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ケータイ刑事銭形海18話(2nd.5話)[改訂版] [ケータイ刑事]

MBSの放送に合わせて記している「銭形海[改訂版]」。今回の物語は2nd.5話(通算では18話)となる「おしどり夫婦の悲劇!? ~立てこもり殺人事件」という物語についてです。夏舞台で味を占めたのか、今回もまた舞台劇の様な演出が見られるのだが、この時期の「銭形海」は同じネタや演出が繰り返されて使われていたので、新鮮みの乏しい作品が続きます。(捜査会議が疎かになっていたのか、逆にこうなることを狙って同じネタを使わせたのか。いずれにしても、捜査会議が今ひとつ上手く機能していなかったことだけは疑う余地がありません...)また、今回は随分と粗の多い物語でした。

それでは、今更ながらのネタバレ有りの長文の本編に行きます。(尚、本放送後に記したものは「ここをクリック」して下さい。)

自転車に乗ったちゃんが、大事そうに箱を抱えている五代さんの姿を目にすると「五代さん!」と声を掛けた。これに驚いた五代さんは箱を投げてしまうが、地面に落ちる直前に受け取ったちゃんは「セーフ」と言って笑顔を見せる。(緑リボンの先輩・ちゃんが「・1st.1話」の冒頭で、五代さんの手を離れた花束を颯爽と受ける所がありましたが、それを思わせる所があります。)これに五代さんは「セーフじゃないよ、お前。何、人のこと脅かしてるんだよ。これ、中身、瀬戸物だぞ。今の衝撃で壊れちゃってるよ」と言って箱を受け取ると「開けてみぃ!」とちゃんに蓋を開けさせる。で、ちゃんが蓋を開けると、中には大小の夫婦茶碗が入っていて、無事だった。それを見た五代さんは「あっ、大丈夫だった...」とホッとする。また、それを見たちゃんは「夫婦茶碗ですか?」と問う。すると「ただの夫婦茶碗じゃないぞ、おしどり夫婦茶碗だ」と言う五代さん。当然のように「おしどり」夫婦茶碗?」とちゃん。五代さんは「これで朝晩一緒に飯食うとおしどり夫婦になれるという幸せの茶碗だ」と説明する。ちゃんは「まさか、これをエリーゼさんに?」と尋ねる。五代さんは頷くと、箱の中から大きい方の茶碗を手にして「こっちのデカイの。これエリーゼの。力士並みに大食いだからね」と言う。続いて小さい方の茶碗を手にすると「小こいの。これ僕用。一応ダイエットね」と言う。ちゃんは「もしかして、これでプロポーズを?」と問うと、照れ笑いをしながら「そうなの」と答える五代さん。「僕もそろそろ潮時でしょう」と言っていた。

そんな所に「警視庁から入電中」とちゃんの携帯に事件を知らせる入電が入る。直ぐに携帯を開くちゃん。世田谷区下北沢の根岸圭二朗(ねぎし・けいじろう)邸で立てこもり事件発生。直ちに現場に急行せよ。これに五代さんが、「根岸圭二朗と言ったら、芸能界一のおしどり夫妻だ。あの根岸夫妻の家だろう」と言う。ちゃんは「ここのすぐ近くです。急ぎましょう」で、二人は根岸邸に向かった。

根岸邸に到着したちゃんと五代さん。黄色い立入禁止のテープが張られていて、警備をする警官たちと共に、多くの芸能レポーターたちが既に集まっていた。ちゃんは「早い、もうマスコミがいますよ」と呆れ顔でいた。五代さんは「流石、芸能人だな...」と漏らしていた。

