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ケータイ刑事銭形海20話(2nd.7話)[改訂版] [ケータイ刑事]

MBSの放送に合わせて記している「銭形海[改訂版]」。今回の物語は通算では20話ということで、ちょうど折り返し点に到達しました。先週は五輪野球の放送延長のため、95分繰り下がっての放送だったが、今週は26:30スタートという(一応)定時枠での放送でした。(と言っても、ON TIMEで見ているのならともかく、録画予約でタイムシフトして見ているのなら、大して変わりませんが...)

今回の物語・2nd.7話は「暗闇の殺人者! ~銭形海VS完全犯罪の男」です。「2nd.」に入って、余りにも同じネタで事件を解決していくことが続いているが、今回は少し雰囲気が違っていて、じっくりと見せてくれるものとなりました。やはり、エース・KJ脚本となると、一味違います。ギャグの方も抑えて、「シリアス路線」という物語でした。

それでは、今更ながらのネタバレ有りの長文の本編に行きます。(尚、本放送後に記したものは「ここをクリック」して下さい。)

警視庁、五代さんが新聞・「ビーエスタイムズ」に目を通して溜息をついている。記事の見出しは「連続5件目が発生! ひったくり事件」「またもや女性を狙った犯行」とある。そこに「おっはようございま~す!!」と、やたらと元気のいいちゃんが姿を現した。そして笑顔で「あれ~?ご機嫌斜め?」と言って五代さんに絡んでいく。(何か悪い物でも食べたのか、余りにも明るいちゃんです。)五代さんは「見ろよこれ、連続ひったくり事件。今月に入って5件目だぞ」と、新聞記事の事件をちゃんに見せて嘆いていた。ちゃんは新聞を手にすると「夜道で女性ばっかり狙った事件ですね...」と、ちゃんと事件のことを知っていた。五代さんは記事の受け売りで「犯人が捕まらないのは警察の怠慢のせいだってさ...」と口にする。(→マスコミは誰かを悪人にして叩くことが得意ですと...)ちゃんが「厳しいですね」と漏らすと五代さんは「俺が現状にいたら、絶対に逃がさないないんだよ。サハラ砂漠の果てだろうが、チョモランマの山頂だろうが、俺が最後まで追いかけてとっ捕まえてやる」と熱いことを言っていた。これにちゃんは拍手をして「流石、スニーカー刑事。頼もしい!」と口にする。すると五代さんは立ち上がり「そう、そう」と言い、「俺が六曲署にいた頃な、月にスニーカーを2、3足履き潰していたんだぞ」と過去を口にする。が、そこから先は「靴屋の看板娘のけいこちゃん、…」と言って自分の世界に入っていく。ちゃんは呆れ顔になって「うわ~、話、長くなりそう」とそっぽを向いてしまった。

そこに、ちゃんにとったら天の助けなのか、「警視庁から入電中」と、事件を知らせる入電が入った。で、ちゃんは携帯を開いた。港区赤坂の路上で殺人事件発生。被害者は新進作家の藤川紀之(ふじかわ・のりゆき)。直ちに現場に急行せよ。(今回は久しぶりに港区赤坂の事件でした。)で、ちゃんと五代さんは現場へ向かった。

