのねぇ、この件で一番傷つくのは彼女なんだよ」と言って洋子を庇う。が、ちゃんは「一番得をするのもあの人じゃありませんか」と返し、対立する。高村さんは「でも彼女はその場にいなかったじゃないか」と反論する。ちゃんは「冷静に考えて下さい」と言って、説明を始める。青酸カリは即効性の毒物であり、その場にいる人間が真っ先に疑われる。もし彼らが犯人なら、自分たちがやったと言っているようなものである。逆に、アリバイのある洋子が何らかの方法で毒を入れたと考える方が自然だ、と言う。これに高村さんは「そんなバカな」と言ってホワイトボードを叩く。するとホワイトボードが回転して裏面が出てくる。そしてそこに張ってあった映画「0093女王陛下の草刈正雄」のポスターが出てきた。しかも「前売(デカ割引アリ 高村まで)」という張り紙もあり、高村さんは自らチケットを売っているようです。(→今回の物語の監督&脚本がこの映画の監督&脚本のコンビであるだけに、(本放送時は)公開間近ということで、しっかりとPRを忘れません。)

ちゃんは「私は可能性を考慮しているだけです」と言うが、高村さんは「何だよ、その捻くれた考え方は。女子高生なんだからもっとピュアなハートで物事を見て欲しいな」と返す。するとちゃんはテーブルを叩いて立ち上がると「高村さん、捜査に私情を挟むのは禁物ですよ」と言う。すかさず「挟んでない」「挟んでます」と対立する2人は睨み合いとなる。高村さんは「僕は彼女を知っている。人殺しなんて出来る人間じゃない。こればかりは君の見当違いだ」と言うがちゃんは「私が今まで間違ったことありますか」と返す。しばらくの沈黙の後、「いや、…、ない。君はいつだって間違ってない。でも冷たすぎる」と言った高村さんは、そのまま部屋から出て行ってしまった。

一人になったちゃんはポケットからそっと、用意していたプレゼントの箱を取り出すと、暫くそれを見つめると、思いっきり床に叩きつけた。(感情丸出しのちゃんというのも珍しいですね。)

ちゃんは一人で洋子の所に行き、再び話を聞こうとした。「いくつか確認したいことがあります」と言って質問を始める。「顧問弁護士から預かった遺言状の遂行です」と言って、預かった会長の遺言書の書類を取り出し、それをテーブルの上に置き、語り出す。「大吾さんは遺産の殆どを、慈善事業に寄付するよう、書き換えるつもりだったそうですね?」と尋ねる。洋子は「ええ、若い頃はお金と仕事のことしか頭になかったって、この年になって後悔したみたいです。それが何か?」と逆に問う。ちゃんは「それが事件の動機だと思います」と言う。洋子は「と、おっしゃいますと?」と更に問う。ちゃんは「犯人は遺言状を書き換えて欲しくなかった人物。つまり、遺産相続人の一人です」と考えを話す。更に「ちなみにあなたは、結婚前、三崎製薬の薬剤師だったそうですね?」と確認する。洋子は「ええ、そうですけど」と認める。ちゃんは「じゃあ、薬物の扱いにも慣れているでしょうね」と返す。これに洋子は「あら、私が犯人だとおっしゃるの?」と返す。間髪入れずに「そう思っています」と即答するちゃん。洋子は笑い出すと「素直なお嬢さんだこと。だけど残念ながら答えはノーです」と言って、右手で耳をかきながら言う。そして「私は主人を殺したりなんかしていません。だって私、あの場にいなかったんですよ。どうやって珈琲に毒を入れることが出来たんですか?」と逆に質問する。ちゃんは「まだ分かりません」と答えると、テーブルの上の遺言書の書類を回収し、「どうもお邪魔しました」と言い、立ち上がり帰って行こうとする。