そうしていると、警官がハンドマイクで「君らは完全に包囲されている。武器を捨てて出てきなさい!」と呼びかけた。これに五代さんが「おい、君」と絡み「君、そんな説得で立てこもり犯が出てくる訳ないだろう」と言うと、「持ってろ」と言って夫婦茶碗が入った箱をその警官に渡し、ハンドマイクを自ら手にして「よーく見ていろ」と言って犯人に対して説得を始めようとする。警官は五代さんをしっかりと見ようとするが「何を見てるんだ。俺を見てどうするんだ」と言っていた。で、五代さんが呼びかけようとするが、ちゃんが「五代さん。人質の安否に関わります。ここは刺激しない方が良いですよ」と注意するが「大丈夫だ、俺は犯人説得のプロフェッショナルだ。お前もよく見て勉強しなさい」と返す。(ちゃんの表情がいいですね。)で、五代さんは説得を始めようとする。

「も~、すっかり秋だね~秋と言えばそろそろ秋祭りの季節だなぁ~」五代さんは訛った口調で語り始める。「おめえの村じゃ、どんな秋祭りやってるんだ?」から始まると、昔話を始める。(落としのバーボンこと高村さんも同じようなことを口にしていたが、やっぱりこの二人も従兄弟ということで似ています。)ちゃんは「古くさっ、しかも訛ってるし...」と漏らしていた。

そうしていると、根岸邸の中で動きがあって、人質となっている根岸磯子が包丁を突きつけられて窓から怯えた顔を見せた。五代さんは「そんなことして何になる?お袋が悲しむぞ、お前はまだ若い...」と呼びかける。これにちゃんが「若くないかもしれないじゃないですか」とツッコミを入れる。(変な所にツッコミを入れるちゃんです。)で、五代さんは「お前は若くないかもしれないが、まだやり直せる。これ以上罪を重ねるでねぇ」と説得を続ける。で、ちゃんの方を見て、どうだと言わんばかりの表情をするが、ちゃんは呆れ顔をしていた。

すると窓が開き、磯子が叫んだ。「うるせい、馬面。おめえは黙ってろ!と言うように犯人に命じられました」と言うと引きずり込まれるようにカーテンの中に消えて窓が閉まった。これに五代さんは「何が馬面だ、バカヤロー。人の顔のこと言う前にふめえの顔見せてみろ。お前こそマヌケのアホ面だろう!」と逆上する。が、五代さんはハンドマイクをちゃんに奪われて「五代さん、挑発に乗ってどうするんですか」とお小言を。「あいつが馬面だって言うからさ...」と返していた。そうしていると、磯子の悲鳴がして、窓を開けて「主人が...」と泣くように叫んだ。それを見たちゃんは「五代さん、行きましょう」と言って中に入ることにした。

家の中に入ったちゃんと五代さんが目にしたのは、家具や置物が倒されて荒れていたリビングであり、そこに胸に包丁が刺さって死んでいる男と、やはり胸を血で染めた男の姿だった。また磯子は側で震えていた。ちゃんは磯子の側にやってくると「犯人は?」と尋ねる。これに震えながら包丁が刺さっている男を指さす磯子。五代さんが素早くその男に駆け寄る。男を見た五代さんは「おい」、銭形」とちゃんを呼ぶ。ちゃんがやってくると「この男、何処かで見たことないか?」と尋ねる。ちゃんが「イケメン俳優の福田ひさしですよ」と答える。で、五代さんも「そうだ。おいおい、イケメン俳優が立てこもり犯かい...」と気づいた→芸能ネタにはこれまで全く無知だったちゃんなのに、福田を知っていたということは、それほど超売れっ子の俳優なのか、ちゃんのキャラが変わったのか?ちょっとちゃんのキャラが迷走しているように感じる所です。

捜査が始まり、ちゃんは磯子に「何が起きたのか説明いただけますか」と話を聞く。これに磯子が「その前に、何故福田が家に来たのかお話しした方がいいと思います」と言って語り始める。磯子と福田は何度か共演したことがあり、以前から磯子に言い寄っていた。そして根岸と離婚して自分と結婚して欲しいと言っていたが、根岸を愛しているからときっぱりと断っていた磯子。(根岸と磯子は「おしどり夫婦」として有名だった。)磯子には無言電話や謎の花束が届くということが暫く続いていた。今日、根岸と磯子が玄関先に咲いている花を眺めていると、思い詰めた顔をした福田が訪ねてきて、根岸の前で離婚を迫った。とても玄関先で出来る話ではないので、根岸が福田をリビングに通した。福田は最初こそ土下座までして別れて欲しいと低姿勢だったが、頑なに拒否されると態度を急変させた。(で、開演ブザーが鳴って、舞台劇調の再現ドラマが始まる。