事件現場(赤坂12丁目)のガード下トンネルにやってきたちゃんと五代さん。被害者に手を合わせてから捜査を開始する。辺りには被害者の持ち物が散乱していて、財布を見たちゃんは「現金は持ち去られたようですね」と口にする。五代さんは「連続ひったくり犯の仕業かもしれんな」と返す。そこに逆立ちをした柴田さんが登場し、掛け声と共に逆立ちを止めて直立すると「報告します」と言って敬礼をする。「死因は後頭部殴打による脳挫傷。死亡推定時刻は本日午前1時から3時の間。どうやら、帰宅途中に襲われたようですね」と告る。五代さんは「凶器はあの鉄パイプか?」と近くに落ちていた鉄パイプを指差して尋ねる。これに柴田さんが「はい。直ぐ側に建売り住宅の建築現場がありまして、そこから持ち出されたようです。指紋は検出されませんでした」と答える。五代さんは「現地調達か...」と漏らし、海ちゃんは「被害者は随分、帰りが遅かったみたいですね」と口にする。これに柴田さんは「ええ、昨夜、出版社が主催するパーティに参加していたところです」と答える。ちゃんは「夜が明けるまで誰も遺体には気づかなかったんですか?」と尋ねると「この辺りは住宅地ですからね。夜は殆ど人通りがないそうです」と柴田さん。これにちゃんは「じゃあ、目撃者の期待もできませんね...」と言った。すると五代さんが「目撃者も何も、ひったくりの犯人を捕まえれば解決するでしょう」と言った。が、ちゃんは「待ってください。これは一連の事件とは無関係かもしれませんよ」と待ったを掛けた。五代さんは「財布が荒らされているじゃないか」と言うが「手口が違いすぎます」とちゃん。更に「例の事件の被害者はみんな女性ですし、今まで死傷者は出ていません」と、この事件との違いを口にする。が、五代さんは「だから、調子に乗った犯人が男を襲ったんだよ。それで抵抗されて殺してしまった。そうも考えられるだろう」と反論する。しかしちゃんは「いいえ、犯人は事前に凶器を建築現場から持ちだしています。これって、はじめから被害者を死傷させることが目的じゃないですか」と説明した。五代さんは「なるほど、言われてみればそうだな」と納得する。で、ちゃんは「怨恨の線でも、捜査を進める必要がありますね」と、捜査方針を口にした。

「TOYOSHIMA」と表札のあるマンションにちゃんたちがやってきた。「豊島圭太さん(→豊島圭介監督の名前をいじっています)ですね」と確かめるちゃん。男は「ええ、お嬢さんは?」と問う。これにちゃんは「私たちはこういう者です」と言って、五代さんと共に警察手帳を見せた。それを見た豊島は「警視正殿と、こちらは巡査部長さんですか」と言って、五代さんのことを笑って小馬鹿にした。

中に入ったちゃんと五代さんは豊島と話をする。「豊島さんは、去年の江戸川散歩賞を受賞した新進気鋭の推理作家と伺っています」とちゃんが話すと、豊島は「付け加えるなら、20歳の現役東大生です」とアピールする。で、豊島も昨夜、出版社が主催するパーティに参加していた。が、「気が進まなかったんですが、これも仕事の内ですからね。ただ、一次会だけでさくって帰ってやりましたよ」と言う。そして「何でそんなこと聞くんですか?」と逆に問う。ちゃんは「藤川さんと交友のあった方に話を伺っています」と答えると、「彼はひったくりの犯人に殴られて死んだんじゃないですか」と豊島。ちゃんは「まだ何とも言えません」と答える。続いて五代さんが藤川の死亡推定時刻の居場所を尋ねると「おやおや、俺も容疑者ですか?」と豊島。「関係者の皆さん全員に聴いています。協力して下さい」とちゃんが言う。すると少し考えてから「ここで仕事していましたよ」と証言する豊島。すかさず「それを証明する人は?」とちゃんの質問が飛ぶ。が、豊島は「いません」とあっさりと答えた。「電話がかかってきたとか、近所の人に会ったとか?」とちゃんは言うが、「締め切り前は電話のコードを抜いておくし、隣の奴なんか顔すら知りませんよ」と言う豊島。(→現代の都会生活ではこういうものですからね...)

ちゃんは「よく思い出してください。アリバイに関わることです」と事が大事だと言うが、豊島は「都会の一人暮らしですよ。特に深夜なんて、アリバイを証言してくれる人がそうそういる訳ないですよ。これ見よがしにアリバイがあったら、逆におかしいと思いますけど」と反論する。五代さんは「つまり、昨夜ここにいたことを証明できないって訳だな」と言うが、「でも、ここにいなかったということも証明できないと思いますけど。違います」と切り返す豊島。これに五代さんは「さっきお前は「被害者は殴られて死んだ」と言ったな。何でそれを知ってるんだ?」と言って指を鳴らして追求する。これに豊島は笑いながら「なかなか鋭いですね。警察と犯人しか知らない事実を口に出してボロが出る。推理小説じゃあお決まりのパターンですか」と反論する。そして「でもね、俺は出版社の人に電話で聞いたんですよ。少し考えればそれぐらい分かるんじゃないですか。巡査部長さん」と言って、五代さんをやりこめて笑う。そして「藤川の為にも協力は惜しみませんよ。何でも言ってくださいよ」と言う豊島だった。

