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ケータイ刑事銭形海17話(2nd.4話)[改訂版] [ケータイ刑事]

MBSの放送に合わせて記している「銭形海[改訂版]」。今回の物語は「明日のスターを目指せ! ~芸能プロダクション社長殺人事件」という物語です。ちゃんのアイドル風の歌(これは「文化祭」に繋がります。)というお楽しみと、ゲストの三輪ひとみさんの怪演ぶりとが楽しい物語でした。でも、本家のちゃんやちゃんだったら、スカウトされたら喜んでOKしそうだが、分家のちゃんやちゃんは芸能人になることには興味が全くないというのも面白い所です。

が、この物語は「・2nd.」でやたらと出てきた「左利き」ということがまたも出てきたということで、同じネタがこうも続いて出てくるということになり、それぞれの物語は良いのだが、シリーズの全体構成を考えると、練り直しが必要な所でした。(「文化祭」の準備で、捜査会議が疎かになっていたのが原因でしょうね。)

それでは、今更ながらのネタバレ有りの長文の本編に行きます。(尚、本放送後に記したものは「ここをクリック」して下さい。)

OP主題歌『海のうた』を口ずさみながら、町中を自転車を押しながら歩いているちゃん。そこに「ねえ、君」と言って一人の男が背後から近づいてきて声を掛ける。「青葉台学園?」と問うと「はい」と答えるちゃん。男は「大人っぽ~い。3年生だ?」と尋ねる。これに「いえ」とちゃん。すると「意外と1年生」と男。またも「いえ」とちゃん。男は「じゃあ当てちゃうよ。2年生だ。ほら、大当たり」と言うが「そりゃあ当たるでしょう」とちゃんは言うと、足早に去っていこうとする。(→3学年しかないのだから、3回言えば当たりますよね。)すると男は「ところで君。女優になってみない?」と告。これにちゃんは立ち止まって振り返り、怪訝そうな表情で「はっ?」

男は「失礼、失礼」と言ってちゃんの側にやってくると「僕、こういう者です」と言って名刺を(左手で)手渡した。名刺には、芸能プロダクション・ハニー・バニーのマネージャー・鮫島哲也(さめじま・てつや)と記されていた。(尚、所在地は港区赤坂2丁目2番アンドリウビル4Fとあるが、名刺のくせに電話番号が書いてありませんが...)ちゃんはそれを受け取ると「芸能プロダクション・ハニー・バニー?私、こういうのはちょっと...」と言って名刺を返そうするが、鮫島は「僕の目に狂いはない。君こそ光、原石だ」と言ってスカウトしようとする。で、「さあ、ご一緒に。あの青空に輝く星を、手に入れようじゃないか!」と言って青空に手を伸ばして飛び上がって、星を掴もうとする。これにちゃんは「まだ昼間ですけど...」と突っ込んでいた。(冗談が通じないちゃんだが、ここは「星」と「スター」を掛けているのは言うまでも無い。)

そこに「ちょっと待った!」と五代さんの声がした。2人は振り返り、ちゃんは援軍が来たと思って笑顔になって「五代さん」と口にする。五代さんはゆっくりと歩み寄ってと「俺はこいつの保護者みたいなもんでね」と鮫島に言う。鮫島は「はあ、はいはい」と頭を軽く下げる。が、五代さんはサングラスを外して「こいつ、見込みありますか?いや、銭形海に目を付けるなんて、流石、お目が高い。なんつって」とギャグを言って笑い出した。(「ぜにがたかい」と「おめがたかい」と掛けているのが五代さんのギャグ・レベルです。)これにちゃんは「って、違~う!!」