根岸、福田、磯子がお辞儀をしてから、再現ドラマがスタート。台所から包丁を持ち出した福田は磯子を羽交い締めにして喉元に包丁を当て、「離婚に応じないのなら磯子を殺して自分も死ぬ」と言い出した。これに根岸はどちらも拒否した。そして「自然界の法則で決着を付けよう」と言い出した。で、決闘の開始。しかし根岸が若く屈強な福田に敵うはずはなく、根岸の目的は福田に打ち勝つことではなかった。(再び開演ブザーが鳴って、第二幕となる。)

包丁を持って根岸に襲いかかる福田。根岸は何とか攻撃を躱しながら「磯子、逃げろ!」と叫んでいた。根岸は自分を犠牲にしても磯子を逃がすことだけを考えていた。五代さんは「おしどりだ」。正におしどり夫婦だ」と感動していた。そしておしどりの雄のことを話すがちゃんは無視して「あなたは何故その時、外に逃げなかったんですか?」と磯子に尋ねた。これに「お恥ずかしい話なんですが、私は恐怖のあまり足がすくんでしまって、立ち上がることも出来ませんでした」と答える。(またまた開演ブザーが鳴って、再現劇は第三幕へ)

もみ合う根岸と福田。根岸は磯子が逃げられないと知ると、福田に必死でしがみつき、警察に電話するように言った。磯子は震える指で警察に電話を掛けた。戦いは体力に勝る(若い)福田がねじ伏せて決着が付いた。その時警察が来たが、逆上した福田は磯子の喉元に包丁を突きつけて羽交い締めにすると、カーテン越しに外を見ようとする。で、五代さんの説得の声ということで合図をする福田と磯子。ちゃんは五代さんにハンドマイクを渡す。で、五代さんの「そんなことして何になる?…」と五代さんの呼びかけが入る。で、「OK」と合図をした磯子。そして窓を開けて「うるせい、馬面!…」と叫び、五代さんの逆上した悪口が入る。そうしていると、起き上がってきた根岸が福田に再び襲いかかる。が、福田は根岸を包丁で刺した。(「大量の血が...」と言って赤いハンカチを使う再現ドラマが学芸会的なノリで楽しい所です。)で、倒れた根岸。そして福田は磯子に一緒に死んで欲しいと哀願したきた。が、本当に最後の力を振り絞って立ち上がった根岸が福田を包丁で刺し、(やはり赤いハンカチを使う福田でした。)根岸と福田は相打ちとなって二人は果てたのだった。

これを聴いた五代さんは「壮絶な相打ちだ。ご主人は命を賭けて奥さんを守ったんだ」と言って感動していた。磯子は主人はいつも私の幸せを第一に考えてくれる心の優しい人でした。それなのにどうしてこんな事になってしまったのか...信じられません」と言って泣き崩れる。五代さんはそんな磯子を慰めようとして「奥さん、しっかりしてください」と言う。が、ちゃんは磯子の証言に不審な所があると気づき、窓際に移動するとカーテンを閉め、両側からのカーテンが重なる所を少し開けて外を眺める。門の所には芸能レポータたちがいて、警官が何とか止めようとしていた。で、カーテンを閉めると「五代さん、ちょっといいですか」と言って五代さんを呼ぶ。五代さんはちゃんの所に行くと「何だよ、今、慰めているのに...」と文句を口にする。ちゃんはそれは気にせずに「このカーテン越しには外が見えません」と言う。これに「当たり前じゃないか。見えたらカーテンの意味ないでしょう」と返すが、「違いますよ。福田が五代さんを罵った時のことを思い出して下さい」と言うちゃん。五代さんは「馬面」と言われたことを根に持っていたが「そんなことじゃありませんよ」とちゃん。そして「福田はカーテンの後ろに隠れていたんですよ。じゃあ、どうして五代さんの顔が馬面だって分かったんですか?」と疑問点を指摘した。(ちゃん、これまでは真犯人でも名前を呼び捨てにしなかったのに、今回は呼び捨てにしている。ここも今回の問題点の一つです。)

