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「LES ENFANTS DU PARADIS」 [映画(洋画)]

表題の作品は1945年のフランス映画「天井桟敷の人々」である。フランス映画史に残る歴史的古典の名作として知られている作品である。2部構成の物語となっていて、製作に3年3ヶ月という時間を費やして完成した作品でもある。フランス映画・ファンであれば、見ていて当然という作品である。

作品データを記しておくと、時間は190分、白黒作品である。監督はマルセル・カルネ、脚本はジャック・プレヴェール、撮影はロジェ・ユベールとマルク・フォサールの2人、音楽はモーリス・ティリエとジョセフ・コズマの2人である。そして出演は、アルレッティ、ジャン・ルイ・バロー、マリア・カザレス、マルセル・エラン、ピエール・ブラッスール、ルイ・サルー、ジャヌ・マルカン、シモーヌ・シニョレ、ジャン・カルメ、たちである。

第1部:「犯罪大通り」。1840年代のパリ・タンプル大通り。そこは「犯罪大通り」と言われている所である。そこで裸芸を売りものにしている女芸人・ギャランスがパントマイム役者のバティストと知り合い、彼は彼女に心を奪われる。が、ギャランスには言い寄る男が大勢いて、無頼漢のラスネール、俳優のルメートルもギャランスに恋心を持っていた。また、パティストの出ている芝居小屋・フュナンピュール座の座長の娘・ナタリーはバティストに恋焦がれていた。やがてギャランスもフュナンピュール座に出演するようになるが、モントレ-伯爵が彼女を見て恋い焦がれることになり...

第2部「白い男」。第1部から5年後の物語。バティストはナタリーと結婚して、子供が一人いた。一方、ギャランスはモントレー伯爵と結婚していた。しかし、バティストははギャランスのことが忘れられないでいた。そんな中、今や人気俳優になったルメートルのはからいによって、バティストはギャランスと劇場のバルコニーで再会し、一夜を共に過ごした。一方、ラスネールは劇場で伯爵に侮辱されたことから、伯爵を襲って殺した。翌朝、バティストの前にナタリーが子供を連れて現れた。その姿を見たギャランスは、バティストのことを忘れてきっぱりと別れる決心をした。そしてカーニバルで賑わっている街の中へ去っていく。が、バティストはギャランスを追って...

2部構成で、トータルすると3時間を超える大作であるが、2本の作品というつもりで見ることによって、時間的な問題は克服できる。第1部は次々と登場人物が出てきて、それぞれのキャラクターが色々と絡む所が面白く、第2部になだれ込むという感じとなる。第2部はそういう登場人物が更に色々と見せてくれるということで、こちらも物語に一気に引き寄せられる。そのため、気がついた時には物語が終わっていたということになって、時間を感じさせない。こういうところは「歴史的名作」として語り継がれているだけのことはある作品である。

簡単に言うと、4人の男女のメロドラマである。が、本作が製作された時期は、第二次大戦の真っ直中である。そんな時期に、こんな凄い作品を、しかも3年という時間をかけて、よくも製作できたものだと感心してしまう。(しかも、凡作では無くて大傑作です。)フランスは映画発祥国であり、リュミエール兄弟によって映画が発明されたが、そういう誇りも感じられる。

映画にも色んな(ジャンルの)作品があるが、本作は見ておかないと「映画ファン」と名乗ることは出来ない傑作である。必ず見ることにしましょう!

 

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