「丹下左膳」(その2)

今回は、昭和初期から戦前の作品についてです。が、これらの作品は目にすることが出来ないということもあるので、17本の作品データだけを記しておくことにします。（これ以外に、日活作品の番外編扱いの1本があるが、そちらは目にすることもできるので、次回に回します。）

「新版大岡政談 鈴川源十郎の巻」、「新版大岡政談 中編」、「新版大岡政談 後編」
3本とも、1928年の東亜キネマの作品で、原作は林不忘、監督は広瀬五郎、出演は、団徳麿、原駒子、光岡龍三郎、片岡左衛門、たちである。

「新版大岡政談 前編」、「新版大岡政談 中編」
2本とも、1928年のマキノ・プロの作品で、原作は林不忘、監督は二川文太郎、出演は、嵐長三郎（後の嵐寛寿郎である。）、大林梅子、荒木忍、市川小文治、たちである。

尚、「後編」が無いのは、嵐長三郎がマキノ･プロを退社したためであり、製作されていない。（当初は3部作として製作される予定であった。）

「新版大岡政談 第一編」、「新版大岡政談 第二編」、「新版大岡政談 第三編」
3本とも、1928年の日活作品で、原作は林不忘、監督は伊藤大輔、出演は、大河内伝次郎、伏見直江、高木永二、たちである。尚、大河内伝次郎は丹家作善と大岡越前の二役を務めている。（3本とも共通。）

「丹下左膳 第一篇」
1933年の日活作品で、原作は林不忘、監督と脚本は伊藤大輔、撮影は酒井宏である。そして出演は、大河内伝次郎、阪東勝太郎、沢村国太郎、実川延一郎、寺島貢、伊藤寿恵、葉山富之輔、高勢実乗、市川小文治、伊達里子、山田五十鈴、横山運平、三好文江、中村英雄、南部章三、中村吉次、吉野朝子、山本礼三郎、五月潤子、たちである。

「丹下左膳 剣戟の巻」
1934年の日活作品で、原作は林不忘、監督と脚本は伊藤大輔、撮影は酒井宏である。そして出演は、大河内伝次郎、山本礼三郎、中村英雄、沢村国太郎、実川延一郎、市川小文治、大倉多一郎、寺島貢、尾上桃華、山口佐喜雄、秋田伸一、中村吉次、横山運平、岩井昇、高木永二、伊達里子、山田五十鈴、三好文江、吉野朝子、たちである。

「丹下左膳 日光の巻」
1936年の日活作品で、監督は渡辺邦男、出演は大河内伝次郎、星玲子、高木永二、たちである。（やはり、大河内伝次郎は丹下左膳と大岡越前の二役である。）

「丹下左膳 愛憎魔剣篇」、「丹下左膳 完結咆吼篇」
2本とも、1937年の日活作品で、監督は渡辺邦男、出演は大河内伝次郎、星玲子、高木永二、たちである。（やはり、大河内伝次郎は丹下左膳と大岡越前の二役である。）

「新篇・丹下左膳 妖刀の巻」
1938年の東宝作品で、原作は川口松太郎、監督は渡辺邦男、主演は大河内伝次郎である。（それ以外のデータがありません。）

「新篇・丹下左膳 隻手の巻」
1939年の東宝作品で、原作は川口松太郎、監督は山本薩夫、主演は大河内伝次郎である。（それ以外のデータがありません。）

「新篇・丹下左膳 隻眼の巻」
1939年の東宝作品で、時間は67分、原作は川口松太郎、監督は中川信夫、脚本は貴船八郎、撮影は安本淳、音楽は伊藤昇である。そして出演は、大河内伝次郎、山田五十鈴、黒川弥太郎、御橋公、高峰秀子、岸井明、小高たかし、冬木京三、鬼頭善一郎、進藤英太郎、沢村貞子、永井柳太郎、柳谷寛、鳥羽陽之助、汐見洋、たちである。

「新篇・丹下左膳 恋車の巻」
1940年の東宝作品で、原作は川口松太郎、監督は萩原遼、主演は大河内伝次郎である。（それ以外のデータがありません。）

尚、東宝シリーズの「新篇・丹下左膳」は全5作となる予定だったが、第5作は製作されなかった。

 

↓原作をピックアップしておきます。

丹下左膳(一) 乾雲坤竜の巻 (光文社文庫)

• 作者: 林 不忘
• 出版社/メーカー: 光文社
• 発売日: 2004/05/13
• メディア: 文庫

丹下左膳〈2〉こけ猿の巻 (光文社時代小説文庫)

• 作者: 林 不忘
• 出版社/メーカー: 光文社
• 発売日: 2004/06
• メディア: 文庫

丹下左膳〈3〉 (光文社時代小説文庫)

• 作者: 林 不忘
• 出版社/メーカー: 光文社
• 発売日: 2004/07
• メディア: 文庫

 

↓資料

資料が語る丹下左膳の映画史―大河内伝次郎から豊川悦司まで

• 作者: 田中 照禾
• 出版社/メーカー: 川喜多コーポレーション
• 発売日: 2004/12
• メディア: 単行本