警視庁に戻ったちゃんは手掛かりがなく、困っていた。そこに五代さんが戻って来て、「出版社の連中からいいネタ仕入れてきたぞ」と言う。それをちゃんが「何ですか」?」と問うと、「豊島と藤川は相当仲が悪かったらしい」と言う。詳しいことは分からないが、二人とも同じ(現役)東大生で、去年、芥ツ川賞(あくつがわしょう)と江戸川散歩賞を貰っているライバルということだった。更に、柴田さんがやってきて「昨夜、交番勤務の巡査が現場付近で怪しい男を目撃したそうです」と告げた。

柴田さんの話した巡査を呼んで話を聞くちゃんと五代さん。巡査はちゃんの前でガチガチに緊張していて、額からは大汗をかいていた。で、震えながら敬礼をして「本官は、赤坂○○署(よく聞き取れない...)の交番勤務の三宅巡査であります」と名乗る。それを見たちゃんは「そんなに緊張しなくてもいいですよ」と言うと、三宅巡査は「はい、警視正殿」と言って再び敬礼をする。五代さんが「昨夜、怪しい男を見たそうだな」と尋ねると。またも敬礼してから語る三宅巡査。「あれは午前2時頃だったと思います。酔って自転車に乗った青年を注意していたところ、犯行現場から一人の男が出てきまして...」五代さんは「それで?」と問うが、三宅巡査は「それだけであります」と答える。「どうして後を追わなかったんだ?」と五代さんが追求すると「そんなに怪しい素振りはなかったもので...」と三宅巡査。すると「馬鹿者!」と五代さん。ちゃんは「何か特徴は?」と尋ねるが、「あったような...無かったような...」と言って首をかしげてしまう。「もう一度その人を見たら分かりますか?」とちゃんが尋ねるが「どうでしょう?自信がありません」と答えた。五代さんは「もっと、しゃきっとしろ」と言って立ち上がると「もし、そいつが犯人だったらどうするつもりだ。だから警察は怠慢だと言われるんだ」と言って三宅巡査に詰め寄る。これに「すいません」と頭を下げる三宅巡査。ちゃんも立ち上がると「とにかく、今は私たちの出来ることをやりましょう」と言った。

再び、豊島のマンション。(江戸川散歩賞の賞状(受賞作品は「灰塊」、選考委員会委員長は縦溝清二、江戸川散歩財団の代表・江戸川ゴッホ、の名前がある。)藤川と揉めていた理由を問われた豊島は「まあ、日本の警察は優秀ですから、直ぐに調べ上げるでしょうから、先に白状しますね」と言ってから語る。「簡単に言えば感性の違いですかね」と言い、自分は推理作家、藤川は純文学であり、藤川は推理小説を文学として認めておらず、よく口論になったのだった。(この時、自分の著書「灰塊」と藤川の著書「赤いキミ 白いボク」を見せていた。)ちゃんは「あくまで作家として主張しあっただけですか?」と尋ねるがこれに「いいえ。藤川の自分は本物を書いているという態度が兎に角鼻につきましてね、殺してやろうと思ったことは何度もありますよ」と豊島は口にする。これにちゃんは「大胆な発言ですね。あなたにはアリバイがないんですよ」と言うと、豊島は指を鳴らして「確かに。アリバイはなく、殺人の動機はある」と言うが「でもね、俺が犯人なら、わざわざこんなこと警察に話したりしませんよ。そう思いませんか」と言って完全にちゃんたちを挑発する。これにちゃんは「一つ、聴いても良いですか」と言い「推理作家として今回の事件はどう思います?」と尋ねる。豊島は「意表を突いた質問だなぁ」と口にすると少し考えてから「書いている自分が言うのも何だけど、俺は前々から推理小説に出てくる犯人って頭が悪いと思うんですよ。散々知恵を絞ってトリックだ、アリバイ工作だ、と余計なことをするからボロが出て名探偵に捕まる訳でしょう、全く馬鹿げている」と自分の意見を主張する。そして「警視正殿。実際の殺人事件で迷宮入りの確率が最も高いパターンを知っているかね?」と問う。ちゃんは「行きずりの衝動殺人ですね」と答える。すると豊島は立ち上がって「そう。例えば、むしゃくしゃして人を殺したいと思っている奴がいたとする。すると目の前に見知らぬ男が歩いていた。道端に落ちていた棒を拾って男の頭をスカッと。そしてらどうなります?」とちゃんに問う。ちゃんは「目撃者がいなければ、犯人と被害者を結ぶ線は見つからないでしょうね」と答えね。豊島は指を鳴らしてから「イエス。トリックもアリバイ工作も必要ない。まさにこれは完全犯罪ですよ。もし俺が人を殺そうと思ったなら、この手段は見逃さないと思うな...」と言って再び警察を挑発する。(→髪の毛1本、汗やツバの1滴でも現場に残っていたら、最近の科学捜査では犯人を割り出すことが可能です。が、被害者との繋がりが全く無く、捜査線上に浮かばなかったらその可能性は否定できないでしょうね。だが、思いも寄らぬ所から捜査線上に浮かび、結局逃げ切られないと思いますけど...)