これに洋子が「高村くんは何と言っているのかしら?」とちゃんを呼び止める様に言う。立ち止まったちゃんは洋子に背を向けたまま「あなたの無実を信じています」と答える。すると「だったらあなたもそうなさったら。目上の言うことは聴くものよ」とちゃんに忠告する洋子。しかしちゃんは洋子の方を振り返ると「時には年下の言うことにも耳を傾けるものです」と返す。すると洋子は「あなた、ひょっとして冷え性かしら?」と口にした。(夏の時期に「冷え性」ネタがしっかりと出てきました。)「はい?」とちゃんが反応すると「頑固な女は冷え性だって言うから...」と洋子。ちゃんは「私は普通です。あなたこそ冷え性じゃありませんか?」としっかりと返す。そして「じゃあ、失礼します」と言うと、帰って行く。で、部屋を出て廊下で一旦立ち止まると「寄せる、悪のさざ波」(ここでAパート終了。経過時間は14分を少し回った所でした。よってBパートは11分半弱です。)

警視庁に戻ったちゃん。既に夜になり、部屋の明かりも点けずにスタンドの明かりだけの薄暗い部屋にいるちゃんは、一人で机に向かって資料に目を通していた。そんなところに、ドアをノックする人影。それは柴田さんであり、ドアを開けると部屋の明かりを点け、ちゃんの側にやって来る。また、手にはコーヒーカップがあって、ちゃんの前に置く。ちゃんは直ぐに「ありがとうございます」と言う。柴田さんは「まだ終わらないんですか」と優しく尋ねる。ちゃんは「ええ。結局、青酸カリの容器は発見できなかったそうですね」と尋ねると、柴田さんは「はい。念のため、容疑者たちの身体検査を行いましたが、何も出ませんでした」と報告する。ちゃんは「変ですね。犯人はどうやって青酸カリを身につけていたんでしょう?」と謎が解けないでいた。これに柴田さんは「まあ、あんまり根詰めないでくださいね」と優しい言葉をかけた。

ちゃんは「ねえ、柴田さん?」と言って柴田さんの方を振り向く。すると柴田さんは逆立ちをしていた。が、ちゃんはそんなことは気にせず、「私って、冷たいですか?」と尋ねる。これに横方向に側転をするように回転して逆立ちを止めて直立した柴田さんは「えっ?」と声を出す。が、ちゃんは「いえ、何でもないです」と言って前言を取り消した。柴田さんは「冷めない内にどうぞ」と言って持ってきたコーヒーを勧めるが、そこで咳をしてしまう。ということで「すいません。私、ちょっと呑みますね」と言ってポケットから薬が入った袋を取り出すと、まずはカプセル薬を口に入れ、水を飲み、続いて粉薬を口に入れた。それを見ていたちゃんはコーヒーカップに視線を移すと「そうか、そういうことか」と閃いた。これに気づいた柴田さんは「どうしました?」と粉薬を口から噴きながら尋ねる。これにちゃんは表情を変えず、無表情で「謎は解けたよ、ワトソンくん

翌朝、三崎邸の前にいるちゃん。そこに高村さんがやってくると、敬礼しあう2人。ちゃんは「急に呼び出してすいません」と言うが、高村さんは何も言わずに家に入っていこうとする。ちゃんは「高村さん、私は冷たいかも知れません。でも、相棒です。最後までつき合ってください」と言う。これに小さく頷いた高村さんは「分かった」と言うと、玄関を開けて、先に中に入って行った。

洋子が「さあ、どうぞ」と言って二人を応接室のソファに案内する。ちゃんは「結構です。直ぐに済みますから」と言ってソファに腰を下ろさず、立ったままでいた。洋子はソファに腰を下ろすと「まだ何か聴きたいことがあるの?」と問う。ちゃんは「何度もすいません。でもこれで最後です」と答える。すると「あら、じゃあ事件は解決するのかしら?」と返す洋子。これにちゃんは「はい、あなたを逮捕します」と力強く言った。洋子はちゃんの後ろに立っている高村さんの方に視線を移すと「どういうこと?高村くん」と尋ねた。高村さんは「彼女には言い分があるらしい。すまないが聴いてやってくれないか。間違っていたら僕も否定する」と言う。洋子は溜息をつき、ソファに背を預けると「そういうことなら、どうぞ」と言ってちゃんの話を聞くことにした。