警視庁に戻ったちゃんと五代さん。ちゃんは「もう~、冗談じゃありませんよ」とスカウトのことは全く意に介さないが、五代さんは「いや、冗談じゃない、本気で考えてみないか」と腕組みをしながら力んで言う。「何をですか?」とちゃんが尋ねると「決まってるだろう!芸能界デヴュー!」と言って指を鳴らす五代さん。で、ちゃんの歌・『恋の全国指名手配』のコーナーへ。(結局、これって五代さんの妄想でした。)2人の婦人警官(文化祭にも出ていた2人ですね。)を従えた赤い制服を着たちゃんの歌と踊のPVということになる。更に、歌の途中には林さんのナレーションで「銭形海、17歳。警視総監を祖父に持ち、現役女子高生アイドルにして刑事。事件が起きれば収録中でも現場に走り、ファンに笑顔を振りまきながら謎を解く。彼女がアイドルであることは誰もが知っているが、刑事であることは誰も知らない。」と入る。

五代さんは「「チュウ。投げキッス。いけるって」とカメラ目線で言うと、ちゃんに「いけるって」と言ってアイドル・デビューを勧めるが、ちゃんは「そじゃあ体がいくつあっても足りませんよ」と困惑した表情で答える。するとそこに「警視庁から入電中」と、事件を知らせる入電が入った。ちゃんは携帯を広げる。港区赤坂で殺人事件発生。被害者は芸能プロダクション社長・鈴木浩介之助(すずき・こうすけのすけ→鈴木浩介監督の名前をいじっています。)。直ちに現場に急行せよ。これを聴いたちゃんは「これって...」と言うと、先ほど鮫島からもらった名刺を取り出して「この会社ですよ」と口にする。五代さんは「何てこったい。肩凝った。これからって時によ...」と落胆していた。

現場に到着したちゃんと五代さんはエレベータを下りて事務所に入っていく。事務所では鮫島と所属女優の木下めばるが何やら話をしていた。また、事務所の窓には「恋する日曜日」や「ニュータイプ」「文學の唄」「怪談新耳袋」などのポスターが貼られている。鮫島がちゃんに気づくと、立ち上がって「君か。来てくれると信じてたよ」とスカウトに応じて来てくれたものと思って感激する。これにちゃんは「いえ、私は...」と言うが、それを遮るように五代さんが「こいつと話す時はマネージャーの俺を通してくれないか」と口を出す。すかさず「誰がマネージャーですか」とお怒りモードのちゃん。すると、めばるが立ち上がってちゃんを見て「誰?この子。新人さん?」と問う。これに鮫島が「いや、実はこの子は...」と説明しようとするが、そこに「おいやっ!お疲れ様です」と逆立ちをする柴田さんの掛け声が遮り、立ち上がった柴田さんがちゃんに敬礼をする。「被害者は?」と問う海ちゃんに「現場は奥の社長室です」と答える柴田さん。で、ちゃんたちは社長室へ向かう。この時五代さんは鮫島に「マネージャー通してよ」と念を押していた。で、鮫島とめばるはちゃんが刑事だと知った。

社長室。社長がデスクの椅子に座ってデスクに倒れるように死んでいた。柴田さんが「死因は後頭部殴打による脳挫傷。凶器はここにあるトロフィーです」と説明して、床に転がっている血の付いたトロフィーを示す。(アカデミー賞のオスカー像をちょっといじったデザインです。)ちゃんは「この部屋のものですか?」と尋ねると、柴田さんが「いつもはここに置かれていたそうです」と言って窓際を指し示す。五代さんは「後頭部を一撃か。被害者は犯人に気づかなかったのかなぁ?」と漏らすと、ちゃんが「若しくは顔見知りで、気を許していたのかも知れません」と言う。五代さんは「この業界は敵が多そうだからな。犯人を特定するのは大変だな」と口にする。すると柴田さんが「実は、被害者の傍らに、犯人と思われる人物が気を失って倒れていました。現在、医師の診察を受け、別室で横になっております」と告げた。で、ちゃんたちは別室へと向かった。