五代さんもカーテンの後ろからは外は見えないことに気づき「ああっ、どうやって俺の顔が馬面って分かったんだろうね」と口にする。で、ちゃんの視線は磯子に。五代さんも磯子に視線を移した。で、磯子は取り繕うように再び泣き崩れる。で、ちゃんは「磯子さん。ちょっと来て戴けますか」と言って磯子を窓際に呼んだ。泣きながら磯子は立ち上がって、ゆっくりと窓際にやってくる。ちゃんは「ここに立ってください」と指示を出す。そして磯子が立つと「ここから外にいるマスコミの人たちが見えますか?」と尋ねる。「見えませんけど...」と答える磯子にちゃんは「全く見えませんよね」と確認する。これに「ええ」と頷く磯子。ちゃんは「福田はどうやって五代さんの顔が馬面だと分かったんでしょうか?」と疑問を投げかけた。これに磯子は慌てて「さ、さあ?このカーテンの横の隙間からチラッと見えたんじゃないかしら」と適当なことを言う。ちゃんは「福田が五代さんをチラッとでも見ていたら、こちらからも福田の顔が見えたはずですよね」と追求する。磯子は「そうねぇ~」返すと、「私、そろそろ記者の方々のインタヴューに答えなければいけないので失礼します」と言って、逃げるように外に出て行こうとする。ちゃんはそんな磯子に「ちょっとすいません」と言って呼び止めると「今日はどちらかにお出かけの予定でしたか?」と尋ねる。「いいえ、どうして?」と磯子。これに「素敵なドレスだったんで...」と言葉を濁すちゃん。磯子は「普段着よ」と言うと外に出て行った。五代さんは「へぇ~、あれが芸能人の普段着か」と感心していた。

ちゃんはカーテンの隙間から門の所で記者たちのインタヴューに答えている磯子の姿をじっと見ていて、熟考に入ると「寄せる、悪のさざ波」(ここでAパート終了、経過時間は15分半を回った所でした。よってBパートのドラマ部分は10分弱になります。)

警視庁に戻ったちゃんと五代さん。テーブルの上にはパン、サンドイッチ、コンビニ弁当にペットボトルのお茶(丹羽多聞茶)等と共に、対になったおしどり(あひるに見えるものもある)の人形が何種類かあり、ちゃんはその中の一組のおしどり(「・2nd.9話」に出てきた五代さんのお風呂セットのアヒルを茶色に塗り替えたようにも見えます...)をいじくりながら、テレビのワイドショーで放送されている磯子のインタヴュー(「おしどり夫婦邸立て籠もり事件」とテレビに出ている。)を見ていた。五代さんもそのTV放送を見ていて、「まるで時の人だね。どのチャンネルもあの事件のことばかりだよ」と言っていた。ちゃんが「俳優が俳優の家に立て籠もった訳ですからね...」と漏らしていた。そこに柴田さんが「現場の写真が上りました」と言ってやってきてちゃんに写真を手渡した。すると五代さんが柴田さんに絡んで行って「最近のワイドショー、凄いよ。俺達が現場に駆けつける以前からいたんだぞ」と言うが柴田さんは「偶然、近くにいたんじゃないですか。下北沢は芸能人の家が多いですからね」と冷静だった、ちゃんは「本当に磯子さんは人質だったんでしょうか」と疑問を口にする。五代さんは「カーテン越しに外は見えないというあの話か?」と言うが、「彼女、現に窓際で、包丁を突きつけられて人質になっているじゃないか。見て見ろよ」と言う。で、TV画面には包丁を突きつけられた磯子が映っていた。

