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「横溝正史シリーズ ~三つ首塔(全4話)」 [ドラマ]

1977年に製作されたTVシリーズ(MBS製作)で、金田一耕助は古谷一行が演じていた作品であるが、KBS京都が去年は未放送だった作品をこの10月から放送を始めたということで、これはということで見ました。(毎回見ていたが、ここに記すのは1つのエピソードごとにします。)で、まずは「三つ首塔」でした。

この作品は、1956年に片岡千恵蔵主演で映画になっているのをはじめ、本作の後にも何度かドラマ化されている。(が、中には大胆に翻案された物語もある。)本作は全4話ということで、本編の時間も約3時間ということで、原作に忠実に展開されていく本格的なドラマとなっている。

両親が亡くなり、伯父の上杉に育てられた宮本音禰は、ある日突然、遠縁の佐竹玄蔵の遺産を相続することになる。が、遺言状には高頭俊作という知らない男と結婚することが条件とあった。層でなければ、10人の相続人の間で均等に分割されることになる。そして、伯父の還暦祝いの祝賀の席から、殺人事件が起こり、音禰にはその容疑が掛かる。そんな音禰を助けたのは高頭五郞という男だった。それからも10人の遺産相続人は次々と殺されていく。調査をする金田一耕助もなかなか事件の鍵を掴めないでいた。やがて、佐竹玄蔵がかつて死に追いやった2人の男と詩文の首を供養するために建てられた三つ首塔に原因があることが分かって...

ヒロインの宮本音禰を演じた真野響子の清順で純真な姿と、脇を固める佐分利信、小池朝夫、米倉斉加年、ピーター、殿山泰司、加藤和夫、小松方正、大関優子という顔ぶれが怪演ぶりを発揮し、ドロドロの世界を突き進んでいく世界とが見事に調和して、ヒロイン・音禰がヒロインらしく輝いている。また、謎の男・高頭五郞(実は彼こそが高頭俊作であった。)を演じた黒沢年男もなかなか良い味を出している。

金田一耕助の登場する場面は比較的少ないが、このことが本作を不思議なドロドロの世界を表現することに上手くマッチしている。

実に見応えのある作品でした。まさに怪作というべき作品であり、横溝正史の原作小説以上の世界を描き出すことに成功している。これは見ておきたい作品である。

次回からは、全5話の「悪魔が来りて笛を吹く」が放送される。全5話となると約4時間という尺になるが、それだけ時間があるということで、これもまた見応えのある作品となっていて、傑作として知られている。これも楽しみです。(それについては全5話終了時点で記すということになるので、5週間後の予定です。)

 

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  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店
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