別室。入口には「恋した月曜日」のポスター(ショートヘアーの三輪ひとみ)が貼ってある。(当然「恋する日曜日」のパロディというのは言うまでも無い。)医師がちゃんたちと入れ替わるように出ていき、ちゃんたちは部屋に入る。部屋のソファには一人の女性が横になっていた。それを見た五代さんは「富永アユ子じゃない」と口にする。「知っているんですか?」とちゃんが尋ねると「ドラマや映画で独特の存在感のあるバイプレイヤーだ」と説明する五代さん。(→ちゃんは芸能人についての知識は無いんですね。これがちゃんやちゃんだったら絶対に知っていて、色々とうんちくを語ってくれそうですし、柴田太郎さんだったら既に追っかけをしているかもしれません...)で「彼女が犯人?」と驚く五代さん。ちゃんは冷静で「とりあえず、この人が目を覚ますまで、他の関係者に事情を聴きましょう」と指示を出す。

事務所で鮫島に事情を聴くちゃんと五代さん。(窓には「恋日・1st.」のポスターもある。)鮫島が「改めまして、鮫島です」と挨拶をする。ちゃんが「あなたが遺体を発見して通報したそうですね」と言うと「はい、私がここに来たのは10時半頃で...」と言って時計を見る鮫島。(時計は11:00を回ったところだった。)「社長が出社してきたのが11時頃でした」と語り出して、状況説明をする。その時社長は、11:30にアユ子とめばるが来るので、来たら社長室へ、と指示を受けた。それからまもなく(11:15頃)アユ子がやって来た。暫くして社長室から変な物音が聞こえてきた。「物音ですか?」とちゃんが尋ねると「何だか、人が倒れるような感じでしたねぇ。それで声を掛けたんですが、返事がなかったので...」と答える。その時、鮫島は社長室に入ったが、社長が死んでいて、アユ子が側に倒れているのを発見した。で、警察に通報した、ということだった。海ちゃんは「この部屋は他に誰もいませんでしたか?」と問うと「誰も見てません」と鮫島。「社長とアユ子さん以外、この部屋を出入りした人は?」ちゃんが尋ねると「いませんね。いたら絶対気がつきますもん」と答える。これに「そうですか」...」とちゃんが漏らす。すると鮫島は「その今の表情、すごく良い」と言う。これにちゃんは怪訝そうな表情で首を少し傾けて「はい?」すると鮫島は「君、やっぱり刑事辞めて女優に...」とスカウトしようとするが、間髪入れずに「なりません」と一蹴するちゃんだった。

続いてめばるの事情聴取。「あなたがここに着いたのは?」と尋ねる。これに「11時半頃だったかなぁで、慌てて社長室から出てくる鮫島と出くわした。で、社長室の様子を覗いたということだった。また、と答える。めばるは社長室から飛び出してくる鮫島と出くわし、事情を尋ねたが、慌てていた鮫島は社長が死んでいることが伝えられなかった。で、社長室を覗いためばるは社長の死体を見たのだった。「今日は社長に呼び出されたそうですね。どんな要件だったんですか?」とちゃんが尋ねるが「さあ、分かんない。ただ、「大事な話がある」からとしか聞いてないけど」と答えた。暫く間があり、めばるは「ねぇ、本当にアユ子さんが殺したの?」とちゃんに尋ねた。ちゃんは「あなたはどう思います?」とそのまま返した。めばるは少し考えると「でも、ちょっとしたことでカッとなるタイプだから、あり得なくないかも...」と答えた。