五代さんは「カーテン越しに外を見る方法ね...」と呟いて考え始める。これに柴田さんが「穴でも開けたのかな?」と言うが、ちゃんは「そんな穴、ありませんでした」とあっさりと(真面目に)否定する。すると五代さんが「じゃあどうやって俺の顔見たっていうんだ」と尋ねる。すると立ち上がったちゃんは「最初からいなかったんです。福田は」と言うとTVの横に移動する。五代さんは「でも、福田はカーテンの後ろにいたんでしょう」と言うが「それは磯子さんが言ってただけですよね」と言うと、弁当の割り箸を手にしていて「磯子さんは自分自身に包丁を突きつけて、こんな風に、人質に取られている芝居をしたって考えると辻褄が合います」と言う。これに「辻褄?」とハモる五代さんと柴田さん。更に「福田は」どうしてこの厚いカーテン越しに、五代さんの顔が馬面だと気づいたのか?という疑問の」と説明する。五代さんは「なるほどな。磯子さんからは俺の顔が見えていた訳だから、俺の顔の特長のことが分かってもおかしくないよな」と納得する。が「じゃあ、あの2人は?根岸さんと福田はどうしてたんだ?」と尋ねる。これにちゃんは「既に死亡してたんでしょうね」と答える。が「死んでた?じゃあ根岸さんは、一体誰が殺したというんだ?」と尋ねる五代さん。ちゃんは「磯子さんです」と口にする。すると五代さんは「お前、何を言ってるんだ。あんないい人がどうしてそんなことをしなきゃなんないんだ。福田だけならまだしも」と反論し「それは考え過ぎだっちゅうの」と言い「あの二人は有名なおしどり夫婦だっちゅうの」と一昔前の流行語「だっちゅうの」を連発する。そしてちゃんの目の前にある2本のペットボトルのお茶を手にしてちゃんに渡して、「このお茶2本とも飲んで、頭の中すっきり茶カテキンしなさいっちゅうの」と続ける。で、ちゃんが2本のペットボトルのお茶を手にすると「ちゃっちゃっと」と言って駄洒落を口にして柴田さんと一緒に盛り上がっていた。

一方、ちゃんは、1本のペットボトルにはプレゼントキャンペーンのポイントシールが貼ってあるのに、もう1本にはそれが無いことに気づくと、TV画面に目をやり、続いて柴田さんが持ってきた写真を確認すると、笑顔になって「そうか、そういうことか」と口にして「謎は解けたよ、ワトソンくん」(これを受けて五代さんと柴田さんが二人揃って「シェー!」→「おそ松くん」ネタですが、その原作者の赤塚不二夫先生が先日永眠されました。ご冥福をお祈りいたします。)

自宅で、自分のインタヴューが流れているTVを見ている磯子。立ち上がってカーテン越しに外を見ると「これで仕事も波に乗るわ」と言ってほくそ笑んでいた。そこに三味線の音が届いてきた。キョロキョロとする磯子。岩に激しく白波が砕け散ると「大波小波かき分けて。…」ちゃんの口上が始まり「私の碇で沈みなさい!」から「神奈川沖浪裏」の大浪がうねり、真っ赤な碇が勢いよく飛んで行く。碇が床に突き刺さると、碇に繋がっている鎖は磯子を捉えていた。で、ちゃんが鎖を引くと、大回転してその場に倒れ込む磯子。そんな磯子は「何なのよ」と言ってちゃんを見上げる。目の前にはちゃんが立っていて「福田さんと根岸さんを殺したのはあなたですね」と言う。これに磯子は「訳の分かんないこと言わないでよ」と言ってそっぽを向く。すると「あなたは一つだけ大きなミスをしました」と言う。「ミス?」と返す磯子にちゃんは説明を始める。