ちゃんは推理を語り始める。「きっかけは大吾さんの遺言状です。もし内容が変更されれば、本来あなたが相続するべき財産は大幅に減ってしまう。だから大吾さん殺害を企てた。あなたなら、会社からこっそり、青酸カリを手に入れることが出来ます。そして大吾さんに毒を飲ませた。昼食会の席を狙ったのは招待客に容疑がかかるようにするためですね」と一気に語った。海ちゃんの話を黙って聞いていた洋子は呆れ顔で「言ったはずですよ」と言うと右手で耳を触り「私は主人を殺してなんかいません。全てはあなたの推測でしょう。証拠は?私が主人に毒入の珈琲を飲ませたという証拠は何処にあるんです?」と逆に問い糾した。これに「ありません」と答えるちゃん。すると「だったらこの話はおしまいね」と洋子は話を終わらせようとして「そうでしょう、高村くん」と高村さんに同意を求めようとする。が、高村さんは何も言わなかった。洋子は立ち上がると「せっかくだから、お茶でもお出しするわ」と言ってキッチンに向かっていく。

すると、三味線の音が届いてくる。洋子は立ち止まって振り返り、周囲に目を移す。岩に波が砕け散って白波が飛ぶ。闇に包まれた洋子は「何なの、これ?」と戸惑う。「大波小波かき分けて。…」ちゃんの口上が始まり、「私の碇で沈みなさい!」から「神奈川沖浪裏」の大波がうねると、赤い碇のストラップが飛ぶ。碇が床に突き刺さると、鎖が洋子を拘束していた。ちゃんが鎖を引くと、洋子は大回転からその場に倒れ込むも、ちゃんを見上げると「何するんですか?」と問う。洋子の前に立ち塞がったちゃんは「毒入の珈琲を飲ませた証拠はありません。だって被害者が飲んだ珈琲に毒は入っていなかったんですから」と告げた。

これに「何ですって?」と驚く洋子。高村さんも「ちょっと待ってくれ。実際に珈琲のカップから毒が見つかっているじゃないの...」と問う。これにちゃんは「思い出してください。珈琲のカップは何処にありましたか?」と言って、説明に入る。「青酸カリは即効性です。もし珈琲に毒があったら、カップがその場で手元から落ちたはずです。でも、カップはきちんとテーブルに置かれていた。つまり、大吾さんは珈琲を飲んだせいで死んだんじゃありません。」すると洋子が「それじゃあ、どうやって毒を飲ませたと言うんです?」とちゃんに寄ってきて問う。ちゃんは袋に入った薬の瓶を見せて「これです」と言い、説明をする。食事が済んだ後に洋子は大吾に青酸カリ入りのカプセルを渡した。薬剤師だった洋子なら、胃の中でカプセルが溶ける頃を見計らって珈琲を出すことが出来る。そして自分はその場から離れて、大吾が倒れてから毒を入れた。すると洋子は「お得意の推測ですか。じゃあ証拠は?私が犯人だという証拠は何処にあるの?」と問う。直ぐに「あります」と答えるちゃん。が、洋子は「何処に?私は皆さんたちと一緒に身体検査まで受けたのよ。でも何も出なかったじゃない」とすかさず反論する。ちゃんは「あなたはとても頭のいい人です。決め手となる証拠を隠すために最も安全な場所を見つけた」と言う。洋子は「最も安全な場所?何のお話かしら?」と惚ける。ちゃんは高村さんの方に視線を移すが「それは...」と言い出しにくそうな表情をする。すると高村さんは内ポケットから洋子から受け取ったメモ紙を取り出して「これのこと?」と言う。それを目にした洋子の表情が変わった。ちゃんは「あなたが高村さんに渡したものですね」と確認すると「検査をすれば青酸カリを包んでいた紙だと証明できます」と言う。そして最後に「何かご質問は?」と尋ねた。洋子は観念したようで、呆然となって「無いわ」と力なく言って犯行を認めた。

洋子は高村さんの方に視線を移すと、ゆっくりと高村さんの前に移動する。そして「高村くん、ゴメンね」と謝った。高村さんは「何故だい?何故君が?」と犯行理由を尋ねた。これに洋子は「私、今までずっと主人に従って生きてきたの。これが最初で最後の私のわがまま」と口にする。高村さんはじっと洋子を見つめる。すると「そんな目で見ないで。人は変わるのよ。いつまでも昔のままじゃないわ」と苦しい胸の内を口にした。しかし高村さんは「いや、ちっとも変わらないよ。君は嘘をつくと耳を触るがあるんだよ」と言って、高村さんも洋子が犯人だと分かっていた。洋子は「高村くんも本当に変わらないわね。私、あなたに会えることが分かってたら、こんなこととしなかったのに...」と後悔の言葉を口にした。高村さんは手錠を取り出すと洋子に手錠を掛けて逮捕し、背中を押しながら連行していった。ちゃんは二人の会話にずっと背を向けて黙って聴いていたが、目の前を通っていく高村さんに「高村さん」と声を掛ける。高村さんは一旦立ち止まったものの、何も言わず、また振り返ることもせず、洋子を連行していった。