これに五代さんは「それはお前が藤川さんを殺したって意味か?」と問う。が、豊島は笑いながら「勘違いしないでくださいよ。早まらない早まらない。五代巡査部長さん」と言って五代さんの方をポンと叩いて挑発した。そして「もし、犯人呼ばわりするなら、それ相応の証拠を掴んでからにして欲しいね。それに、ひったくり犯、まだ捕まってないそうじゃないですか。俺なんか疑っている暇があったら、そっち片付けたらどうですか。だから警察は怠慢だと言われちゃうんですよ」と好き放題に言う。これに五代さんは怒り、立ち上がると「お前がやったんだろう」と迫る。ちゃんは慌てて立ち上がると「五代巡査部長!」と叫んでそれを制し「口を謹んで下さい」と言って豊島の挑発には乗らなかった。そして「今の発言を謝罪します。申し訳ありません」と豊島に言う。すると皮肉っぽく豊島は「構いませんよ、警視正殿に免じて、今のは聴かなかったことにしましょうか。失礼な部下を持つと苦労しますね~」と言う。ちゃんは頭を下げ、五代さんは席を外してしまう。頭を上げたちゃんは「ただこれだけは言わせて下さい」と言う。「何です?」と豊島が問うと「私は完全犯罪なんて信じません。犯人は必ず捕まえます」と語る。そして「では失礼します」と言うと帰って行く。

応接室を出たちゃんは、立ち止まり、目を閉じると、江戸川散歩賞の賞状や豊島の本などを思い浮かべ、じっくりと考え始める。そして目を開けると「寄せる、悪のさざ波」(ここでAパート終了。経過時間は13分半を過ぎた所でした。よってBパートは12分弱となります。)

近くの公園のブランコに乗っているちゃんに「ほれ」と言って五代さんがジュースを渡す。ちゃんは「さっきはすいません」と謝るが「いきなりでビックリしたぞ」と五代さん。ちゃんは「でも、あれじゃあ、名誉毀損で訴えられちゃいますよ。気持ちは分かりますけど、冷静になって下さい」と言う。五代さんは「ああ、悪かった」とちゃんの言いたいことを直ぐに理解した。しかしちゃんはどうしたらいいか分からず「でも、ああは言ったものの、私もどうして良いか分かりません...」と漏らす。すると五代さんは「どうした。珍しく弱気だなぁ」と言う。ちゃんはブランコからありて五代さんの方に歩きながら言う。「あの人、アリバイがないことも、動機があることもことも、全て自分から先手を打っています。きっと、私たち(警察)が何も掴んでいないことを知っているんですよ」と言う。これに五代さんは「だったら、掴んでやろうぜ」と言う。ちゃんは五代さんの方を振り返ると「えっ?」と漏らす。五代さんは立ち上がると「いつも言ってるだろう。刑事の価値はすり減らした靴の数で決まるって。俺はお前みたいに頭で考えるのは苦手だ。でも俺にはがある。それもただ闇雲に走っている訳じゃない。直接地に足を付けることで犯人の遺した足跡を感じ取るんだ」と体育会系らしい所を口にする。そして「どうだ、お前もやってみるか?」とちゃんに語りかける。するとちゃんは敬礼をして「はい」と答えた。そしてちゃんと五代さんは二手に分かれて、それぞれが徹底的な聞き込みを開始した。