「犯行に包丁を2本使ったことです」と切り出すちゃん。磯子は目をそらしてそれを聞いていた。「あの包丁は「おしどり印の夫婦包丁」なんです」とちゃん。その包丁は全く同じ包丁が2本対になっているが、1点だけ違う所がある、と言うと「この写真を見て下さい」と言って、包丁を突きつけられている磯子の写真を見せるちゃん。「この時あなたに包丁を突きつけているのは福田さんですね」と確認するちゃん。「ええ、そうよ」と答える磯子。ちゃんは続ける。「あなたは福田さんを、ご主人が留守だと騙して自宅に呼び出した。そして福田さんが来る前に、ご主人の根岸さんを刺殺した。次に、家に来た福田さんも同じように殺害した。二人をほぼ同時に殺害したのは、死亡時刻を合わせることによって、二人が相打ちしたように見せるためです。そして二人を殺害したあなたは、あたかも二人が取っ組み合いの喧嘩をしているように装い、警察に電話を掛けた。あなたは二人の指紋を包丁に付け、目立ちたがりのあなたはマスコミの注目を浴びるために人質のふりをした。ドレスを着ていたのもそのためだったんです」と語る。これに磯子は「言い掛かりよ」と言うが、ちゃんが「証拠は...これです」と言って福田の遺体写真と包丁を突きつけられている磯子の写真を見せる。で、写真をよく見ると、福田の遺体に刺さっている包丁にはシールが貼られているが、磯子が人質に取られている時の包丁にはシールが貼られていない、と告る。すると磯子の表情が変わった。

五代さんが手にしていた紙袋から箱を取り出してちゃんに渡すと「これは犯行に使用されたのと同じおしどり印の夫婦包丁です」と説明を続けるちゃん。シールが貼られているのは男性用の包丁だけであった。磯子は「男性用のみ?」と漏らす。ちゃんは「はい。男性用の包丁にだけブランドの証であるおしどりのイラストが描かれたシールが貼られているんです」と言う。すると磯子は狼狽して視線が定まらなくなった。ちゃんは五代さんから福田に刺さっていた証拠の包丁を受け取ると「そしてシールのないこの包丁からはあなたの指紋しか検出されませんでした。おかしいですよね。福田さんの指紋が無いなんて」と言うと「これはあなたが二人の死後、自分自身に包丁を突きつけて人質のふりをした証です」とトドメを刺した。

すると磯子は観念して崩れ落ちた。そして語り始める。「おしどり夫婦なんて、本当は嘘っぱちなのよ。互いに浮気して、もう何年も仮面夫婦だったの。その上、主人が「離婚したい」と言い出した。そして信じていた恋人の福田までが若い女に走ったと耳にしたの。だから、二人まとめて殺したのよ。私がもう一度輝くために」と動機を語った。で、五代さんが磯子の左腕を掴み、手錠を掛けて逮捕した。

事件解決後、おしどり夫婦茶碗の入った箱を持って歩いている五代さんは「これ、渡すの止めようかなぁ...」と言い出した。「だってさぁ、おしどり夫婦って他人から見て仲良さそうに見えるだけなんだもんなぁ...」とぼやいていた。これにちゃんが「五代さん、おしどりって、2羽で雛を守るから良い夫婦の例えになっていますけど、本当のおしどりって、毎年ペアを変えてるんですよ」と説明する。すると「俺、そんなの聞いてねえよ」と慌てる五代さんは「そうなの?」と確かめる。ちゃんは「はい。オスは本能でメスと雛を守っているだけですから。でも、夫婦茶碗でプロポーズ、良いと思いますよ。五代さん、当たって砕けろ、ですよ」と言って五代さんを勇気づける。(相棒の操縦法が一段と上手くなったちゃんですね。)で、自転車にまたがると帰って行く。すると五代さんは「そうだな、銭形の言う通りだ。当たって砕けろだ!」と言って力強く箱の上蓋を叩いた。すると瀬戸物が割れる音がした。で、慌てて箱を開けた五代さんが目にしたのは、真っ二つに割れた夫婦茶碗だった。(大も小も、きれいに真っ二つに割れていた。(こんなに綺麗に割るとは、恐るべし五代さん。→こんなに綺麗に割れるというのは、やっぱり何かありそうな胡散臭さを感じるのですけど...)で、五代さんは「当たって砕けろの前に真っ二つだよ...不吉な予感」と漏らすと、真っ二つに割れた大きい方の夫婦茶碗を手にして「おい、銭形。やっぱりプロポーズ止めておいた方が良いかな?」と、帰って行こうとするちゃんを呼び止めるように大きな声で叫ぶ。するとちゃんは自転車を停めて振り返ると、笑顔で「さあ?夫婦茶碗は夫婦になってから買えという意味じゃないですか?」と言うと、再び自転車をこぎ始めました。

