篤姫#46 [ドラマ]
戊辰戦争の火ぶたが切って落とされた物語だったが、戦に関しては完全に語りで済ませたため、何だかんだでホームドラマという形は死守されましたね。そして、それぞれポジションもしっかりと守られていたので、本当に慶応4年(=明治元年)ということを完全に忘れさせてくれる展開でした。残りもあと僅かであるが、やっぱりこのスタイルは最後まで貫かれそうですね。
前半では、寂しい正月を迎えた天璋院と静寛院が語り合っているところが、銭形愛/舞の姉妹の寂しい正月ということになっていました。静寛院は「母上様」と口にしていたが、いつ「お姉ちゃま」と言わないか、なんてことを思いながら見ていました。(そんなゆとりがあるのがまた凄い...)
鳥羽・伏見の戦いによって始まった戊辰戦争については、あっさりと語りによって徳川軍の敗北が語られ、慶喜が江戸に逃げ帰ってきた、ということで、「ホームドラマ」にならない所は見事なまであっさりと片付けてしまう。で、「ホームドラマ」に繋がるところはじっくりと描かれる。
戦が始まったかもしれない、という噂をする所なんか、歴史上のことを考えたらどうでもいいのだが、そちらを取り上げるのだから、本作は凄い所である。で、やっぱり騒ぎの元になることはこの人の口から、ということで、滝山に喋らせるというのもお約束ですね。
慶喜が江戸に戻ってきたのを「凱旋」と思って喜ぶ本寿院は本寿院で、しっかりとギャグ・パートを担当していて、騒ぎの元・滝山の口から事実を知らされて卒倒って、あまりにも美味しすぎました。で、「慶喜の首を差し出せ」と、コロッと態度が変わるというのも、流石はギャグ担当・本寿院はやってくれました。(こういう所は、やっぱりマリバロン様らしく、迫力がありました。)
勝の言葉で天璋院に面会を申し込んできた慶喜。で、会うことにした天璋院。全てお見通しであり、慶喜は天璋院の言葉に従うことしかできなかったが、やっぱり銭形警視総監が全幅の信頼を寄せている長女・銭形愛ですね。将軍をひれ伏せさせてしまうだけの貫禄と迫力がありました。そして、「死を選ぶ」と言う慶喜に「生きるべき」と言い、「家族だから」ということで、やっぱり「ホームドラマ」という本作の屋台骨は安泰でした。
それにしても、普通、この時代を描いたドラマには「ホームドラマ」というものはあり得ない。が、それが堂々とまかり通ってしまう本作は、完全に「目から鱗」「コロンブスの卵」と言っていいでしょうね。
次回は、幾島の再登場です。他の展開などどうでもよくなるのも確実でしょうね。それにしても、まさか終わりも近づいたこの時期に、あの幾島が再登場するなんて、考えもしませんでした。尚、BS-hiの平日の再放送では、幾島が退場した所でもあるだけに、こういうタイミングでの再登場というのも面白いですね。一応、慶喜の助命嘆願がメインテーマになるはずで、幕末の物語だったら、やはり重要なものになるのだが、本作においては、幾島と慶喜となったら、大事なのは幾島ですからね。
必殺からくり人 / 必殺からくり人 血風編 ― オリジナル・サウンドトラック全集 8
- アーティスト: TVサントラ
- 出版社/メーカー: キングレコード
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