再び社長室。捜査をしているちゃんと五代さん。「窓には内側から鍵がかかっていた。ドアの外には鮫島がいた。つまりここは密室だったって訳だよ」る五代さんが言うと「ですね」とちゃん。そんな五代さんは窓際にある百合の花の花瓶を「臭っせえ」と嫌がり「もう決まりだって。犯人は富永アユ子で間違いないよ」と決めつける五代さん。(ブタクサの花粉症(「・2話」&「・1st.11話」)の五代さんですけど...)が、ちゃんは「でも、どうして彼女は気絶したんでしょう?」と疑問を口にする。五代さんは「殺してみたものの、死体見て怖くなって気絶したんじゃないの」と軽く返す五代さん。ちゃんはこれを相手にすることなく、窓際の百合の花の花瓶の側に移動する。それを見て五代さんは「ああ、お前、よく平気だね、その側にいて、臭くないの?ダメよ俺、その臭い、鼻について...」と言う。するとちゃんは「そう言えばこの事務所、どの部屋にも百合の花が飾られてますね」と言う。が、五代さんは「社長の趣味かねぇ、悪い趣味だね」と切り捨てた。そんな所に柴田さんが駆け込んで来ると、敬礼をしてから報告する。「富永アユ子の意識が回復しました」で、ちゃんたちは別室のアユ子の所に行って事情を聴くことにした。

別室。アユ子に話を聞くちゃんと五代さん。「違います。私じゃありません」と犯行を否定するアユ子。が、五代さんは「あなたね、凶器からあなたの指紋が出たんですよむと告る。しかしアユ子は「誰かが、誰かが私に罪をなすり付けようとしているんです」と言う。五代さんは「あの部屋にはいいですか、あなた以外出入りできなかったんだから」と言うが「誰かに襲われたんです。私は被害者なんですよ」とアユ子は主張する。で、「詳しく話して貰えますか」とちゃんは詳しく話を聞くことにした。

アユ子は語る。ここに来たのは11時過ぎで、鮫島に挨拶して社長室に入った。が、その時社長は既にデスクに倒れかかっていた。眠っていると思ったアユ子。その時、誰かに背後から襲われて気絶したということで「後のことは何も覚えていません」と言う。「その人の顔は見ました?」とちゃんが問うが「何しろ突然で...」と言葉を濁すアユ子。「男だったとか、女だったとか」と五代さんが問うが、「分かりません。でも...」とアユ子。ちゃんが「でも?」と返すが、アユ子は「いえ、何でもありません」と口を閉ざした。

再び社長室。ちゃんは「もし、アユ子さんの話が正しければ、この部屋にはこの部屋にはもう一人、誰かいたことになります」と言う。五代さんは「そいつが犯人と言うことになるなぁ」と言う。「その人物はどうやってこの部屋を出入りしたんでしょう?」と考えるようとするちゃん。これに五代さんは「何だお前。そげなことも分からねえのか?」と訛って言う。これに「えっ?分かったんですか?」と返すちゃん。「当たり前だべ。そげな謎が解けねえで、芸能マネージャー、出来ねぇべ」と五代さん。すかさず「関係ないし、そもそもマネージャーじゃないし、訛ってるし」と突っ込んだちゃんだった。(五代さんの訛りで思い出すのは「・1st.11話」ですね。この時、ちゃんも五代さんに合わせるように訛って返していましたね。)で、五代さんは「いいか、犯人は鮫島だよ」と断言する。「どうしてですか?」とちゃんが尋ねると、自信満々の五代さんは「あいつが社長を殺して、富永アユ子も気絶させたんだ。そして彼女に罪を着せるために嘘をついた」と推理を語る。そして「どうだ、これで筋が通るだろう」とちゃんに言うと「ようし、鮫島をこれからしょっぴくべ~」と言って手錠を手にして鮫島を逮捕しに行こうとする。が、ちゃんは「待って下さい」と待ったを掛ける。「鮫島さんは犯人じゃないと思います」と言う。「何で?」と尋ねると、ちゃんは携帯を取りだして「これを見て下さい」と言って、社長の遺体の写真を出して説明する。「遺体の傷の位置は向かって右側。つまり犯人は右利きです。でも鮫島さんは左利きでした」と言う。(町中で声を掛けられた時、名刺を左手に持っていたことから見抜いた。)これに五代さんは「なるほど」と納得し「ということは?」とちゃんに尋ねた。が、そこに「報告します」と言って柴田さんがやってきた。