懸命に聞き込みを行ったちゃんと五代さん。が、目撃者は全くおらず、収穫はなかった。五代さんは「こうなったら強硬手段に出るしかねえな」と言う。ちゃんが「はい?」と言うと「豊島には殺人の動機がある。事件当夜のアリバイはない。状況証拠で十分だ。任意で引っ張って吐かせるしかないだろう」と言う。これにちゃんは「待ってください」と待ったを掛ける。そして「相手は有名人ですよ。もし立証できなければ、世論が彼の味方に付きます」と続ける。五代さんは「他に良い方法があるっていうのか?物的証拠は何もないんだぞ。このまま黙って指をくわえて見ていろ、と言うのか」と熱い言葉を口にする。ちゃん「そうは言いません」と言うが打つ手もなく「必ず捕まえて見せます」と言うのが精一杯だった。

そんな所に、三宅巡査が「あの~」と言って現れた。しかも、一人ではなくて電気工事のおじさんを伴っていた。「電力会社の方が街頭の蛍光灯を交換したいそうです」と言う。五代さんは「勝手にやってくれ」と言うが、ちゃんは驚いて「えっ?この街灯は切れているんですか?」と問う。すると、「5日前から切れているそうです。昨日、苦情の電話を貰いまして...」と工事のおじさんが答えた。これにちゃんは考え始め、少しすると笑顔になって「そうか、そうだったんだ」と言い、「その手がありますね。謎は解けたよ、ワトソンくん

豊島を呼び出したちゃんは「どうも、ご足労ありがとうございます」と言うが、豊島は「まだ俺に何か用ですか」と面倒臭そうに返す。ちゃんは「確認したいことがあります」と言うと「実は目撃者がいるんです」と切り出した。豊島は「そいつは暗い夜道で何を見たと言うんだ」と言う。これに五代さんが「どうして暗いと分かるんだ?お前、犯行現場見たのか?」と突っ込む。が、豊島は「見てる訳無いでしょう。夜道で人が殺されたら、誰だって暗いって思うんじゃないですか」と返した。そして「何を企んでいるのか知りませんけど、いい加減にして欲しいね」と文句を言う。これにちゃんは「協力を惜しまないと言ってくれましたよね。もう少し、私たちにつき合ってください」と言う。これに豊島は溜息をつきながら「分かりましたよ。いいでしょう」と言って仕方なく受けた。

豊島が先を歩き、その後ろをちゃんと五代さんが歩いていく。豊島は「ひったくり犯はどうなったんです?そいつが藤川を殺したんじゃないんですか?」と言うが、ちゃんは「いいえ、この事件はひったくり犯とは無関係です」と答えた。すると豊島は振り返って「断定ですか。その根拠は?」と食いついた。ちゃんは「この事件がトリックもアリバイ工作もないゆきずりの衝動殺人だったら、手の施しようはなかったかも知れません。でも、犯人は一つ、余計なことをしました」と説明する。「余計なこと?」と豊島は問う。ちゃんは「財布の中身を抜いて、ひったくり犯の犯行とだと見せかけたことです」と答える。が、豊島は「何故それが見せかけだと分かるんです?」と問う。ちゃんは「街灯が消えていたんですよ」と言い、犯行は全て暗闇の中で行われたが、その場で財布を確認して必要な物だけ抜き取るのは変だ、と言う。これに豊島は「どうかなぁ?犯人は懐中電灯で財布を照らしたのかも知れない」と反論する。が、ちゃんは「何故、そんな危険を冒すんです。一刻も早く現場から逃げたいはずですよね。だったら財布ごと持ち去ればいいじゃないですか」と返す。すると豊島は「さあ、犯人に聴いてみたらどうですか」と適当に返す。これにちゃんは「聴くまでもありません。あれは偽装に決まってます」と断言した。

豊島を先頭に歩き続けている3人は、やがて犯行現場となったガード下に到着した。歩を止めた豊島は振り返ってちゃんに「OK、お嬢さんの推理通り、これはひったくり事件に見せかけた殺人だったとしよう。で、それが何だって言うんだい?」と問う。ちゃんは「藤川さんを殺害したのはあなたですね」と告げるが、豊島は笑いながら「随分話が飛躍するね。俺が犯人だって証拠は見つかったの?」と余裕で問う。が、ちゃんは「言ったはずですよ。目撃者がいるって」と返す。これに豊島は「疑わしいなぁ。何処にいるんだ」。するとちゃんたちの後ろから三宅巡査が走ってやって来た。

