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「昭和残侠伝」(その6) [映画(邦画)]

今回は1970年のシリーズ第7作についてです。また、本作は本シリーズの中でも最高傑作と言われている作品である。(この作品はマキノ雅弘監督作であり、本シリーズでは3本目となる。また、残りのシリーズ第8作と第9作は佐伯清監督作である。)

シリーズ第7作昭和残侠伝 死んで貰います」(1970年)
作品データを記しておくと、1970年の東映東京の作品で、時間は92分である。監督はマキノ雅弘、脚本は大和久守正、撮影は林七郎、美術は藤田博、音楽は菊池俊輔である。そして出演は、高倉健、加藤嘉、荒木道子、永原和子、松原光二、下沢広之、藤純子、池部良、中村竹弥、諸角啓二郎、南風夕子、高野真二、山本麟一、石井富子、長門裕之、小林稔侍、永山一夫、日尾孝司、山田甲一、八代万智子、三島ゆり子、久保一、高須準之助、赤木春恵、花田達、久地明、たちである。

時は大正時代、東京の下町・深川。老舗料亭「喜楽」に生まれた秀次郎は、父が後妻をもらって妹が出来た時に家を出て渡世の世界に入る。駆け出し時代、雪の降るある寒い夜、秀次郎はイカサマとも知らずに賭博に手を出し、無一文になってしまい、軒下で寒作を凌ごうとしていた時に、芸者になったばかりの貧しい娘・幾江と出会った、それから3年が流れ、一人前の渡世人となった秀次郎は、イカサマ師との一件で服役することになり、刑務所へ。服役中に関東大震災が起こり、「喜楽」も廃業の瀬戸際に追い込まれる。が、板前の風間重吉と叔父・寺田が何とか支えていた。新しい建物となって生まれ変わった「喜楽」で出所した秀次郎は板前として働くことになる。一方、幾江も今では売れっ妓芸者となっていて、秀次郎の帰りを待っていた。そして、風間と寺田の計らいで2人は7年ぶりに再会した。が、その頃、新興博徒の駒井が喜楽の乗っ取りを企んでいて、罠が仕掛けられ、権利書を取られてしまう。寺田が買い戻す交渉を進めるが、帰り道に襲われて殺されてしまった。これに秀次郎も堪忍袋の緒が切れて、風間と共に殴り込み、駒井と対峙する...

本作は任侠映画であるものの、それ以上にメロドラマの要素が色濃く出ていて、渡世の中の男の激しい物語を期待していると、物足りなさを感じることになる。更に、エンディングもこれまでの作品群と少し異なったものとなっていて、シリーズ作品ということではちょっと異色となる1本である。(このため、任侠映画としたら今ひとつという声があるのにも納得できる。)が、マキノ節が全開となっていて、細かい仕草や微妙な表情の変化まで、その全てがメロドラマとしての哀愁を感じさせてくれる。また、健さんと藤純子の大人の演技をたっぷりと堪能することが出来る作品でもあり、本シリーズの中でも、また健さんや藤純子出演作を見るのであれば、本作は絶対に見ておきたい作品である。

 

昭和残侠伝 死んで貰います

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  • 出版社/メーカー: 東映ビデオ
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