警視庁。廊下から外を見ているちゃんの手には、緑のリボンの付いたプレゼントの小箱がある。そこに柴田さんがやってくると「ちゃん、見送り、行かないんですか?」と尋ねる。「私はいいです」と答えるちゃんに「どうして?」と柴田さん。「会わせる顔がありません」と答えるちゃんは辛そうな表情をした。柴田さんはそれ以上は何も言わず、敬礼をするのだった。

その日の夕方、飛行機が見える海岸の公園にいるちゃん。飛行機が飛んでいくのを見上げているちゃんはもの思いにふけっていた。そこに「どうしたんだい?ジャパニーズ・ガール」という高村さんの声がした。ちゃんは怪訝そうな表情で振り返る。すると笑顔の高村さんがいた。そしてちゃんの側にやってくる高村さん。ちゃんは何も言わなかったが、荷物の鞄を地面に置いた高村さんは「思い出すねぇ。君と初めて会ったのも海だった」と思い出すように語る。(確かに、1話で最初の対面は、ボートで漂流中の高村さんの前に、海の中からちゃんが現れたのでした。)ちゃんは「高村さん、何で?」と訳が分からない様子だった。高村さんは照れ笑いをしながら「僕としたことが、飛行機、乗り遅れちゃってさぁ。それに、大事な相棒に挨拶するのを忘れていた」と語る。するとちゃんは「ごめんなさい、私...」と言葉に詰まってしまうちゃん。高村さんはちゃんの肩にそっと手を置くと「君はいつだって間違ってない」と言う。それ以上の言葉は二人には不要であり、お互いに言いたいことを理解した。高村さんは「また一緒に組みたいね」と言うと敬礼をする。するとちゃんも「はい、こちらこそ」と言うと敬礼を返した。

ちゃんは「それから...これ」と言ってポケットからプレゼントの小箱を取り出し、高村さんに渡した。高村さんは「プレゼント?」と言うと、頷くちゃん。「開けていい?」と高村さんが尋ねると、「どうぞ」とちゃん。で、高村さんは緑のリボンを解いて箱を開ける。ちゃんは笑顔を浮かべてそれを見ていた。で、高村さんは箱に入っていたステンドグラス調のイルカのストラップを手にする。「お守りです。イギリスに行っても頑張ってくださいね」とちゃん。高村さんは「サンキュー、大切にするよ」と感激していた。

高村さんは腕時計を見ると「さてと、次の便まで時間があるんだ。ご飯でも一緒に行こう」と誘った。これに笑顔で頷きながら「喜んで」と答えるちゃん。で駆け出していく。高村さんは「そうこなくっちゃ」と言うと、鞄を手にしてちゃんの後を追った。ちゃんは立ち止まって後ろにいる高村さんの方を振り向くと「勿論奢りですよね」と抜け目はなかった。高村さんも予想していたように「やっぱりそうきたか」と言っていた。最後は夕日で赤く染まる海をバックにちゃんの笑顔でした。

次回からは「2nd.シリーズ」に突入です。ちゃんの相棒は「・2nd.」以来となる五代さんが復帰します。(分家・銭形とは初の顔合わせとなる五代さんです。)また、ちゃんの制服も冬服になり、髪型もポニーテールに変わります。五代さんとの出会いとなる14話(2nd.1話)の物語は「スニーカー、復活! ~エリーゼのためにならない殺人事件」という物語です。注目は、五代さんとちゃんの出会いがどういうものになるのか、とう所です。が、「1話」ということなので、もはやお約束のクイーン・宝積さんも注目です。(「・2nd.2話」以来の殺されるクイーンとして登場するが、冒頭でいきなりクイーンの世界が炸裂します。)また、ゲストは「・13話」(伝説の「ワンシーン・ノーカット」の物語です)以来の「ケータイ刑事」出演となる有坂来瞳さん。色々と見所のある物語です。