柴田さんはちゃんと五代さんの側にやってくると「女子トイレからこんな物が発見されました」と言って、発見されたハンカチと手袋と薬が入った小瓶を示す。「何だこれは?」と薬の小瓶を指して五代さんが尋ねると「亜硝酸エステルですね」と柴田さん。で、これを吸引すると血管拡張の作用があるため、以前は狭心症の治療に使われていたが、最近は脱法ドラッグとして出回っているようですね、と説明してくれる。(少し補足すると、硝酸とアルコールから出来るエステルである。ニトログリセリンもこの一種である。)更にちゃんが「使用量によっては酩酊状態、場合によっては昏睡や死に至る危険があります」と補足する。で、五代さんは「つまり犯人は、これを富永アユ子に嗅がせたという訳か」と口にした。

ちゃんと五代さんは別室にめばるを呼び、女子トイレで発見されたものを見せて「このハンカチに見覚えは?」と問う。めばるは「これ、私の...」と口にすると、五代さんは指を鳴らし「認めるんだな」と言う。これにめばるは「でもでも、前に無くしたんです。本当ですよ」と言う。五代さんは再び指を鳴らすと「あなた、富永アユ子さんと相性が悪かったそうじゃないの」と言って追求するが、めばるは「それは、アユ子さんがいけないんですよ。髪型やメイクや言葉遣い、いちいち難癖付けて...いくら先輩だからって、限度があります」と不満を言うる五代さんは右手でソファーを叩いて「だからって、社長を殺してその罪を彼女に着せようとして良いのかよ」と言う。めばるは「そんなことしないってば」と犯行を否定する。

そこにドアが開いてアユ子が入って来た。「やっぱりあんただったのね」と言ってめばるに詰め寄るアユ子。五代さんは「ちょっとちょっとだめだよ。今、事情聴取中なんだから」と言うがアユ子は凄い剣幕でめばるのそばにやってきて睨みつけると「前から何か企んでいると思っていたけど、そうまでして私を蹴落としたいの?」と迫る。めばるは立ち上がると「何の話ですか?私じゃありません」と犯行を否定する。するとアユ子は「刑事さん。さっきは黙っていたんですけど。私を気絶させたのは女だった気がするんです」と言う。そしてめばるを睨みつけると挑発するように「本当に怖い女よね。見事な女優だこと」と言う。が、これにめばるが切れて「いい加減にして。私が犯人なら、罪を着せるなんて面倒なことしない。直接あんたを殺してやるわ」と口にした。これに指を鳴らした五代さん。「あんたには、改めて話を聞かなくなっちまった」と、めばるを追求しようとする。アユ子はその様子にちょっと笑みを見せていたが、ちゃんはそんなアユ子の笑みを見逃さなかった。で、熟考に入り「寄せる、悪のさざ波」(ここでAパート終了、経過時間は16分半を過ぎた所で、Bパートのドラマ部分は8分半弱ということになります。)

社長室。五代さんが「いや~あ、女って怖いよね。お前もさあ、エリーゼの健気さ、純粋さ見習った方がいいぞ」とぼやくが、ちゃんは「何で私に言うかなぁ~」と、ちゃんはちゃんでぼやいていた。五代さんは「でもこれではっきりしたな。木下めばるは右利きだし、動機もある。あとはこの密室の謎を解くだけだな」と言う五代さん。ちゃんは「めばるさんが犯人だと仮定して...この部屋を出入り出来る方法はありますよ」と言う。「本当か」と五代さんが言うと、頷いてから推理を語り始めるちゃん。(ちゃんと五代さんはソファに座ったままで、その背後でちゃんの推理劇が行われるという演出が面白い。)