次回・19話(2nd.6話)の物語は「出た! 骨董マニアの亡霊!? ~ノロイのヨロイ殺人事件」という物語です。「・1st.8話」のミイラの物語や、「・2nd.1話」のボウリングを使った強引なトリックなどが思い出されるのだが、やっぱりまたも登場となる「幽霊ネタ」でもある。「幽霊なんてこの世にいるはずないじゃないですか」という銭形姉妹のお馴染みの台詞が登場します。一方、「・2nd.」で多用されている「利き腕」もしっかりと絡むということで、同じネタを寄せ集めてまとめ上げた物語という感のある物語です。→完全にこの時期の「銭形海」は中だるみ現象の真っ直中でした。

鑑識メモ。いきなり「鱗」というフリップを見せる柴田さん。「「うろこ。」これを調べれば魚の年齢が分かるということです。一枚一枚がその魚の生きた証となる訳ですね」と簡単な解説を語る柴田さん。「そして、恋愛にはその証が現れるとは限りません。もしもその証に気づくことが出来れば、今回のような悲劇は起こらなかったのかも知れませんね」と、いつもの柴田さんとは思えないように解説をする。そして「そこで一句」と言って締めの一句を披露する。「鯉にウロコはあろうとも、恋にウロコはありません」そして「柴田でした」と言って締めくくった。→「さかなへんの漢字」は出てきましたが、いつもの柴田さんらしくない鑑識メモでした。

BS-iの本放送では、この後に着ボイスDLのお知らせがあるのだが、先日(日曜日)のBS-iの再放送と共にMBSの放送ではこの部分がカットされているのはいつもの通りでした。(これは本放送の時でないと目に出来ません。)

今回の物語は、中だるみが出ている状態でそれなりの1本でした。この時期はそれぞれの物語の出来にバラツキが大きく出ている時期でした。結局、これらは「文化祭」というイベントに向けた準備があったためであるが、反省点として7代目以降に活かしてもらいたいところである。

先日、赤塚不二夫先生が亡くなられたが、今回の物語では五代さんと柴田さんがWで「シェー」をやっていたが、この物語が亡くなって初めてのMBSの放送ということに奇しくもなったが、こんなにもタイミング良く放送されることになろうとは、これも凄い所ですね。(本放送ならともかく、MBSでは初放送とはいうものの、番組としたら2007年の作品ですし...)まあ、人類の生み出した文化に残るような人(赤塚先生)と作品(「ケータイ刑事」)だったら、そういう力が不思議と働くものなんですけどね...

 

この物語は↓に収録されます。

ケータイ刑事 銭形海 DVD-BOX 2

  • 出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)
  • メディア: DVD

 

↓冬舞台の予約が始まっています。

 

↓文中に記した他の「ケータイ刑事」の物語が収録されているもの

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX I

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX II

ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX II

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • メディア: DVD

↓「おしどり」に関して

オシドリは浮気をしないのか―鳥類学への招待 (中公新書)

オシドリは浮気をしないのか―鳥類学への招待 (中公新書)

  • 作者: 山岸 哲
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 新書

おしどり―須ヶ原光弘写真集

  • 作者: 須ヶ原 光弘
  • 出版社/メーカー: 文一総合出版
  • 発売日: 1996/09
  • メディア: 単行本

日本の文様〈12〉千鳥・おしどり (1971年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 光琳社出版
  • 発売日: 1971
  • メディア: -

 

↓一応、こういうものを...

たち吉 和草 夫婦茶碗

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九谷焼 夫婦茶碗 赤椿

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  • 出版社/メーカー: 九谷焼 【和座の蔵】
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九谷焼 夫婦茶碗 染吹椿

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九谷焼 夫婦茶碗 椿 青良窯

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