「ケータイ刑事」と「007」の驚くべき類似点(その76) [ケータイ刑事]
今回とりあげる「ある物」は「マネキン」です。で、取り上げる物語は、「ケータイ刑事」からは「愛・8話」と「舞・6話」の2本、「007」では半数以上の作品に登場しているが、それらの中から「私を愛したスパイ」と「ムーンレイカー」の2本ということにします。(Qが実験室で何かとマネキンを使っているので、登場作品は多い。)尚、「007 」においては、今回述べるのとは別の形のマネキンも登場しているが、「レギュラー陣が関係するマネキン」という条件をつけることにして、それらはまた別の機会ということにします。
「ケータイ刑事」:「愛・8話」。この物語は「第49号容疑者 銭形愛」というもので、愛ちゃんが冤罪事件に巻き込まれるという物語である。(「ケー刑事」では、この後にもいくつか冤罪事件があるが、ボンドもそうだが、優秀な人材には必ず起こるものでもありますね。)
1億円のダイヤが奪われたということで、現場にやってきた愛ちゃん。が、愛ちゃんのポケットから奪われたダイヤが出てきたということで、容疑者になってしまう。で、罠に填めた真犯人を自分で捜す愛ちゃんは取調室から脱走する。これによって警察からも追われることになり、真犯人は愛ちゃんをしっかりとマークしていた。で、次第に追いつめられていくことになる。やがて、五代さんの協力もあり、真犯人の目的が分かった愛ちゃんが反撃に出る。その時使ったのがマネキン人形であった。真犯人に追いつめられた愛ちゃんはビルの屋上から飛び降りた。慌てて駆け寄った五代さんだったが、時は遅かった。これを見た真犯人はほくそ笑んだが、「愛の光で闇を撃つ。」ということで、一転して愛ちゃんが現れ、真犯人・礼久田博士はあえなく御用となりました。
ということで、飛び降りたのは愛ちゃんではなくてマネキンでした。(勿論、愛ちゃんが来ているのと同じ衣服(青葉台学園の制服+コート)を着せている。)犯人は無事に逮捕したが、マネキンにしたらビルの屋上から落とされたということで、痛い目に遭いました。
「ケータイ刑事」:「舞・6話」。この物語は「闇の暗殺者! ~皆殺しの砦殺人事件」というもので、いつもの「ケー刑事」とは違ってハードボイルド・タッチで描かれた物語である。
27件の凶悪事件に関与した凶悪犯・袴田権四郎を護送することになった舞ちゃんと五代さん。途中でトイレに寄ったファミレスで、何者かからの銃撃を受けた。ファミレスの電話も使えず、護送車の無線機も壊されていて、応援を呼ぶためには護送車の中に置いていた携帯電話を使うしか無く、舞ちゃんは袴田の援護を受けて護送車に取りに行った。無事ら辿り着いたものの、銃弾が飛んでくるということで電話をかけられなかったが、車内にあったマネキンを発見すると、それを利用した。で、舞ちゃんは自分が撃たれたと見せかけて(マネキンが撃たれた。)相手を油断させ、その隙に応援を呼ぶ電話をかけた。ということで、犯人を逮捕した。
撃たれたのは舞ちゃんではなくて、舞ちゃんのコートを着たマネキンだった。マネキンにしたら、銃弾を喰らうことになったということで、とんだ受難でした。尚、このマネキンは、五代さんが(当時の)恋人・アニータの為に買ったものでした。(マネキンをプレゼントという五代さんの発想が凄い所でもある。)
「007」:「私を愛したスパイ」。1977年のシリーズ第10作、3代目ボンドの第3作である。本作におけるマネキンは、エジプトでボンドが基地にやってきた時、そこでは秘密兵器の実験が行われており、そこに登場する。テーブルに仕込んだ超伝導レールによって空中に浮かせたトレイ(上には食器が置かれている。)を移動させ、テーブルの端にいる人間の首をはねるということを試していた時に登場する。実験は成功し、無残にもマネキンさんの首はトレイによって切断されてしまった。
尚、これはこの作品の前年の1976年の映画「オーメン」で、ガラスによって人間の首がスパッと切られたシーンがあったが、そのシーンのパロディでもある。
「007」:「ムーンレイカー」。1979年のシリーズ第11作、3代目ボンドの第4作である。本作におけるマネキンは、南米某所のMI-6の事務所で秘密兵器の実験が行われる時に登場した。いくつかの武器の攻撃が(それぞれ異なるマネキンが使われた。)試された。中でも、ボーラという投擲武器の実験は壮絶な目に遭うことになった。将校の衣服を着たマネキンが使われたのだが、ボーラの先端の石の部分は爆弾になっていて、投げられたボーラがマネキンの首に巻き付き、先端の石爆弾同士がぶつかって爆発し、木っ端微塵に吹き飛んだ。
共通点は、いずれのマネキンも実に悲惨な目に遭っているということである。これと同じことを人間に対して行っていたら、間違いなく全て死んでいる。(何せ、ビルの屋上から地面に転落し、銃でまともに銃撃され、首をスパッと切られており、首でボーラ爆弾が爆発している。)どんな屈強な人間であっても、全く助かる見込みはないのである。これを考えたら、ここに登場したマネキンたちは、立派に人間様の代わりを務めてくれたことになる。それぞれ、墓碑銘を残して上げたくなる立派な最期を迎えている。もし、警察やMI-6に関係する所に行かないで、ごく普通にデパートやブティックなどに辿り着いていたら、流行の最先端を行くファッションに身を包んで、平和な暮らしが出来たであろうが、これも運命だったと言うことになるのでしょうね...
一方、違いといえば、「ケータイ刑事」の方は真犯人の目の前で使っており、犯人逮捕のために使われたということになるが、「007」はあくまでもMI-6内部での実験で使われたということで、表に出る/出ないという所が違いである。
次回も「ある物」シリーズということで続ていきます。何が登場するかはお楽しみに。
↓一応、これを
↓こういう映画がありました。
↓全身では無いですが...
コメント 0