まず、めばるが鮫島より早く事務所に来て、社長室に隠れる。社長がやって来てデスクに座ると物陰から出てきてトロフィで社長を殴って殺害し、アユ子を待ち伏せる。アユ子がやってくると背後から薬を嗅がせて気絶させ、凶器に指紋を付けると、鮫島が気づくように適当な物音を立てる。で、鮫島がやってきた隙に社長室から抜け出て、後はめばるの証言通り、たった今着いたふりをすればいい、と説明するちゃん。これに五代さんは指を鳴らすと「ビンゴ!これで密室の謎は解けたな」と言うと、手錠を手にして「木下めばる、しょっ引くぞ」と言う。が、ちゃんは「待って下さい。もう一つ可能性があります」と制する。そして「私たちにそう思わせるのが犯人の狙いだとしたら...」と言う。五代さんは「ちょっとちょっと、どういうことよ???」と訳が分からない。ちゃんは「つまり、実際に社長を殺害したのはアユ子さんで、その罪をめばるさんに着せようとした」と言う。が、五代さんは「それは無理だな。だって、気絶した彼女を医者が診察したんだぞ。どんな女優だって医者を誤魔化したり出来ないよ」と言う。が、ちゃんは「彼女自身が亜硝酸エステルを使ったのかも」と言う。これに五代さんは「だったら、この場所にその容器が残るでしょう。気絶した人間がどうやって証拠を隠したりできるんだ?」と言って、その考えを否定する。ちゃんも「そう、そこが問題なんですよね」と言って、そこから先が解けなかった。で立ち上がって窓際に移動するちゃんは、百合の花の花瓶を見る。で、何か気づいたようで笑顔になると「ああ、そうか。そういうことか」と言う。五代さんがちゃんの背後にやってくると「どういうこと?」と尋ねる。で、ちゃんは「謎は解けたよ、ワトソンくん

事務所では、鮫島、アユ子、めばるが座っていた。そこにちゃんと五代さんがやってくると3人は立ち上がり、アユ子は「ねえ、刑事さん。私たち、まだ帰れないのかしら。こんな女と一緒にいたくないんだけど...」と言う。これにちゃんは「一つ確認したいことがあります」と言って質問をする。「ここには百合の花がたくさんありますけど、社長さんの趣味ですか?」と問う。これに鮫島が「いや、あれはアユ子さんが...」と言うと、アユ子は「昨日たくさん買ったから、事務所に持ってきただけよ」と答える。すると「やっぱり、そうだと思いました」とちゃん。アユ子は「何よそれ。それが何か事件と関係あるの?」と問う。これに「あるんです」とちゃん、そして「社長さんを殺害したのはあなたですね」と言って左手でアユ子を指差した。すかさず「何ですって」とアユ子。

ちゃんは説明する。「百合の花は強い香りを発します。あなたはその香りを利用して、あるものを隠した」が、アユ子は「何を言ってるの、馬鹿馬鹿しい。帰らせてもらいます」と言ってその場から立ち去ろうとする。アユ子が事務所を出ようとした時、三味線の音が響いてくる。足を止めたアユ子は振り返り「何?」とキョロキョロする。波が岩場に激しく当って白波が立つ。「大波小波かき分けて。…」ちゃんの口上が始まり、「私の碇で沈みなさい!」から碇のストラップが宙を舞う。「神奈川沖浪裏」の大浪がうねると、赤い碇が飛んでいき、床に突き刺さると、碇に繋がった鎖はアユ子を捕らえていた。ちゃんが鎖を引くと、大回転してその場に倒れるアユ子。そして胸に付けていた花のブローチが床に落ちた。アユ子はちゃんを睨みながら「何をするのよ」と言いながら立ち上がる。

ちゃんは床に落ちた花のブローチをハンカチで挟んで拾い上げると「素敵なブローチですね」と言う。五代さんが「中が空洞になっている。ここに薬品を入れていたのか」と言う。ちゃんは臭いを嗅いでから「亜硝酸エステルは芳香剤のような独特の香りがします。あなたはその臭いを誤魔化すために、昨日の内に部屋中に百合の花を飾った」と説明する。五代さんが「証拠を身につけていたとは、盲点だったな」と言うと「隙を見て処分するつもりだったんでしょう。下手に隠すより効率的です」とちゃん。五代さんは「大した度胸だ」と口にすると「この人の名演技はそれだけじゃありません」と言って説明を続けるちゃん。