で、ちゃんが「目撃者の三宅巡査です。彼は昨夜、この界隈をパトロールしていました」と言った。が、豊島は笑いながら「おいおい、支離滅裂だね、お嬢さん。たった今、この現場は暗闇だったって言ったばっかりだろう」と反論し、三宅巡査に向かって「それともお前さん、昨夜ここで俺の顔、はっきり見たのか?」と問う。これに三宅巡査は「いいえ、見てはいません」と答えた。豊島は勝ち誇ったようになって「だってさ。それじゃあ目撃証言として使えないんじゃないの」とちゃんを小馬鹿にしたように言い、「もう少し頭が良いと思ったんだけどなぁ、警視正殿」と言ってちゃんに腰を曲げながら敬礼すると背を向けて帰って行こうとした。

その時、三味線の音が届いてきた、豊島は立ち止まるとキョロキョロと周囲を見てから振り返った。そんな豊島を闇が包む。岩場に白波が砕け散ると、「大波小波かき分けて。…」ちゃんの口上が始まり、「私の碇で沈みなさい!」から「神奈川沖浪裏」の波がうねると、赤い碇のストラップが飛んで行く。碇が地面に突き刺さると、碇に繋がっている鎖が豊島を拘束していた。ちゃんが鎖を引くと、大回転して、「目が回る...」と無感情で言う豊島はその場に倒れる。そして豊島はちゃんを見上げると「何するんだよ」と睨みつけた。ちゃんが歩み寄ってくると「慌てないでください。三宅巡査は事件の目撃者じゃありません」と言う。すると豊島は起き上がった、ちゃんは「彼には、私たちの行動を目撃して貰ったんです」と言うと、説明を始める。

「いいですか、私たちはここに着くまでずっとあなたの後を歩いてきました。そうですよね」と言って三宅巡査に確認するちゃん。これに三宅巡査は「間違いありません。証言できます」と言う。ちゃんは続ける。「なのに、あなたは迷わずここに来た。何故犯行現場を知っているのですか?先ほど現場は見ていないと言ったはずですよね」と豊島の行動の矛盾点を指摘した。すると豊島は気づいたようで「くっそう。やられた」と填められたことを口にした。五代さんが「お前は自分で罪を認めたんだよ」と言うと、豊島は笑い出して「なるほど。そうか、街灯の話なんかどうでも良かったんだなぁ。俺を無意識にここに来させるのが目的だった訳だ」とちゃんの意図したことを見抜き「いやぁ、見事だ。完全にやられたよ」と負けを認め「あんたの勝ちだよ、お嬢さん」と言って握手を求めて手を出すが、ちゃんはそれを受けなかった。で、五代さんが藤川を殺した動機を尋ねた。これに「深い意味はありませんよ。ただ目障りだったから。現役東大生の新人作家は一人いれば十分でしょう。それに、上手くいったら小説のネタになるし...」と悪びれることなく、ゲームを楽しんでいるかのように話した。すると五代さんは豊島の胸ぐらを掴んだ。ちゃんが「五代さん」と待ったを掛ける。豊島は五代さんを見て笑うだけだった。そんな豊島を見ているちゃん。五代さんは豊島を殴ることはせず、拳を降ろすと、手錠を取りだして豊島を逮捕した。

事件解決後、夜の町を歩いているちゃんと五代さん。海ちゃんは「さっきは殴るんじゃないかと冷や冷やしましたよ」と言うが「何を言ってるんですか、俺だって刑事の端くれですよ。その辺はちゃんと弁えていますよ」と返す。そして思い出したように「あっ、本庁から連絡入ったの聴いた?」と尋ねる。ちゃんは「あっ、はい。豊島のマンションから底に血痕が付いた靴が見つかったらしいですね」と答える。五代さんは「まず間違いなくガイシャのものと一致するだろう」と言うと「動かぬ証拠ですね」とちゃん。