尚、次回予告にあるバンドは、2nd.そして3rd.でのOP主題歌の所で使われる映像の一部でもあります。(制服が冬服になるので、OP主題歌の所が全て変わります。)

鑑識メモ。イルカのプン太をナデナデしている柴田さん。「柴田です」と言うと「鯆」(いるか)と書かれたフリップを見せる。そして「イルカ。知性の高い鯆はちゃんにちょっと似てますね」と言うと、フリップを伏せた。その時、柴田さんの携帯が鳴り、「おっ、電話です」と口にして、携帯を手にすると「おっ、高村さんだ」と言ってから電話に出る。「はい、もしもし...」と話し出す柴田さん。「ちゃんに、イルカのストラップありがとうと伝えてくれ」と伝言を頼まれる。これに「分かりました」と嫌そうに言うと電話を切る。すると「高村さんにだけイルカのストラップあげて、どうして僕にはくれないんだ!」と怒る柴田さん。が「と言いながら、実はイルカのストラップ、買っちゃいました」と言ってそれを見せる柴田さん。そして「さようなら、はなかみまさおさ~ん」と言って手を振っていた。

BS-iの本放送では、この後に「着ボイスDL」のお知らせがあったが、先日のBS-iの再放送と同様に、MBSの放送ではこの部分はカットでありません。(一応、夏服ちゃんとしたら最後で、次回からはこの部分も冬服になりました。)また、途中に入った「ちゃんCM」は「公園のベンチ編」が前回に続いて流れたが、先日のBS-iの再放送と同様に、MBSの放送ではこれもありません。でも、MBSの放送では、docomoの他のCMが途中に流れているのだから、時期遅れとはなるものの、ちゃんCMを流しても良いと思うんですけどねぇ... 尚、「ちゃんCM」は2nd.シリーズでは無くなることになるのだが、MBSの放送では相変わらず関係ありません。

別れの物語の事件としたら、爆弾事件ということが多い中、「シリアス路線」と標榜しただけのことはあって、なかなかいい感じの物語に纏まっていました。特に、ちゃんが感情むき出しになって、激しい所を見せている、というように、人の心を美味く描いた人間ドラマであって、「シリアス路線」に恥じない内容がありました。(ただ、分かれの事件にしたら、ちょっとスケールが小さかったですけど...)

高村さんの出向先はやっぱり海外でした。ロスからシベリア、パリ、ロス、そしてイギリスということで、本当にワールドワイドな高村さんです、7代目の時に戻って来たら、その時はフィンランドのムーミン谷署への出向もあるかもしれませんね。

ちゃんと高村さんの別れの物語「・2nd.22話」では、ちゃんは高村さんが海外に出向すると言うことを全く知らなかったが、それ以降のちゃん、ちゃん、ちゃんと高村さんとの別れは、おじいちゃまから事前に知らされていたということになるが、おじいちゃまもちゃんの時の反省があるんでしょうね。

ということで、これまでの別れの物語のポイントはしっかりと押さえつつ、今までにない別れの物語を見せてくれました。高村さんには、7代目、8代目、…、で日本に戻ってきて(どういう形で戻って来るのかも大いに注目です)、ちゃんの妹とコンビを組んでくれるでしょうね。高村さん、お待ちしています。

 

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次週からの物語はこちらになります。↓

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↓やっぱりこれを

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↓従姉妹の「嘘泣き」はこちら

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ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 3

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↓やっぱり愛お姉ちゃまとこれを。

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↓こういうものを...

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かぜ治療・良い薬・危ない薬・おまじない (Yell books)

  • 作者: 松下 一成
  • 出版社/メーカー: エール出版社
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 

↓参考まで(ならないでしょうが...)

スコットランド・ヤード物語

スコットランド・ヤード物語

  • 作者: 内藤 弘
  • 出版社/メーカー: 晶文社
  • 発売日: 1996/01
  • メディア: 単行本

スコットランドヤード・ゲーム

スコットランドヤード・ゲーム

  • 作者: 野島 伸司
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 単行本

ロンドン悪の系譜―スコットランド・ヤード

  • 作者: 益子 政史
  • 出版社/メーカー: 北星堂書店
  • 発売日: 1988/10
  • メディア: 単行本


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