アユ子は今朝、まず女子トイレに立ち寄った。そこでブローチに亜硝酸エステルを仕込み、以前めばるから盗み出していたハンカチと一緒に瓶と手袋を隠した。それから何食わぬ顔で社長室に顔を出した。で、社長を殺害し、自ら亜硝酸エステルを使って気を失い、罪を全てめばるに着せようとした。その後、めばるを怒らせるためにわざと挑発的な態度を取った。めばるは策にはまり、見事に(「直接あんたを殺してやるわ」と)口を滑らせた。「あの口論も計算ずくだったのか...」と五代さんが言うと、ちゃんは「始めは自分が疑われるように仕向けながら、一転して悲劇のヒロインに成り代わる。女優さんらしい手口ですね」と言う。するとアユ子は「警察がバカで、めばるを疑わなかったらどうしようかと思ったけど、案外利口だったわね」と口にして犯行を認めた。五代さんが「何故、社長の鈴木さんを殺した?」と動機を尋ねる。これに「あいつが悪いのよ。私を差し置いて、めばるを大々的に売り出そうとするから。この事務所は一体誰のお陰で持っていると思う?」と動機を話したアユ子。「だからって彼女に罪を着せようとしたのか」と言う五代さん。するとアユ子は何者かに取り憑かれたように表情になって「覚えておきなさい。出る杭は打たれるの。二度とはい上がれないぐらいにね。芸能界はそういう世界よ」とめばるに向かって言ったアユ子。(ここは「ホラーの女王」と言われた三輪ひとみさんの本領発揮でした。)で、五代さんがアユ子に手錠を掛けて逮捕した。

事件解決後、自転車を押して歩いているちゃんに「おい、銭形!ちょっと待てよ」と後から追いかけてきた五代さんが声を掛ける。「何してたんですか、五代さん?」と尋ねるちゃんに「いい話があるんだよ、お嬢さん」と言う。「何です?」と面倒くさそうに返すちゃんに、五代さんは「名前はとりあえずこのままでいいよな。「銭形海」って芸能人ぽいから」と言う。ちゃんは「あの~何の話ですか?」と問い糾す。すると五代さんは「CDですよ、CDデビュー」と言う。ちゃんは興味なしという表情をするが「ちょっと聞けよ。曲はアンドリウ作曲の『恋の全国指名手配』っていうの、どう」と言い、呆れ顔のちゃんに構わずに「初ライブは武道館でいきましょう、武道館で。大丈夫、心配しなくて大丈夫よ。マネージメントは全部私がやりますから。そうすれば銭こねガッポガッポ...ウハウハウハって、何処かで聞いたなこのギャグ...」と止まらなくなる五代さん。が、ちゃんはそんな話には耳を傾けず、途中で自転車にまたがると帰って行ってしまった。ちゃんがいなくなったことに気づいた五代さんは「おい、銭形、話、最後まで聴けよ」と言う。これにちゃんは自転車を停めて振り向くと「お断りします。私は女子高生と刑事だけで十分ですから」と言ってウインクをして笑顔を見せていた。

次回、18話(2nd.5話)の物語は「おしどり夫婦の悲劇!? ~立てこもり殺人事件」です。立てこもり事件ということで、「ケータイ刑事」では珍しい事件であるが、やはり「ケータイ刑事」らしく、しっかりとネタが仕込まれてある物語である。次回予告でも「五月蠅い!馬面!」と叫んでいたが、色々と楽しませてくれます。そして、ゲストは新谷真弓さん。「ケータイ刑事」には初登場だが、BS-i作品では「恋日・1st.9話」と「スパイ道Ⅱ」に2本出演しているというように、お馴染みの一人である。が、「文化祭」の準備もあってか、細かい所に粗が見られる物語でもあり、もう少ししっかりと詰めをして欲しい所があります。→この頃は「銭形海」に中だるみが見られた時期でもありました。