五代さんは更に続ける。「それからもう一つ。連続ひったくり犯。捕まっちゃいましたよ」と言う。これにちゃんは笑顔になって安心したように「本当ですか。良かった~」と言う。五代さんは「何でもな、殺人の容疑が掛けられるのが怖くて、それで自首してきたらしいんだよ。肝っ玉の小っちゃい奴ちゃね」と説明した。これにちゃんは「じゃあ、そっちも一件落着ですか」と安心した。で、五代さんは感慨深げに「地道にコツコツと自分の足で事件を解決していく。これが刑事の基本だ」と言うとちゃんの方を振り返り「分かったな」と言う。ちゃんは神妙な顔つきになって「はい」と答え、敬礼をして「たいへん勉強になりました」と答えた。すると五代さんは「良い子だ良い子だ」と言ってちゃんの頭をナデナデしようとし、それからちゃんの自転車を奪ってそれに乗って帰っていこうとする。が、ちゃんは「ダメですよ」と言い、「本当は五代さん、疲れてるんじゃないですか」と反撃開始。「ピンピンしてますよ」と駆け足の格好をして元気だとアピールする五代さんだったが「そんなこと言って、さっきから湿布の臭いプンプンしてますよ」とちゃん。で、ジャンパーを嗅ぐ五代さん。その隙に自転車にまたがり走り出すちゃんは「身体には気をつけてくださいね~」と言い遺して帰って行く。五代さんは「ばれてたの?シェー!」と、最後にいつものギャグを披露した。これにちゃんは立ち止まって振り返ると「でも、まだまだ馬車馬のように走っていただきますから、ね~。」

次回、21話(2nd.8話)の物語は「私を水族館に連れてって! ~シーパラ尾行大作戦」です。「・18話」に登場した鬼塚&福本のコンビの再登場と思われるが、今回は鬼塚&福本ではなく、ボンゴレ兄弟としての登場です。で、物語の方は、その「・18話」を意識したものであり、多少のアレンジがあるものの、「・2nd.16話」のようなリメイクという内容の物語である。(「・2nd.16話」よりも「・18話」の内容に近いものである。)また、ちゃんの特技に「イルカと話せる」とあるが、それがようやく出てくる物語でもあります。

鑑識メモ。いつもより真剣な顔つきの柴田さん。「完全犯罪など絶対成立しません」と強く断言する。「だから最後に犯人も参ったとなった訳ですね」と言うと「そこで、ジャン!」と言って「さかなへんに参ると書いて「あじ」」と言って「鯵」と書かれたフリップを出す。「これは美味しくて参りました、と言う所から来ているんですね」と言うと、そのフリップを投げ捨てる。そして立ち上がると「突然、柴田の物まねコーナー!」と叫ぶ。そして「鯵が焼かれる瞬間」と言って一発芸へ。テーブルの上に横になると「アジジジジジジ...」そしてテーブルから降りると「参りました」と言って頭を下げる。そして元に戻ると「鯵だけに、100点!」と言って万歳をしていました。→柴田さんらしいネタでした。尚、「鯵」という文字は、「魚」+「喿」(「操」の右側)だったが書き誤ったことから来ているということです。

BS-iの本放送では、この後に着ボイスDLのお知らせがあってから終了となるが、先日(日曜日)のBS-iの再放送と共に、MBSの放送ではこの部分はカットされているが、これはいつも通りです。

今回の物語は、久しぶりの「シリアス路線」ということで、この物語単独では、なかなか良くできているのだが、「銭形海・2nd.」という括りで見ると、相変わらずちゃんのキャラがぶれているのをはじめ、随分と迷走していることが如実に現れている物語だった。と言っても、2nd.に入って迷走していたのが、今回の「シリアス路線」で思い出したようになり、この後立ち直っていくきっかけになったのもまた事実であり、全39話の丁度中間点で立ち直りの兆しを見せたのは良いことでした。で、この後は、シーパラ、怪盗マリン、サイレント、というように傑作と呼べる物語が登場してくることになります。

」からタイトルに「VS」と入っている物語はそれぞれにあり、独特の面白さがあるが、「」でもやはりそうなりました。(今回が「」では「VS」と入っているのは3回目ですけど。尚、この後は3rd.を含めて「」ではタイトルに「VS」が入る物語はありません。)

 

 

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↓江戸川乱歩賞関係(「江戸川散歩賞」はこのもじりなのは言うまでもない...)

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探偵小説辞典―江戸川乱歩賞全集〈1〉 (講談社文庫)

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  • 作者: 中島 河太郎
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  • 発売日: 1998/09
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江戸川乱歩賞と日本のミステリー

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↓芥川賞関係(当然「芥ツ川賞」はこのもじりです)

小説家になる!―芥川賞・直木賞だって狙える12講 (ちくま文庫)

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芥川賞全集〈第19巻〉

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↓豊島圭介監督関係をいくつか

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