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東京少女・岡本杏理#2「家出のススメ。」 [ドラマ]

今回の物語は、福永マリカの脚本家デビューということの方が大きく取り上げられた物語である。また、監督が若松孝二監督ということで、BS-i作品では「恋する日曜日」の1st.の1&2話、「恋日・文學の唄」の1&2話(これには佐野史郎さんも出演していました。)、13話に続いてということで、地上波ドラマだったらあり得ない顔合わせの監督&脚本でした。佐野史郎さんって、やっぱり上手いですね。また、滝本ゆにさんがまたも声だけの出演というのもありました。

笑いは出来る限り抑えたシリアスな物語であり、しかも中学生が抱えていそうな悩みをテーマにして、上手く描いていた物語でした。でも、ちょっとラストが簡単に纏まってしまったというように、詰めが甘い所もありました。が、脚本家・福永マリカ、今後が楽しみです。

一応、主人公は東京からやってきた少女ということで、「東京少女」と言っても良いものの、最近の作品は本当に「東京」ということに関しては等閑になってますね。(これは脚本ではなく、企画やシリーズ構成の問題でもありますけど...)今回も「東京」でなくても全く問題のない物語でした。

尚、今回の物語はバスの中でのやりとりが中心となったものであったが、「・5話」や「・1st.22話」のことは全く頭に浮かびませんでした。また、田舎のバス路線を使ったことで、エキストラの乗客を動員する必要もなく、こういう所は(製作上の)上手い所でもありましたね。

今回は、色々と考えさせられる内容でもあり、また色々と頷く所も、反論したくなる所もあって、真剣に考えさせられることが語られていました。それらを記していこうとすると、細かく記す必要もあり、「ケータイ刑事」のように長くなるのは必至なので、簡単にすることにします。

内房線・富浦駅。列車が到着して、サングラスを掛けた派手な格好をして、大きなバッグを背負った少女・杏理が降りてきた。駅から出てくると携帯で電話をして「今、駅。新宿。もう塾だから、切るよ」と言って電話を切る。その声をたまたま耳にしたサラリーマン・田邊は「新宿?」と呟き、怪訝そうな表情で駅名を確認すると、バスに乗り込んだ。バスには杏理と田邊の2人の乗客しか乗っていなかった。

最初は杏理の様子を見ていた田邊だったが、服装や荷物から家出少女だと察し、席を移動すると「ちょっと君、ここは新宿ではないが...」と杏理に声を掛ける。が、杏理は何も言わない。田邊は「君、家出したのか」と問うがやはり何も答えない杏理。田邊は「無視か」と呟く。すると「て言うか。無視とかしてないし。東京から来たんだし」と口を開く杏理。これに「何だ、その口の利き方は」と田邊。(こういう口うるさいおじさん、最近では全く見かけませんね...)そして田邊は家に帰るように促すように語り始めるが、(口で)反抗する杏理。やがて田邊が見た目で判断したことから自分はただの真面目ちゃん、と口にすると「そういうのに疲れたから...」と言って悩みを語り出した。

田邊は杏理を励まそうとするが、杏理は「自分の意思をどんどん失っていくのが怖い」と言い、悩みを遠回しに語る。で、田邊は「一体君が何に悩んでいるのか、話を聞いてやろうじゃないか」と言って相談に乗ることにした。

杏理は「友達」と言って人間関係の悩みを語った。「ちゃんと話せば良いんだよ、直接」とアドバイスする田邊だったが、「面と向かってぶつかってこない相手に、こっちから勝手にぶつかっていってもしょうがないじゃん」と言う杏理。その時、メールが届き、携帯を開く杏理。(母からで、塾に行くように、という内容だった。)田邊は「ちゃんと目と目を向かい合わせて、はっきりと言いなさい」と言うが杏理は「そんなの私が一番よく分かってる」と言う。メールの内容にうんざりという杏理はサングラスを外すと、「おじさん」と言って問いかけようとする。これに「私は田邊だ」と言う田邊。杏理は「すいません」と言うと、ここから先は「田邊さん」と呼ぶようになった。

子供の事を問うと。「大学2年生になる娘が一人ね」と答える田邊。ここから田邊の娘の話になり、杏理が色々と尋ね、田邊が答えるようになるが、上手く答えられなくなった田邊は「だから何だよ」とキレる。すると「やっぱり。分かってない」と言う杏理。ここでは先ほどまでの2人の立場が入れ替わりました。田邊は「関係ないだろう」「君に何が分かるんだ。分かる訳がないだろう」と言うが「田邊さんだって、一緒じゃないですか。向きあってない」と言う杏理。田邊は反論するが、杏理は自分がこれまでしてきた努力が嫌になっていた。(Aパートは12分強で終了、Bパートは13分半強となります。)

