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ゴルゴ13#29 [アニメ]

今回の物語は、ゴルゴの仕事を映画にして、それによってゴルゴの動きを封じ込めてしまおうと考えた黒幕の物語。ゴルゴには気づかれないように映画の撮影を行うスタッフと、ゴルゴを罠に掛けようとする主演女優・ジーン・バーバラとゴルゴとのやりとりはなかなか緊張感があって見せてくれる物語でした。

映画監督のエリックは、ゴルゴを主役としたドキュメンタリー映画の撮影をするようにと、映画会社から依頼されるが、その仕掛人の名前は伏せられていた。しかも台本の偏向波一切許さない、という条件も言い渡される。また、本当の台本を知っているのは限られた人間だけであった。で、空港に到着したゴルゴを、本人に気づかれないように撮影する。撮影は順調に進み、いよいよ主演のジーンがゴルゴに殺しを依頼するシーンの撮影となる。ゴルゴにこれが映画の撮影だとばれないように、細心の注意を払って撮影に挑むジーン。彼女には、この映画の設定と似たような過去があり、そのためこの映画の主役に選ばれていた。ゴルゴからの連絡が入り、やってきたタクシーに乗り込めという支持を受けたジーン。隠しマイクを付け、カメラはゴルゴに気づかれないように撮影を続ける。そして、依頼を口にするジーン。ゴルゴの「受けた」という言葉が欲しいスタッフだったが、なかなかゴルゴの返事はない。ジーンは何とかアドリブでつなぎ、そして遂にゴルゴの口から依頼を受ける、という言葉を引き出した。そして、ゴルゴはターゲットの始末をするためにゴルフ場へ。当然の如く、撮影スタッフがゴルゴに気づかれないようにスタンバイしている。そしてターゲットがやってきた。が、ゴルゴのライフルは火を噴かなかった。ゴルゴはジーンのホテルにやってきて、問い糾す。ジーンは身体をゴルゴに委ね、全てを語った。映画スタッフたちがジーンの部屋にやってきた時には、そこにはジーンの死体があっただけだった。その様子を撮影するように支持するエリック。その後、ゴルゴは仕掛けた映画会社の男と黒幕をも消し去る。エリックは撮影したフィルムを持って姿を隠そうとするが、ゴルゴはそれを許さず、エリックの乗った車は運転手が狙撃され、道を外れて鉄道の線路に落ちていき、列車と衝突、炎上してしまった...

一世一代の演技ということは時々耳にすることがあるが、まさにそんな演技を見せたジーン。が、アドリブで繋いだ所に、昔の男と映画の設定との違いがあり、ゴルゴにこれが嘘だと見破られてしまった。ということで、ゴルゴの冷静な分析力が発揮された訳だが、余りにも人間離れした感覚で状況を察知するゴルゴって、やはり化け物ですね。

ところで、この物語の原作が書かれた時期であれば、映画の撮影はフィルムであったため、このような結末でフィルムは全て焼失したということで良いんでしょうが、近年の映画製作はデジタル・データとして管理されているものもある。(所謂デジタル・シネマという奴です。)そういう撮影をしていたら、撮影データはサーバーに蓄積されていることになる。そうすると、エリックと共に映画の全てが焼失したとは限らず、事情を知らない第三者が発見して、思わぬ所からそれが世間に出てくる可能性がある。ということで、現代風に少し手を入れるか、時代設定を(10年前としていたら、十分納得できる所です。)もう少し考えて貰いたかった所である。

まあ、ゴルゴの超人的な能力を知らしめる一本ということでは、これはこれで良いのだが、時代が進歩しているということを考えると、不満が残る物語でした。

 

↓この物語は「SPコミック30巻」に収録されています。

ゴルゴ13 (30) (SPコミックス)

  • 作者: さいとう たかを
  • 出版社/メーカー: リイド社
  • 発売日: 1997/04
  • メディア: コミック


↓参考まで

デジタルシネマ

デジタルシネマ

  • 作者: 羽倉 弘之
  • 出版社/メーカー: 米田出版
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本

デジタル映像制作ガイドブック

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  • 作者: デジタル映像制作ガイドブックプロジェクト
  • 出版社/メーカー: ワークスコーポレーション
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 大型本

 


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