EMMYLOU HARRIS『PIECES OF THE SKY』 [音楽(洋楽)]
表題のアルバムは1975年に発表した彼女のメジャー・デビュー・アルバムである。(彼女自身としたら5年ぶりとなる2枚目のアルバムということになる。)カントリーがちょっとしたブームになっていたのは'70's前半だったが、そのブームも過ぎた1975年になって、ようやくメジャー・デビューを果たすことになった彼女。が、'60'sの終わりから音楽活動を続けていたこともあって、そのスタイルは既に確立していて、後の彼女の発表したアルバムとの間でも違和感なく聴くことが出来る。
尚、本アルバムは、Billboardのカントリー・チャートでは最高位7位を記録しており、アルバム・チャートでも最高位45位を記録している。(年間アルバム・チャートのTOP100にはランクインしていない。)
収録曲は以下の全10曲である。『Bluebird Wine』『Too Far Gone』『If I Could Only Win Your Love』『Boulder To Birmingham』『Before Believing』『Bottle Let Me Down』『Sleepless Nights』『Coat Of Many Colors』『For No One』『Queen Of The Silver Dollar』。また、2004年にリイシューされたときに、以下の2曲が後ろにボーナス・トラックとして追加されて、全12曲の収録となった。『Hank And Lefty』『California Cottonfields』。
この中からシングル・カットされたのは2曲であり、彼女のデビュー・シングルになった『Too Far Gone』はカントリー・チャートでは最高位73位を記録しているが、HOT100の方にはランクインしていない。続く2nd.シングルはカントリー界でシンガー・ソングライターとしてキャリアのあるHERB PEDERSENとのデュエット・ソングの『If I Could Only Win Your Love』で、こちらはBillboardで最高位58位を記録するヒットとなった。(年間シングル・チャートのTOP100にはランクインしていない。)
本アルバムからの筆者のお薦め曲は、シングル・ヒットを記録した『If I Could Only Win Your Love』は当然である。これ以外では、『Bluebird Wine』『Before Believing』『Bottle Let Me Down』『Sleepless Nights』『Queen Of The Silver Dollar』をピックアップしておく。
カントリー、フォークという素朴な雰囲気のある作品であるが、そういう範疇に収まらずにカントリー・ロックと言ってよいものまでを巧みに歌い上げていて、才能豊かな所をしっかりと披露している。彼女の澄んだボーカルには若さも見られ、後のブレークも当然だと感じさせてくれる充実した仕上がりのアルバムとなっている。
後の彼女の放ったいくつかのヒット曲にも繋がる所もあるだけに、彼女の歌声を堪能するのであれば、外してはならないアルバムである。
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