鑑識メモ。今回の事件現場となった社長室の椅子に座っている柴田さんが椅子を回転させて登場。サングラスをして頭にはヘッドホンが乗っかっている(が、左右とも耳に届いておらず、スピーカーの部分は耳の上にある。→頭が大きいということがよく分かります。)テンポの良い曲でも聴いているようで乗っている柴田さんは指を鳴らすと「永遠のスイマー「まぐろ」」と言って「鮪」と書かれたフリップを見せる。「この魚は一生眠らずに泳ぎ続けます」と説明する。フリップを投げ捨てると「そして、永遠のボーカリスト、この柴田は...」と言うと椅子から立ち上がり、「一生歌い続けます」と続ける。で、ヘッドホンを外し、サングラスを外し「Come On!」と言うと、劇中で海ちゃんが歌った『恋の全国指名手配』のさびの部分(「ラブラブラブ…」)をペンギンのような振り付けで歌い始め、「私のチュウで離さない。投げキッス!」と決めてカメラに向かってチュウ&ウインクを...→これを見て体調不良に陥った人がいたのは確かでしょうね...

BS-iの本放送では、この後に着ボイスDLのお知らせがあって終わるのだが、先日(日曜日)のBS-iの再放送、そしてMBSの放送ではこの部分はありませんでした。(「3rd.1話と13話」の特別バージョンもやっぱりカットされるのでしょうね...)

今回の物語の詰めが甘いのは、何と言っても前回に続いて「左利き」というのが鍵になったということである。尚、犯人の動機は「・1話」に出てきたものと同じで、「ケータイ刑事」では時々出てくるものであるが、こちらは久しぶりということなので、特に問題ではない。五代さんのギャグならば、毎回同じものであっても、物語の本筋ではなくて笑いを取るコーナーなので良いのだが、犯人かどうかを判断する材料として出てくるものであるだけに、同じものが続くとなると、興ざめてしまうだけである。

今回の物語は、「文化祭」でちゃんが歌う歌『恋の全国指名手配』の初登場とか、犯人が使った薬のトリックはには面白いところがあったが、「左利き」という失点が逆にあまりにも大きく感じてしまうことになる。(尚、「左利き」は、この後の「・2nd.」ではまだ出てきます。)

同じものを全く出すな、と言っているのではなく、「連続しての登場」というのは、ネタ不足で苦悶しているとしか受け取れなくなってしまうだけに、余りにもシリーズ構成上のミスとしか言いようがない。また、こういうことがあると、何のための「シリーズ構成」が行われているのか、それが全く機能していないということの証でしかなく、「・2nd.」での失敗点である。

尚、それぞれの物語は別の脚本家が書いているので、たまたま同じアイデアが出てくるということもあり得るが、「シリーズ構成」で同じアイデアがあったら調整するのが当然である。例えば、先の「2nd.3話」を「2nd.2話」にするとか、今回の物語を「2nd.5話」にするなど、話数の入れ替えもその一手段である。)それが出来なかったというのは、「文化祭」の準備で、シリーズ構成(「ケータイ刑事」では「捜査会議」と呼ばれている)が疎かになっていた何よりの証である。

今回の物語が、佐々木監督+エース・KJ脚本という、いまや「ケータイ刑事」の黄金タッグであっただけに、一つのミスが余りにも大きく見えてしまったという不運な所もあるが、TVシリーズと平行して「舞台」の企画を進めていたということで、色々と粗が出てくるということが分かったということを反省して、フィードバックさせて、以後の作品では同じ失敗をしないでもらいたい所である。(これと同じことは、某TVヒーロー番組が映画と同時進行となる初夏になると、急激にクオリティ・ダウンすることが毎年繰り返されているが、そのようなお粗末にことを繰り返すことのないようにしてもらいたい。)

 

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↓ポスターが出てきたので...

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