あるバス停に到着したバス。そこには杖をついた一人のおばあさんがいて、バスに乗ってくる。それに気づいた杏理は立ち上がると「どうぞ」と手を伸ばす。「頼んでないよ」と言うおばあちゃんだったが、杏理の手につかまり、席に座り、杏理はその隣に座る。で、バスが動き出す。

おばあさんは黒飴を出して口に入れる。それを見た杏理は黒飴の話を始め、語り出す。やがて「誰も相手にしてくれない」とおばあさんが口にしたことで田邊も話しに入ってくる。(ここでは若い杏理の立場、年を取ったおばあさんの立場、中年の田邊の立場、それぞれの立場と視点で、上手く描かれていました。)

やがてバスは「七島橋」というバス停に到着。おばあさんが降りる。(杏理はここでも手を貸していた。)田邊も「お元気で」と言って見送っていた。

再び走り出したバス。杏理と田邊の話は続く。そんな中、杏理は突然立ち上がると「すいません、運転手さん。ちょっと止めて下さい」と運転手に言った。すかさず「ちょっと君、タクシーじゃないんだから」と田邊のツッコミが入った。杏理は「海、綺麗だし」と景色に引かれていた。

バスから降りた杏理は海岸に駆けてきた。そして「潮のいい匂い」と海を感じていた。(前回は「川」だったが、またも自然の匂いという所がありました。→でも「匂う、悪の香」という台詞は今回は頭に甦りませんでした。)

杏理は携帯で家に電話を掛けた。母が出ると「直ぐ帰るから。帰ったらちゃんと話す」と要件だけ伝えると電話を切る。尚、母は塾のことだけを注意していた。それからの杏理は吹っ切れたようになって、海に向かって「言ってやったよ!」と叫ぶ。そして思っていたもやもやを続いて叫ぶ。

一方、バスは(バス停でもないのに)停まっていて、田邊が出口に立っていて「君、早く戻ってきなさい、迷惑だろう!」と叫んでいた。が、杏理は続いて叫んでいた。(いちいちそれにツッコミを入れる田邊が漫才をやっているようでした。)最後に「みんな、バカ野郎!」と叫んだ杏理はすっきりしていた。

バスに杏理が戻り、再び走り出す。杏理は家出したことを「よかった」と言っていたが、田邊は色々と杏理に文句を言っていた。そして「少しは謙虚になれ!」と起こった。これに「五月蠅い」と叫んだのは運転手だった。これに「運転手のくせに生意気な」と田邊。が、「運転手だからこそ喋りたいことがたくさんあるんだ」と叫び「言っちゃうぞ」と運転手も心に溜まっていたことを口にした。

『ひっとりぼっちのランナウェイ』が流れる中、エンドロールが始まると、バスは富浦インターチェンジから富津館山道路に入って行き、高速を走っていった。やがて夜になり、首都高の臨海副都心出口を通過して都心方向に走っていった。

次回の物語は、「私の唇バニラ味」という物語です。久しぶりに小山田サユリさんが登場ということになります。4&5話が前後編の物語でもある事を考えたら、次が今月のコミカル編ということでしょうね。アイスクリームという、この時期にはピッタリということに拘りのある物語のようです。

「BS-iドラマ倶楽部」からのお知らせは、いつもの通り「高速道路と東京タワーを中心としての夕景」でした。(今回は最後の首都高というのもあり得たかもしれませんが、それを期待するのは無理でしょうね。)

前回と同様に、一番複雑な年頃の少女の気持ちを描いた内容で、しかも誰もが一度や二度は思ったことを描いていたので、分かりやすい物語でした。でも「海に向かって叫んで解決」というのはありきたり過ぎたという気もしました。(「夕陽に向かって走る」とならなかったのは集団青春ものではなかったからでしょうかね。)細かい所は色々と気になる所があったが、シリアス系の物語としたら、笑いのポイントも上手い所にありましたし、杏理と田邊のかみ合わない掛け合いが面白く描かれていました。が、最後(エンドロールに差しかかった所)、田邊までノリノリになってしまったのには、もう少し工夫が欲しかったところでもありました。(が、福永マリカの処女作ということでは十分に合格ラインをクリアしている内容でした。)

 

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