「THE UNSEEN」 [映画(洋画)]
表題の作品は1980年の「恐怖のいけにえ」である。(ビデオ化された時に「呪われた近親相姦の館」というタイトルに改題されている。)「007/私を愛したスパイ」のボンドガールであるバーバラ・バック主演のモンスター映画である。尚、モンスター映画と言っても、本作に登場するモンスターは人間的自覚も知能もなく、近親相姦によって生まれ、地下牢で怪物のように育てられたとモンスターであり、異形の怪物という訳ではない。色んな異形のモンスターは多数存在するが、本作のような悲劇的な生い立ちを背負ったモンスターというのもまた味がある所である。(→いかにもB級作品らしいところでもある。)
作品データを記しておくと、時間は91分、原案はマイケル・L・グレース、キム・ヘンケル、ナンシー・リフキン、ピーター・フォレグの4人、監督はピーター・フォレグ、脚本はマイケル・L・グレース、撮影はロベルト・ケサダ、音楽はマイケル・J・ルイスである。そして出演は、バーバラ・バック、シドニー・ラシック、スティーヴン・ファースト、レリア・ゴルドーニ、カレン・ラム、ロイス・ヤング、ダグラス・バー、たちである。
テレビの取材で、ソルバンクという町にやってきたジェニファー、妹のカレン、アシスタントの女性の3人。が、ホテルは何処も満室であって、途方に暮れてしまう。やがて、ユニオン・ホテルという古い建物を見つけた3人は、その中から出てきた中年男・ケラーに、このホテルは廃業しているが、自分の家に泊まりに来ないか、と提案される。で、その申し出を受けてケラーの家に行き、泊めてもらうことになる。ジェニファーとカレンはちょっと町に出掛けるが、その間にアシスタントの女性が通風孔の中に引きずりこまれ、無惨な姿で殺されるということが起こった。町から帰ってきたカレンはそれを見て驚愕するが、その場にいたケラーの妹・バージニアは口封じのためにカレンを殺してしまう。そしてそのことをケラーに告げた。やがてジェニファーが帰ってくる。ケラーに呼ばれたジェニファーは地下室に監禁され、2人の死体を目にする。更にジェニファーは地下室に潜むモンスターを目にした。ケラーはジェニファーを殺そうとするが、バージニアがそれを止めた。モンスターはケラーに襲いかかるが、何とかモンスターを倒すケラー。そして再びジェニファーを襲ってきた...
モンスターの正体は、近親相姦によってケラーとバージニアの間に生まれた子供であり、地下室で監禁されて育てられたという生い立ちで、人間として育てられなかった、というものである。この設定は、物語の方を練っていったら、より面白くなることが出来るのに、本作はB級作品の限界もあるのか、悲劇的な設定を活かしきれておらず、展開の方も実に甘い。(逆に、B級作品らしいということにもなりますけど...)この点が残念な所であるが、B級作品ということでは、こういう所でしょうね。
それにしても、「007/私を愛したスパイ」のボンドガールのB・バックは、「007」出演後、本当に作品に恵まれなかったですね。「ナバロンの嵐」に出演しているが、それ以外はB級作品ばかりに出演していました。が、本作出演の後(翌1981年です)、「おかしなおかしな石器人」で共演した元ビートルズのリンゴ・スターと結婚し、こちらの方で有名になりました。
↓日本盤はリリースされていません。(以前、LDではリリースされていたんですけど...)
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